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日本脳炎ウイルスによる雄豚の造精機能障害および精液中へのウイルスの排出

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抄録

日本脳炎ウイルス野外株を雄豚に接種して, それが精液性状におよぼす影響を検討したところ, 精子数減少, 精子生存率の低下, 精子奇形率の増加など精液性状が異常となり, 重症例では, 約1か月間無精子状態が観察された. また, この豚の感染後3日と17日に採取した精液からウイルスが回収された. 感染豚の精液中にウイルスが排出されたので, 雌豚の子宮頸管内にウイルスを混じた精液を人工授精の方法に従い注入して感染の有無を調べたところ, ウイルス血症と抗体産生が認められた. これらのことから, 雄豚が日本脳炎ウイルスに感染すると, 造精機能障害が起こり, 精液を介して雌豚が感染する可能性が実験的に証明された.