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デーイダメイア - Wikipedia

ジョセフ=ミシェル=アンジェ・ポレーの1870年の作品『アキレウスとデーイダメイア』。リュクサンブール宮殿所蔵。

デーイダメイア古希: Δηϊδάμεια, Dēidameia)は、ギリシア神話の女性である。長母音を省略してデイダメイアとも表記される。主に、

の2人が知られている。以下に説明する。

リュコメーデースの娘

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このデーイダメイアは、スキューロス島の王リュコメーデースの娘である。トロイア戦争の英雄アキレウスとの間に、ピュロス(ネオプトレモス)を生んだ。

神話によると、アキレウスは予言者カルカースによってトローイア攻略に必要不可欠な人物であると予言されたため、テティスはアキレウスの死を予見し、まだ子供だった息子をスキューロス島に連れて行き、リュコメーデースに預けた[1]。リュコメーデースはアキレウスが金髪の美しい少年だったので、女装をさせて王宮内にかくまい、自分の娘たちとともに養育した[2]。デーイダメイアがアキレウスと出会ったのはこの時である。やがて2人は愛し合うようになり、アキレウスがトロイア戦争に参加することが決まったときには2人の間に1子ピュロスが生まれていた。この子供が後のネオプトレモスである[1]

のちにアキレウスはトロイア戦争で戦死する。アキレウス戦死の知らせがスキューロス島にもたらされたときのデーイダメイアの悲しみは深いものであった。ネオプトレモスはギリシア軍の使者ディオメーデースオデュッセウスの参戦要請に即答で応じたが、デーイダメイアを悲しませまいとしてそのことを伝えなかった。しかしデーイダメイアはオデュッセウスとディオメーデースがかつてアキレウスを戦場に連れ去り、死に至らしめるきっかけを作った男たちであることを覚えていて、彼らがスキューロス島に来た目的がネオプトレモスにあることを理解していた。デーイダメイアは夜が明けると息子に戦場に行かないように泣きすがったが、ネオプトレモスの意志を変えることは出来なかった[3]

戦後、デーイダメイアはネオプトレモスとともにモロシアーに移住したヘレノスの妻になったという[4]

系図

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オーケアノステーテュース
アーソーポスメトーペー
アレースハルピンナゼートステーベー
ステロペーオイノマオスポセイドーンサラミースネーイス
ペロプスヒッポダメイアキュクレウスゼウスアイギーナアクトール
アルカトオススケイローンカリクロー
エンデーイスアイアコスプサマテー
ペリボイアテラモーンヘーシオネーアンティゴネーペーレウステティスポーコスメノイティオス
大アイアーステクメーッサテウクロスポリュドーラーアキレウスデーイダメイアパノペウスクリーソスパトロクロス
エウリュサケースメネスティオスアンドロマケーネオプトレモスヘルミオネーエペイオスストロピオス

ベレロポーンの娘

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このデーイダメイアは、ベレロポーンの娘である。リュキアサルペードーンクレータミーノースの兄弟)の子エウアンドロスと結婚し、トロイア戦争に出兵したサルペードーンを生んだという[5]

脚注

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  1. ^ a b アポロドーロス、3巻13・8。
  2. ^ ヒュギーヌス、96話。
  3. ^ スミュルナのコイントス、7巻。
  4. ^ アポロドーロス、摘要(E)6・13。
  5. ^ シケリアのディオドロス、5巻79・3。

参考文献

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