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テナガエビ科 - Wikipedia

テナガエビ科(テナガエビか、学名Palaemonidae)はコエビ下目に属するエビの1つ。テナガエビ類やスジエビ類など水産資源となる大型種の他、他の大型生物と共生することで知られる小型のカクレエビ類を多数含む。

近縁の科とともにテナガエビ上科 Palaemonoidea というグループを構成する。ただし近縁の科はどれも少数のカクレエビ類を分類したもので、テナガエビ上科の中ではテナガエビ科が最大の科である。

5対・10本ある歩脚のうち、第1歩脚と第2歩脚は先端にはさみがある鋏脚に変化している。さらに第2歩脚が第1歩脚よりも大きく目立つのがテナガエビ科の特徴で、第1歩脚が大きいテッポウエビザリガニ下目、第3歩脚が大きいオトヒメエビ類などと区別できる。中には両方の鋏脚が大きいものだけでなく、左右のどちらか片方だけ大きくなるものもいる。

体長は数cm-10cm程度のものが多く、エビとしては中型から大型である。体長30cmを超えるオニテナガエビ Macrobrachium rosenbergii (De Man, 1879) という種類もいる。

淡水から汽水域、浅い海に分布する。淡水性のテナガエビ類でも、幼生期は海で過ごし、稚エビに成長して川を遡る両側回遊性のものが多い。ただし種類によっては陸封され、淡水域から出ずに一生を送るものもいる。テナガエビ類は漁業資源となるものが多い。

体長は数mm-3cmくらいまでの小型種がほとんどである。全てが海産で、浅い海からやや深い海まで多くの種類が知られる。種間の系統関係はまだはっきりとしておらず、学名がついていない未記載種も多い。未発見種も相当数いるとみられる。

いわゆる「共生エビ」はカクレエビ亜科だけに限らず、同じテナガエビ上科の複数の科、モエビ科テッポウエビ科タラバエビ科ドウケツエビ科など、エビの各科で幅広く見られる。この中には鋏脚が太く発達したものが多いが、カクレエビ亜科を含むテナガエビ上科は第2歩脚が大きく発達するので区別できる。

これらは小型で食用にはならないが、宿主が食用である場合は料理の際に出てくることがある。また、宿主の表面を徘徊するものは鮮やかな外見のものもいて、これらは共生の好例としてスキューバダイビングなどで観察や撮影の対象となる。宿主もろとも水族館などで飼育・展示されることも多い。