高知県室戸市におけるウバメガシのカシノナガキクイムシ被害傾向
- ️Tue Aug 21 2001
抄録
近年,高知県では土佐備長炭の生産が活発化しているが,その原料となるウバメガシはカシノナガキクイムシに穿入被害を受ける。持続的に利用可能な資源量の推定,および持続的な資源管理体系の確立のためには,その穿入被害の傾向を把握する必要がある。そこで本研究では,土佐備長炭の主要生産地である高知県室戸市において,ウバメガシのカシノナガキクイムシ穿入被害の発生傾向を調査した。11プロットに合計560株のウバメガシ個体が生育し,そのうち179株に穿入痕が確認されたが,株全体がナラ枯れの典型的な枯死症状を呈しているものはなかった。ロジスティック回帰分析により,穿入被害と株最大直径には有意な正の相関が認められた。また,プロットの混交率の増加に伴い,穿入被害は減少することが示唆された。