ja.wiktionary.orgいかん - ウィクショナリー日本語版 いかん 出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』 いがん も参照。 いかん【如何、奈何】 「いかに」の転訛。 物事のなりゆきや状況。 もし詳かに吾が宗教、吾が政治、吾が思想、吾が学術を究察する時は、遺憾ながらも、吾は優勝劣敗の舞台に立つて遜色なき事能はず、未来に於て我豊葦原の民族の消長いかんは、今之を断ずることを得ざれども、此儘にして推し行かば、遂に自然の結局を奈何ともすべきなからむか。(北村透谷 『一種の攘夷思想』) ただし余は文部省の如何と、世間の如何とにかかわらず、余自身を余の思い通に認むるの自由を有している。(夏目漱石 『博士問題の成行』) 要するに、この工事が、期日までに成るも成らぬも、一にその方たちの働き如何にかかっておること。(吉川英治 『新書太閤記 第七分冊』) いかんともしがたい (多くは被修飾用言を省略して疑問又は反語表現)どのようか。 予は即座に自殺を決心したれども、予が性来の怯懦と、留学中帰依したる基督教の信仰とは、不幸にして予が手を麻痺せしめしを如何。(芥川龍之介 『開化の殺人』) 「いかぬ(<「いく」の未然形+打消しの助動詞「ぬ」)」の転訛。 いかん【不可:まれ】 (口語、男性語、西日本の方言)いけない、だめだ。 また一方では、同じく「正直」から出立して、親の臑を噛っているのは不可(いかん)、独立独行、誰の恩をも被(き)ては不可、となる。(二葉亭四迷 『予が半生の懺悔』) 「こら、騒いではいかん。騒ぐではない。」 将軍は陣地を見渡しながら、やや錆のある声を伝えた。(芥川龍之介 『将軍』) 過去形は「いかんかった」「いかなんだ」「いかざった」など。その他、「いかんかろう」「いかんじゃろう」「いかんやろう」「いかんだろう」、「いかんくて」「いかんかって」などの活用が見られる。 いかん 【位冠】冠位または位階を示した冠(かんむり)。 【位官】位階と官職。 【偉観】素晴らしい眺め。 【医官】医務を担当する官吏。 【囲環】周囲を取り巻くこと。 【尉官】大尉・中尉・少尉の総称。一尉・二尉・三尉の総称。 【異観】珍しい眺め。 【移監】囚人を他の施設に移すこと。 【移管】管理や管轄を他に渡すこと。 【衣冠】衣服と冠(かんむり)。 【遺憾】そうなるように努めたものの、期待した結果が得られず悔いを残すこと。