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「私から言葉だけは取らないで」 おしゃべり好きが失語症に

  • ️毎日新聞
  • ️Sun Feb 09 2025
数字を確認しながら話す中島貴栄子さん=大津市本堅田6で2025年1月12日午後3時28分、飯塚りりん撮影
数字を確認しながら話す中島貴栄子さん=大津市本堅田6で2025年1月12日午後3時28分、飯塚りりん撮影

 脳梗塞(こうそく)などの後遺症で会話や読み書きが困難になる「失語症」。ある日突然、言葉を失う戸惑いや悲しみと向き合う失語症者たちのありのままの姿を、広まらない滋賀県内の支援体制の実情とともに伝える。

「やはり脳はすごい」リハビリに意欲

 「私から言葉だけは取らないで」。会話や読み書きが困難になる「失語症」者になった中島貴栄子(きえこ)さん(70)=大津市。おしゃべり好きでムードメーカーだった中島さんは変わってしまった自分をなかなか受け入れることができなかった。

 2022年12月18日夜、中島さんは脳出血で診断を受けた病院で高次脳機能障害とされ、失語症も発症した。「美容院……じゃなくて病院! いつも間違えちゃうの。言えへんってすごく大変や」。首をかしげながら笑顔を見せる中島さんは言いにくい言葉は紙に書きながら、発症から現在に至るまでの体験を語った。

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