さかなのこ : 作品情報 - 映画.com
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さかなのこ
劇場公開日:2022年9月1日
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4.0のん=さかなクンは大正解 「横道世之介」好きな人にオススメ
2022年9月20日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
素敵な作品です。さかなクンの半生を、沖田修一監督・のん主演で映画化したわけですが、
さかなクンのひたむきな姿に心が洗われるとともに、多くの含蓄が込められた作品であることが
見て取れます。
のんがさかなクンに扮したことは、大正解。
性別云々ではなく、のんがさかなクンと同化し、作品世界を生き切ったことに感嘆しました。
井川遥が演じた母親役の優しい説得力はもちろん、柳楽優弥や磯村勇斗、岡山天音らとの
交流に、観ているうちに心がホッコリしてくるのにも納得です。
139分と決して見やすい尺の作品ではありませんが、それだけのものをもたらしてくれるはず。
「横道世之介」が好きな方は、きっと好きだと思います。
4.0のんの透明な推進力と、柔らかな沖田マジックに心酔。
さかなクンの半生を映画化するーーーそれだけで期待は募るのに、いざ完成した本作にはそれらを超える驚きやおかしみがあった。主演のんがこれまた爽やかな透明感と、ひたすら真っ直ぐに突き進む推進力を与えたのは言うまでもない。興味深いのは脚色の方法だ。さかなクンのエッセイ本を原作としつつ、決してそれだけに留まらず、あえてフィクションならではの登場人物や出来事を掛け合わせる。その結果、観客がずっと笑顔で見守ることができる極上のオフビートな空気が出来上がった。さらに後半、主人公が「好きなことをやり続ける」ために歯を食いしばり、失敗や挫折の経験がいつしか弧を描くように実を結んでいく様に、静かな感慨がこみ上げてやまない。この映画に関して言えば、映画的な身構えや小難しい批評眼は必要ないのかも。それくらい物語や映像がひたすらナチュラルに、身と心へ沁み込んでいく。この心地よさ。沖田マジックは本作でも健在なのだった。
4.5さかなクンの自叙伝を「のん」が演じる、と聞いた時に「ゲテモノ系」映画の印象を持ったが、実際には、自然すぎて驚く。
まず、さかなクンの自叙伝を「のん」が演じる、という設定の時点で「ゲテモノ系」のヘンテコ映画を想像する人が多いでしょう。
共通点としては、さかなクンは「ぎょぎょぎょ」、のんは「じぇじぇじぇ」というくらいしか見つかりません。
ただ、男とか女とか、性別なんてどうでもいいんですね、本当に。
のんが見事に演じ切っていました。
本作のイメージを一言でいうと、「とにかく楽しい映画」です。
試写会場が映画館だったこともあり、人も多く、笑いに包まれていました。
そこで気付いたのは、やはりコメディ映画は映画館で見るのが良いということです。
ボーと見ていると、周囲の反応で、「あ、ここは面白いシーンなのか」と何度も気付かされました。
久しぶりに映画館で観客との一体感を感じた作品でした。
キャスト陣も、のんだけでなく、磯村勇斗、柳楽優弥などが良い味を出しています。
沖田修一監督は、前作の「子供はわかってあげない」で調子を取り戻してきたようで、本作が最高傑作だと感じます。
ただ、沖田監督作品の特徴ですが、若干長いのかもしれません。
その視点で考えると、「さかなクン本人の登場シーンは本当に必要だったのかな?」という疑問が生まれます。
単なるカメオ出演であれば何の問題もないのですが、子役との共演シーンは展開も含めて少々複雑な気持ちになってしまいます。
気になるシーンはそのくらいで、あとはひたすら楽しい作品でした。
4.5主人公を触媒としたおおらかな群像劇
沖田修一監督作の中では、大傑作『横道世之介』の系譜の作品。というのも、のん演じる主人公を描く物語というだけでなく、その主人公と出会った人たちの心に広がるさざなみを描くことで、それぞれの人生を点描する群像劇になっているのだ。
そして他人の人生の触媒としての主人公を演じるのに、のんほどの適役もいるまい。演技力はもちろんだが、性別はもはや関係ない抽象的な存在としての妙な説得力が備わっているから。地に足はついているのに現実感がない。得難い持ち味を発揮したのんと、その魅力をみごとに掬い取った沖田監督に拍手。あと脇役にいたるまでみんないい。