篠原涼子主演「アンフェア」4年ぶりの映画第3作「the end」でシリーズ完結
バツイチ、子持ちで大酒飲み。だが、抜群のきゅう覚で検挙率No.1を誇る凄腕の刑事・雪平夏見が4年ぶりに帰って来る。「アンフェア」は連続ドラマの高視聴率を経て07年に「アンフェア the movie」として映画化。興収27億2000万円の大ヒットを記録し、11年の続編「アンフェア the answer」も同23億4000万円を稼ぎ出した。
映画は2作とも「雪平夏見、最後の事件」を標榜していたが、稲田秀樹プロデューサーは「answerでも、あまり答えは出ていないんですよねえ」と苦笑い。第2作公開当初から続編を望むファンの声にも後押しされて企画を進め、ようやく万全の態勢が整った形だ。
メガホンもとる佐藤嗣麻子監督による脚本で、ストーリーは前作の4年後からスタート。元夫の命と引き換えに国家機密のデータを手に入れた雪平が反撃に出ようとした矢先、謎の転落死体が発見される。現場には「アンフェアなのは誰か?」と書かれた、シリーズに共通する1枚のしおり。雪平は型破りな手段も駆使し、強大な敵に切り込んでいく。
臼井裕詞プロデューサーによれば、「けっこう巻き込まれ型の主人公だった雪平が、ついに反撃に出るというのがひとつの見どころ。映画は第1作がアクション、第2作がミステリーと作風が変わっていて、今回もエンタテインメントとしての深みを増し熟成されている」と説明。連続ドラマの起点となる、雪平が刑事になるきっかけとなった父の死の真相も明らかになるという。
ラストに関しては、臼井氏は「驚がくの真実でした。当初思っていた終わり方から大きく変わって想像以上です」と意味深。篠原も、「こういう結末なんだ。合点がいくので、大賛成です」と納得していたという。
そして、「雪平夏見は、自分を成長させてくれた本当に大切な役なので、ぜひこの壮大なストーリーを完結させたいと思い参加させていただくことになりました。『アンフェア』らしいミステリー、サスペンス、そして裏切りが詰まった内容になっています」と意欲。稲田氏も、「リハーサルに入った瞬間から、完全に雪平になっていた。長い時間をかけてやってきたから、スッと戻れるんでしょうね」と絶大な信頼を寄せている。
佐藤浩市、阿部サダヲ、加藤雅也、寺島進ら主要キャストも引き続き出演し、雪平の一人娘・美央役で現AKB48の向井地美音も米国留学中という設定で登場する。篠原は映画の公開後に出産を経験しており、臼井氏は「現場で皆が集まると、(それぞれの)子どもの話になったりするところに、シリーズの長さを感じる。篠原さんは女優として成長して着実にキャリアアップし、生き方の美しさに魅力がありますね」と自信のほどをうかがわせた。
また、シリーズの大きな魅力となるゲストについては「雪平は基本、紅一点ですから」(臼井氏)と、大物男性俳優の出演が予定されているという。9月に全国で公開。