ユリイカ (雑誌) - Wikipedia
ユリイカ (雑誌)
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『ユリイカ』 | |
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Eureka | |
ジャンル | 芸術総合誌 |
刊行頻度 | 月刊 |
発売国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
出版社 |
書肆ユリイカ(1956年 - 1961年) 青土社(1969年 -) |
ウェブサイト | 青土社「ユリイカ」 |
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『ユリイカ』(Eureka)は、日本の雑誌。青土社で発行されている月刊誌で[注 1]、詩および批評を中心に文学、思想などを広く扱う芸術総合誌である。なおユリイカとは「見つけた」を意味する「Eureka」から来ている。
1956年に、伊達得夫が書肆ユリイカを設立し発行し始めたのに始まる。これは伊達が死去する1961年まで発刊された。その後1969年に清水康雄が青土社を設立し、6月に第二次「ユリイカ」(7月号)を創刊[1]。少し縦長の印象を受ける菊判変型だった[1]。
復刊に際して、旧「ユリイカ」で育った大岡信は、清水から依頼されて「断章」の連載を始めた[2]。他にも柱となる企画がほしかった清水は、敬愛する吉田健一に連載を依頼しようと考えていた[2]。清水から吉田の連載のテーマについて相談された大岡は、ヨーロッパの世紀末について書いてもらうべきだと提案した[2]。吉田健一「ヨオロッパの世紀末」は創刊号から連載され[1]、1970年6月号で完結し[3]、同年10月に出版され[4]、第23回野間文芸賞を受賞した[5]。
数年目に大幅にページ数を増やし、今日まで毎月発行されている。
注目すべきキーワードを特集に、毎号特定の作家(詩人、小説家、漫画家、アニメーション作家、芸術家など)の作品、ジャンルを取り上げている。近年では、作家・作品論を総特集した臨時増刊号も多く発行されている。
- 清水康雄(1969年 - 1971年)
- 三浦雅士(1972年 - 1975年)
- 小野好恵(1975年 - 1977年)
- 清水康(1978年 - 1981年)
- 西館一郎(1982年 - 1984年、2001年、2003年)
- 歌田明弘(1985年 - 1992年)
- 西口徹(1993年 - 1996年)
- 須川善行(1996年 - 2000年)
- 岡本由希子(2002年)
- 郡淳一郎(2004年 - 2005年)
- 山本充(2006年 - 2014年)
- 横山芙美(2014年 - 2016年)
- 明石陽介(2016年 - 2024年)
新鋭詩人の発掘に力を入れており、毎号コーナー(『今月の作品』)を設け投稿作品を受け付けている。年間でもっとも優秀な投稿者を「ユリイカの新人」として顕彰している。過去の受賞者には、城戸朱理、倉石信乃、早坂類、田中庸介、宋敏鎬、峯澤典子、カニエ・ナハ、小野絵里華、大崎清夏、うにまる(林木林)など。
- ^ a b c 長谷川 (2014), p. 541.
- ^ a b c 長谷川 (2014), pp. 541–542.
- ^ 長谷川 (2014), p. 550.
- ^ 長谷川 (2014), p. 553.
- ^ 長谷川 (2014), p. 554.
- 田中栞『書肆ユリイカの本』(青土社、2009年)、ISBN 978-4-7917-6465-5
- 長谷川郁夫『吉田健一』新潮社、2014年。ISBN 978-4-10-336391-0。
- 現代思想
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- KAWADE道の手帖