実績とは (ジッセキとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
- ️Mon Jan 13 2025
実績とは、以下のことを指す。
曖昧さ回避
本稿では2.について解説する。
概要
コンピュータゲームにおける実績とは、ゲームプレイ中に設定された特定の目標を達成した際に付与される記録や報酬のことを指す。たとえば、プレイヤーが特定の課題をクリアしたり、新しいプレイスタイルを試したりすることで達成される。プラットフォームやゲームによって呼び名は変わり、「トロフィー」「バッジ」「アワード」「メダル」などとも呼ばれる。実績はそれらの総称として使われることが多い。
通常のゲームプレイで達成されるメインストーリーの進行やレベルアップとは異なり、ゲームの外部システムやプラットフォーム上で一元管理されることが多い。
また、実績はゲーム内だけでなく、Xbox LiveやPlayStation Network、Steamといったオンラインプラットフォームのプロフィールに表示され、他のプレイヤーと共有することもできる。
プレイヤーにとっては、実績解除による達成感をもたらすと同時に、時にはゲームの楽しみ方を広げる手段ともなりえる。一部のプレイヤーにとっては、ゲームそのものよりも実績の解除が目的化することもあり、そのような人たちは「アチーブメントハンター」や「トロコン勢」などと呼ばれる。
実績の存在は肯定的にも否定的にも捉えられ、ネット上でもしばしば議論の的になるが、いずれにしても実績がプレイヤーとゲームを結びつける強力な仕組みであることに異論はないだろう。
実績の目的
実績が存在する主な目的は、プレイヤーにゲームをより深く楽しむ動機を与えることとされる。通常のストーリークリアや進行に加えて、以下のような挑戦を提供することで、ゲームプレイを拡張します。
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隠された要素の発見
- 特定の隠しアイテムを見つけたり、隠しキャラクターを解放したりするなど。 特別な行動の達成
- 敵を倒さずにクリアする、通常プレイでは不可能に近いスコアを達成するなど。 時間制限や回数制限のある課題
- 短い制限時間内にボスを撃破する、決められた回数だけ特定の行動を繰り返すなど。
いずれにしても、ゲームそのものの寿命を延ばす役割を持たせたり、プレイヤーに新たなプレイスタイルを試させる機会を提供したりする。
ゲーム内外での実績の役割
現代の実績システムは、単なるゲーム内の目標達成にとどまらず、プレイヤーのオンラインプロフィールを彩る要素としての役割を担っている。
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スコアとしての実績
- Xbox LiveのゲーマースコアやPlayStationのトロフィーレベルのように、数値化された形でプレイヤーの成果を示すシステム。 コミュニティーへの影響
- 実績解除を目的としたプレイヤー同士が情報交換を行う「アチーブメントハンター」と呼ばれるコミュニティーが存在する。
実績システムの歴史
実績システムの起源を辿ると、ゲーム内での成果を物理的な形で認識する仕組みに遡る。
初期の実績システム
実績の最も古い形は、1980年代のアクティビジョンが提供した「Patches for high scores」とされる。このサービスでは、プレイヤーがゲームで高得点を達成し、その証拠となるテレビ画面の写真を郵送することで、物理的なワッペンを受け取ることができた。このサービスは、ゲーム会社がゲーム外部から達成感や競争意識をプレイヤーに与える手段として、当時としては画期的な取り組みであった。
プラットフォーム別の実績導入
2005年にMicrosoftが発売したXbox 360は、現代の実績システムの基礎を築いたゲーム機と言えるだろう。
同機には「ゲーマースコア」と呼ばれる実績システムが搭載され、プレイヤーがゲーム内で特定の目標を達成すると、スコアが加算される仕組みが採用された。このシステムは、プレイヤーの進捗を数値で視覚化するだけでなく、他のプレイヤーと共有することが可能であり、ゲームコミュニティーの活性化に寄与した。
2008年にはソニー・コンピュータエンタテインメントがPlayStation 3で「トロフィーシステム」を導入。トロフィーは「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」の4種類に分類され、実績の難易度を視覚的かつ階層的に示す仕組みを採用した。同時期に、ValveはPCゲームプラットフォームのSteamに独自の実績システムを実装し、PCゲームの世界でも広く普及することとなった。
モバイルゲームやその他プラットフォームへの拡張
2010年代に入ると、実績システムはモバイルゲームやブラウザゲームにも拡大する。
AppleのGame Centerや、GoogleのGoogle Play Gamesが実績システムを取り入れたことで、モバイルゲームユーザーにも実績の文化が浸透していった。また、一部のFlashゲームプラットフォームもバッジシステムを提供するようになっていく。
