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acstaff:『新撰組~幕末幻視行~(PC-9801)』開発者インタビュー

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こんにちはー、ABEです!

1991年にウルフチームにて開発され、TAKERUでのみ販売された『新撰組~幕末幻視行~(PC-9801版)』2017年11月9日には発売26周年を迎え、プロジェクトEGGにて緊急配信を行う事が決定いたしました。

現代の女子高生が幕末にタイムスリップし、新撰組の沖田総司となって活躍し、衝撃のラストを迎えるというものでしたが、

今回は先日のクリスタルチェイサー開発者インタビューの追加版として、メインプログラマーのTOMOさんより、『新撰組~幕末幻視行~』のエピソードをお聞きしました。

ABE:

 新撰組の企画の経緯はどのようなものだったのでしょうか。

TOMO:

 私は企画自体には関わっていないのですが、牧瀬里穂さん主演の映画”幕末純情伝”のオマージュなのは確実ですね。映画は1991年7月公開、新撰組は1991年11月発売です。でも、新撰組はタイムスリップ系で基本設定が異なるので、当たり前ですが受ける印象はだいぶ違います。

ABE:

 新撰組はTOMOさんの前作クリスタルチェイサーと近しいゲームシステムですが、新撰組はクリスタルチェイサーと同メンバーでの開発だったのでしょうか

TOMO:

 私&プログラムを除き、ほぼ一新なメンバーです。キャラクターデザイン&原画は山本さん、シナリオはクリスタルチェイサーを手伝っていた砂原さん、音楽は古屋さんという方々が中心です。桜庭さんはオープニング中心に何曲か担当してもらっています。

 クリスタルチェイサーのマスターアップ(1991/6/11)後に本格開発に入っているので、開発期間は約5ヶ月ですね。

ABE:

 新撰組での技術的なチャレンジはありましたでしょうか。

TOMO:

 チャレンジというものではないのですが、PC-98に搭載されているGDC(Graphic Display Controller)を使うとPC-98でもグラフィックをスムーズスクロールさせられるのが当時気に入っていて、新撰組ではオープニング、エンディングで多用しています。エンディングのクレジットで、1画面2か所の同時スムーズスクロールを行っているので、これは少し珍しいんじゃないかなと思います。

ABE:

 ところで、当時はどのような開発環境でゲームを開発していたのですか?

TOMO:

 私個人は実は当時PC-98を持っていなかったので、あーくしゅPC-98版に取り組む際に、ウルフチームから1台借りて、その後のクリスタルチェイサーや新撰組の開発を行いました。最初はPC-98での開発環境はさっぱりだったので、アークス2のPC98版メインプログラマーの方に色々レクチャーしてもらいながら試行錯誤でやっていったのを覚えています。

 更に枝葉の話ですが、あーくしゅや斬~夜叉円舞曲のPC88版の開発は、プログラム自体はHIT-88(日高徹氏作)というPC-88上で動くアセンブラでやり切りました。画像圧縮はPC-88VA上で行うという、ハイブリット&レアな開発環境でしたね(笑)。

ABE:  

 新撰組のキャラクターたちは、クリスタルチェイサーのデフォルメ風キャラとは異なる魅力がありますね。

TOMO:

 そうですね、新撰組の魅力のひとつは、山本さんの描く沖田操をはじめとした、登場人物達だと思っています。山本さんはソルフィースで登場する男女パイロットのキャラクターデザイン等も担当されており、私自身は絵のタッチがすごく気に入っています。沖田操や土方歳三、坂本龍馬がどんな表情でどんな物語を奏でるのか、楽しんでいただけると思います。新撰組の最初のメニュー画面でキーボードの”Y”を押すと、山本さんの描いた沖田操の隠しフルグラフィックが見れます。是非お試し下さい。

 また今回復刻のプレゼント企画として、山本さんに無理をお願いして、サインを書いていただきました。これは超貴重ですので、プレイされた方はぜひ応募して下さいね。

ABE:

 ありがとうございます。これは大変レアなサイン色紙ですね!という事で急遽プレゼントキャンペーンも決定しました。詳細は後日弊社メールマガジンやサイト上で発表させて頂きますね。

最後に、レトロゲームファンの方に一言お願いできますでしょうか。

TOMO:

レトロゲームはすべてのゲームの原点であり、それをいま楽しめる『プロジェクトEGG』はとても貴重なサービスだと思っています。パソコンゲームが群雄割拠していた時代の”熱”を皆さん是非感じてみませんか?

また、そんな数あるレトロゲームの中で、クリスタルチェイサーや新撰組の復刻に際し、特集を組んでいただいたプロジェクトEGGの関係者の皆様に心より感謝します。

新撰組~幕末幻視行~の発売から26年経ちますが、その当時の想いや時代を背負って、沖田操が幕末を駆け抜けていく姿を是非ご覧いただけますと幸いです。