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阪急・武庫川新駅、完成予定は31年度末に 26年度の着工目指す

  • ️毎日新聞
  • ️Sun Feb 09 2025
阪急武庫川駅予定地。手前は西宮市、奥は尼崎市=兵庫県西宮市で2024年2月8日、本社ヘリから西村剛撮影

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阪急武庫川駅予定地。手前は西宮市、奥は尼崎市=兵庫県西宮市で2024年2月8日、本社ヘリから西村剛撮影

 兵庫県西宮市と尼崎市の市境に架かる阪急電鉄神戸線の武庫川橋梁(きょうりょう)上の新駅について、西宮市は完成予定が2031年度末になると明らかにした。駅舎などの概算整備費は工法を見直し、想定の1・72倍となる約86億円に変更した。26年度の着工を目指す。

 市議会の委員会で報告した。西宮市と尼崎市、阪急電鉄は22年11月に新駅の設置で合意。駅舎など鉄道施設の概算整備費は約50億円、自転車置き場は約5億円と公表していた。

 西宮市によると、施工方法を検討する中で、採用予定だった大型クレーンを使う18年度以前の標準的な工法では整備費が100億円以上になることが判明。人件費や資材価格の高騰に加え、旧工法は工事のできる期間に制約があった。そのため工法を変更し、約86億円で整備することにした。

 整備費は、国と阪急が3分の1ずつ、両市が6分の1ずつ負担する予定。西宮市負担分は、周辺道路などの整備費も含めて6億9200万円増の約16億7700万円となる。

 新駅開業の事業効果の試算も更新した。西宮市側の乗降客数は568人増え、阪神香櫨園駅と同程度の1万935人。周辺の未利用地の開発による人口増が期待できるとして、年間2億3600万円の税収増を見込む。

 深刻な財政難の西宮市は、24年度中から市民サービス削減を含む財政構造改善の取り組みを進めている。実施計画案のパブリックコメントでは、市民から「大型公共事業や投資的事業を見送りすべき」との意見も寄せられた。市都市計画部は「このタイミングを逃すと進められない。事業費は抑制や平準化していく」としている。【稲田佳代】