疑心暗鬼 - Wikipedia
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疑心暗鬼(ぎしんあんき)は、古代中国からの成語。
心に疑いを持っているならば、何でもないような些細な事柄にでも不安になったり、恐ろしくなったりするということである[1]。疑心暗鬼の疑心とは仏教用語であり、暗鬼とは暗闇の中に鬼が見えるということである。これらを組み合わせることで、心を疑う気持ちがあるならば、暗闇の中に鬼が見えるという状態にまで陥るということを表している[2]。
この言葉は、戦国時代の中国で著された『列子』という書物が由来である。これに登場する男性が木を切るときに用いていた鉞を失ってしまった。そしてこれは隣家の息子が盗んだと疑うようになり、そこからその息子の言動の全てが疑わしく感じるようになって行った[2]。だが実際は、その鉞は自身が谷底に置き忘れていたために失っていたのであった。こうして鉞が見つかってからは、隣家の息子を疑わしく思うことは無くなったのであった。この逸話から「疑心、暗鬼を生ず」という言葉が生まれて、これが略されて疑心暗鬼となった[3]。
- ^ 日本国語大辞典,四字熟語を知る辞典, デジタル大辞泉,精選版. “疑心暗鬼(ギシンアンキ)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2025年3月8日閲覧。
- ^ a b “今さら聞けない!【疑心暗鬼】の意味は? 例文・類語・対義語についても解説 | Domani 疑心暗鬼とはすべてが疑わしく感じる心理状態。言葉の由来や使い方をご紹介”. Domani (2023年11月16日). 2025年3月8日閲覧。
- ^ “「疑心暗鬼」の由来は隣人同士に起きた疑惑から?”. ニッポン放送 NEWS ONLINE. 2025年3月8日閲覧。