有機スズ化合物について
有機スズ化合物について
Ⅰ.有機スズ化合物とは | |||||||||
有機スズ化合物とは、4価のスズ原子に少なくとも一つの炭素原子(有機基:R)が結合している下記の4つのタイプをいいます。
特にこの中でも、有機基がメチル基、n-ブチル基、n-オクチル基であり一つもしくは二つの有機基がスズ原子に結合している
RSnX3及びR2SnX2タイプの有機スズ化合物は、世界中で塩化ビニル樹脂を始めとしたハロゲン含有樹脂用の熱安定化剤を主体に、触媒、ガラス被覆剤などに広く使用されています。
日本では、これらのRSnX |
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Ⅱ.日本における 有機スズ安定剤の歴史 |
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1940年に日本で最初の塩化ビニル樹脂の生産が開始された後1950年代初めまでは輸入品の有機スズ安定剤が使われていました。 1953~4年になり国内メーカーによるジブチルスズ安定剤の生産が始まり1960年代末にはFDA(Food and Drug Administration、米国:食品医薬品局)規格に適応するオクチルスズ安定剤の製造・販売も始まりました。 その後、メチルスズ安定剤やリバースメルカプトエステル安定剤も上市されています。 現在、TETA会員会社9社はこれらの有機スズ安定剤もしくは触媒を 製造・販売しています。 |
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Ⅲ.有機スズ化合物の用途 | |||||||||
有機スズ化合物の主な用途としては、次のものが挙げられます。
①ハロゲン含有樹脂用熱安定化剤 |
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Ⅳ.有機スズ安定剤の種類 | |||||||||
代表的な有機スズ安定剤には、次のようなものがあります。(○印:商品化) なお、具体的な製品につきましては、会員会社までお問い合わせください。 |
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Ⅴ.塩化ビニル樹脂用 有機スズ安定剤の特徴 |
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の一般的な特徴は次のようになります。
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Ⅵ. 有機スズ安定剤を使用 する塩化ビニル樹脂製品 |
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①硬質透明フィルム及びシート ②硬質射出成型ブローボトル ③押出パイプ及び射出成型継手 ④硬質工業用プレス板及び押出板 |
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Ⅶ.出荷量 | |||||||||
日本国内の有機スズ安定剤の出荷量は次の通りです。(4月~3月) | |||||||||
Ⅷ.触媒用途 | |||||||||
触媒用途に使用される主な有機スズ化合物には次のようなものが挙げられます。
①脂肪酸塩系(通常C8~C22と酢酸) |