Unit原理に基づいた小範囲顔面皮膚・軟部組織欠損の再建
- ️Fri Nov 10 2006
抄録
顔面皮膚腫瘍切除により生じた小範囲の皮膚・軟部組織欠損の再建においては,欠損の大きさによって単純縫縮するか,局所皮弁を用いるかの判断に苦慮する場合も少なくない。その判断の際には,欠損部の皮膚の性状や,周囲の解剖学的land markを考慮したうえで,最も適した方法を選択する必要がある。局所皮弁を選択する場合,顔面は整容的配慮が必要であり,単なる欠損の被覆のみでなく色調・質感の連続性を有する形態の再現,すなわちesthetic mindを踏まえたunit原理下再建の有用性は高い。しかし,顔面は部位によって皮膚の性状,質感,厚みなどが異なり,たとえunit形態に合致した再建であっても,質感,色調,厚さなどの異なる組織を移行した場合,不自然な形態を生じ,二次修正術を要することもまれではない。そのため,欠損部皮膚に適合した採取部,移植法を選択し,皮弁の薄層化など厚みの調整を行うなどの配慮が必要である。