実績とゲームシステムの融合
現代の実績システムは、単なる目標達成の記録にとどまらず、ゲームデザインや収益モデルにも影響を与えている。一部のゲームでは、実績解除がゲーム内アイテムの獲得や新しいコンテンツの解放につながることもある。また、実績システムをマーケティングツールとして活用し、プレイヤーの関与を高める取り組みも行われている。
良い実績と悪い実績
良い実績
良い実績は、プレイヤーに達成感や楽しさを与え、ゲーム体験を豊かにする役割を果たす。
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ゲームの進行と連動しているもの
- ストーリーの進行や特定のステージのクリアといった、自然なゲームプレイの中で解除される実績は、プレイヤーに達成感を与えつつ、無理なくゲームの魅力を伝えることから理想的とされる。 新たな挑戦を提供するもの
- 通常のプレイでは気づかないゲーム要素にプレイヤーを誘導する実績は、新しい遊び方や戦略を発見するきっかけになりえる。たとえば、「特定の武器で50キルする」や「ステルスでステージをクリアする」など。 進捗がわかりやすいもの
- 実績解除に向けた目標が明確で、進捗がゲーム内で確認できるものは、プレイヤーがモチベーションを保ちやすくなる。 達成感があるもの
- 一定の努力や工夫が必要な実績は、解除した際の満足感を大きくする。高難易度への挑戦や長期的な目標を達成する実績は、プレイヤーに自信と充実感を与える一因となる。
悪い実績
一方で、プレイヤーにストレスや不満を与え、ゲーム体験を損なう実績も存在する。
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無意味な行動を強いるもの
- 「特定の場所で何百回もジャンプする」や「まったく効果のないアイテムを装備してプレイする」など、ゲームの楽しさとは無関係で虚無な行動を求めるもの。 達成が極端に困難だったり、運が絡むもの
- 他のプレイヤーとの協力が必須だが、オンライン人口が少なく達成が事実上不可能な実績や、運任せの条件を含む実績は、プレイヤーに不満を抱かせる原因となる。 進捗が見えないもの
- 条件が不明確で、解除方法をプレイヤーに伝えない実績は、プレイヤーにストレスをもたらし、ゲームへの没入感を損なわせる一因となる。基本的には自分で調べるか、コミュニティーに協力してもらう必要がある。 プレイの強制感が強いもの
- 特定のプレイスタイルを押し付ける実績は、自由な遊び方を奪い、プレイヤーにとって不快な体験となることがある。
実績システムの課題
実績システムはプレイヤーに様々な楽しみや目標を提供する一方、さまざまな課題が存在する。
「実績スパム」の登場
実績解除を目的とした低品質なゲームが、プラットフォームで増加することになった。これらのゲームは、簡単に実績を解除できる仕組みを意図的に用意し、実績をコンプリートしたいプレイヤー向けに販売される。
このようなゲームは実績そのものの価値を低下させるだけでなく、プレイヤーが本来得るべきゲーム体験が失われたり、プラットフォーム全体のゲーム品質に対する信頼が損なわれたりするリスクがある。
実績解除が不可能なケースの発生
一部のゲームでは、オンラインプレイや特定のサービスを利用しないと達成不可能な実績が存在する。これらは該当のサービスが終了したり、プレイヤー数が少なかったりすると、実績を解除することが事実上不可能となってしまい、プレイヤーが全ての実績を解除する機会を永久に失ってしまう。
実績の質のばらつき
ゲームによって実績の内容や質に大きなばらつきがある。大手のゲームであれば基本的に問題ないが、一部のゲームでは、プレイヤーにとって意味のない単調な実績が多く含まれている場合がある。これらも実績の価値を低下させ、プレイヤーの意欲を削ぐことにつながる。
強制感とプレイスタイルの制限
一部の実績は、特定のプレイスタイルを強要する性質を持つ。例えば「特定の武器を使い続ける」という実績は、それ以外の武器を使いたいプレイヤーにとっては、使用をためらわせるものになりうるかもしれない。これは一部の実績の解除に作業感を伴わせる。
不公平感を生む
先のオンラインプレイや、ランキング要素を含む実績は、プレイヤー間のスキルやアクセス環境、時期的な要素によって取得できるが左右され、不公平感を生む場合がある。実績解除が一部の熟練プレイヤーだけに限られたり、新規プレイヤーやカジュアルプレイヤーが挫折する要因になったりしてしまう。
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関連リンク
関連項目
- ページ番号: 5714795
- 初版作成日: 25/01/13 15:09
- リビジョン番号: 3351129
- 最終更新日: 25/02/20 18:07
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