「ミックス。」瑛太 / 佐野勇斗インタビュー - 映画ナタリー 特集・インタビュー
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新垣結衣と瑛太がダブル主演を務める「ミックス。」が10月21日に全国で封切られる。「リーガルハイ」シリーズを手がけた脚本家・古沢良太と監督・石川淳一が再びタッグを組んだ本作は、恋に破れた元天才卓球少女のOLと、夢と家族を失い挫折した元プロボクサーが卓球の男女混合ダブルスペア“ミックス”として奮闘するロマンティックコメディだ。
映画ナタリーではこの秋、本格的にサービスを開始する女性向けトレンド情報アプリLUCRAとコラボ。「ミックス。」に出演する“気になる男子”瑛太と佐野勇斗にインタビューを実施した。映画ナタリーでは撮影現場の様子や共演者の印象、LUCRAでは2人のプライベートを明かしている。
取材・文 / 金須晶子 撮影 / 入江達也
すがすがしい気持ちになれる作品
──完成した作品をご覧になっていかがでしたか?
自分が出ていないシーンを観ることができてよかったです。僕が演じたハギ(萩原)とは違った目線から、みんなが抱えている問題や成長していく過程を知れたので。あとまっすぐに元気をもらえる作品になっていて、とてもすがすがしい気持ちになりました。ちゃんと笑わせるところは笑わせるコメディになっていますけど、それだけではない。伝えるべきメッセージもしっかり込められていて、力強い作品になったと思います。
──特に印象に残っているシーンはどこですか?
そうですねえ……(しばらく考え込む)。
──ご自身が出ていないシーンでも。
やっぱり、ガッキー(新垣結衣)が素敵だったってことじゃないですかね。それに尽きます。
──瑛太さんは雑誌やテレビで本作のインタビューを受けるとき、いつも新垣さんの魅力を熱弁されていますよね。新垣さん演じる多満子をどうご覧になりましたか?
とにかくガッキーのよさみたいなものが全面的に出ていました。周囲の人間にプレッシャーを与えずフラットに接するところだったり。ガッキー自身は「私は多満子と全然違う、重なるところがない!」と言っていましたけど。でもこんなにかわいらしい子と出会ったら、そりゃあハギも好きになっちゃうだろうなと思いましたね(笑)。
頭ポンポンで多満子への気持ちを表現
──4月に撮影現場の見学に伺った際、すっかり打ち解けているお二人の様子が印象的でした。フラワー卓球クラブのメンバーを演じた遠藤憲一さん、田中美佐子さん、広末涼子さん、佐野勇斗さんも一緒に和気あいあいとしていましたね。
スクリーンで観たままの雰囲気ですよ、撮影の合間も。特にエンケンさんと美佐子さんが中心になって楽しい空気感を作ってくれていました。広末さんも、ペアの相手を演じた佐野くんを気にかけてあげていましたね、お弁当を作ってあげたり。
──お弁当ですか!? 素敵ですね。
いーなーって言いながらガッキーのほうを見てみたけど、目そらされました(笑)。劇中では多満子がハギにお弁当作って来てくれるシーンがあって。あれ撮影なのに本当にうれしかったんですよ(笑)。
──映画と同じようにはいきませんでしたね……。現場取材では「瑛太さんがアドリブを仕掛けてくる」と話す新垣さんに対し、瑛太さんが「ガッキーの動揺を見たい」と理由を明かす場面もありました(参照:新垣結衣×瑛太「ミックス。」現場レポ、アドリブの理由は「ガッキーの動揺見たい」)。
アドリブというとちょっとセリフを付け足しちゃうみたいなイメージだと思うんですけど、それとは少し違うんです。多満子とハギ、2人の距離感や意思疎通に対する僕の衝動を動きで見せたとき、どんな反応をするか見てみたい。そんな感覚だったんです。俺の演じるハギがどれぐらい多満子を思っているか表現できると思うし、逆に彼女がどんな反応をするかで多満子がハギをどう思っているかわかりやすくなるかなと。
──予告編が公開されたとき、ハギが多満子の頭にポンと手を置くシーンが話題になりました。台本にはない動作だったと聞きましたが、そこもハギとして自然に手が動いたのでしょうか?
そうですね。あの動きは本番前のテストで一度試してみたものの、やめようと思ったんです。でも監督が「やっぱりあったほうがいいね」と言ってくれたので残すことになって。多満子がある決断を下すシーンなんですけど、ラブコメ王道の“頭ポンポン”やっといたほうが得かなあ……なんて(笑)。でも表情や間だけで見せるよりも、多満子に対するハギの気持ちが一発でわかる表現だと思ったのでやってみました。
再共演するなら“俺目線”の映画に
──なるほど。あのシーンは不器用なハギの精いっぱいの気持ちが表れていてグッと来ました。ハギだけではなく、本作に登場するのは生き方が不器用な人ばかりですよね。瑛太さん自身はいかがですか?
僕もたいがい不器用ですよ。この間もある俳優さんから面と向かって「不器用だね」って言われました(笑)。僕が久しぶりにお会いした女優さんをなんて呼べばいいか迷って、結局“さん付け”で呼んでみたら「なんでそんな呼び方してんの?(笑)」と言われてしまって。久しぶりなので緊張しちゃって……みたいに言ったら、みんなして「いやそれ不器用すぎるでしょ!!」と。僕は男兄弟の中で生まれ育ったので、いまだに女性には緊張しちゃうんですよ。
──新垣さんのことも、最初はなんて呼べばいいかわからず「ガッキー」と「新垣さん」が混じって「ガッサン」と呼んでしまったとコメントされていました(参照:新垣結衣&瑛太が新作「ミックス。」で卓球ペアに!広末涼子、瀬戸康史、蒼井優も出演)。もし数年後に新垣さんと再共演することになったら、また「ガッサン」に逆戻りですか?
いや、「ガッキー」ですよ! そこはもう乗り越えますよ。
──安心しました(笑)。ちなみに新垣さんとまた共演する機会があったら、今度はどんな設定で演じたいですか?
一応アイデアはあるんです。なぜか2人は日本中を放浪している。2人でずっと歩いているんですよ。何か起きそうな気配は最初からずっとあって、警察が来たり知らない人に追われたりもするんだけど……結局は何も起きないっていう映画(笑)。2人の関係性もわからず謎のまま。キスシーンもない。毎晩テントも張るんだけど、どんなふうに寝たのかとか、そういう描写も一切ない。観る人にずーっと想像させるような作品がいいです。セリフもなしで。
──想像力を掻き立てる作品になりそうです。
しかもカメラは、ほぼガッキーの寄り。俺はほとんど映ってなくて、たまーに横顔だけ映るみたいな。
──それって瑛太さんが演じたい役というより、観たい映像なのでは……?
そうですね……俺目線の映画かな(笑)。
──では監督する方向で検討していただいて。
そうですね!……ってさすがにそれは駄目ですよ、ただ好きなだけみたいになっちゃうんで(笑)。(この取材後の完成披露舞台挨拶にて、瑛太は新垣に“公開告白”していた。参照:新垣結衣との共演で念願叶い、瑛太が告白「大好きです」)でもキャストの皆さんといるときの居心地や、スタッフさんたちの雰囲気が本当にいい現場でした。撮影に行くのがこんなにも楽しみだった作品ってなかなかないなと思いながら通っていました。