Red Hat、Linuxカーネル内で動作する高速Webサーバをリリース
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米Red Hatは9月1日、高速なWebサーバ「TUX」の開発者向けプレビュー「Hawaii」リリースを公開した。TUXはCPUの特権モードで動作するLinux専用のWebサーバで、Webサーバのベンチマーク「SpecWeb99」でDellのLinuxマシンが飛び抜けた値をマークしたときにも使用された。
TUXはカーネルモジュールとして動作し、スタティックなコンテンツのみをサービスする。ダイナミックなコンテンツについては、80番ポート以外で待機しているApacheなどのユーザープロセスにリクエストをそのままリダイレクトし、それらに処理を任せることが可能だ。最近のWebでは動的なコンテンツが多用されるようになったとはいえ、画像などはほとんど静的なので、コンテキストスイッチの必要がないカーネルモジュール内でHTTPを処理するメリットは大きいという。
また、TUXの持つコンテンツのキャッシュ機能も、できる限り高速にサービスできるように最適化されている。キャッシュされたデータは、あらかじめ計算されたTCPチェックサムと共にページキャッシュに保持され、DMAによりコピーなしにネットワークカードに送られるため、非常に高速に処理される。新たなシステムコール“tux(2)”を利用すれば、ダイナミックなコンテンツもキャッシュすることが可能だ。さらに、動的に生成されたデータとキャッシュされたデータの混在するページを処理することもできる。
TUXの設定は、/proc/sys/net/http/*に置かれた仮想ファイルに書き込むことにより行なう。
TUXのライセンスは、カーネルと同じGPL。正式なリリースは2000年9月末の予定だが、プレビュー版はRed HatのFTPサイトまたはミラーサイトからRPMソースパッケージをダウンロードすることができる。