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【公演 / 会見レポート】和田琢磨「隅から隅まで楽しんで」、“仕掛け”いっぱいの「五右衛門マジック」開幕

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「五右衛門マジック」が、本日10月10日に東京・CBGKシブゲキ!!で開幕。これに先駆け、囲み取材とゲネプロが行われた。

磯貝龍乎が脚本・演出を務め、プロデュースを吉谷光太郎、音楽をROUが手がける本作では、奇術師・佐治と大泥棒・石川五右衛門を中心にした物語が展開する。物語の舞台は豊臣秀吉(篠原功)が天下を治める戦国時代。とある見世物通りで、1人の男・佐治(和田琢磨)が怪しげなマジックを披露していた。そこに、盗人の小平太(山口大地)とその仲間である鼠(末野卓磨)が逃げ込んでくる。2人は秀吉の片腕・石田三成(小野健斗)の部下である前田玄以(小沼将太)と平賀源大(松井健太)に追われていたのだった。緊迫感漂うなか、変装が得意な小平太は玄以になりすまし、その場をなんとかやり過ごす。その一部始終を見ていた佐治は、小平太に「自分と組んで、一番のエンターテイナーになろう!」と持ちかけるが……。

観客を楽しませる仕掛けが随所に盛り込まれた本作は、磯貝による緻密なストーリーに、殺陣やダンス、笑いなどエンタテイメント要素がふんだんに取り入れられている。和田は、常に微笑みを絶やさないが、どこか掴めない性格の佐治を緩急ある芝居で魅力的に立ち上げる。佐治が山口演じる小平太にタッグを組もうとアピールする場面では、愛嬌たっぷりに小平太にまとわりつき、鬱陶しがられる姿で観客の笑いを誘った。

山口は、“天下の大泥棒”石川五右衛門に仕立て上げられる小平太を好演。天然気味な佐治にツッコミを飛ばすなど、物語に笑いを生む役割をまっとうしながら、身体性を生かしたダイナミックな殺陣で観客を魅了した。小野は、さかいかな演じる出雲阿国たちを高圧的に支配する三成を冷酷さを湛えながら不気味に表現し、末野は、佐治と小平太に振り回されながらも、自己主張は欠かさない鼠をコミカルに演じた。

囲み取材には和田、山口、小野、そして磯貝が出席。主演を務める和田は、本作を“遊園地のような作品”と表現しつつ、「色んなところに仕掛けがあって見応えがあるので、最後まで飽きることなく楽しんでいただけるのでは」とコメントした。今回、椎間板ヘルニアにより降板した戸谷公人の代役を務める山口は「彼(戸谷)の思いも背負って、全員で物語をまっとうしたい」と意気込みを述べ、「特に最後のどんでん返しを楽しみにしてほしいですね。また、(磯貝)龍乎くんの脚本ですので、笑いも秀逸。たくさん笑って帰ってください」と笑顔を見せた。

本作に「ちびっ子から大人まで楽しめる作品」と太鼓判を押す小野は、「最初台本を読んだとき、正直これはどうなっているんだろう、と思ったのですが(笑)、稽古を繰り返すうちにマジックの種明かしのような現象が起こり、今ではものすごく面白い作品だと確信しています」と真摯に語る。

磯貝は「素敵なキャストに助けられて、素晴らしい作品ができあがりました。何回観ても楽しめると思います」とアピール。ここで作品について磯貝が「ヒューマンラブコメディです!」と言い切ると、和田から「……ラブあったっけ(笑)?」とツッコミが飛ぶ。さらに磯貝が「この作品を通して、家族の大切さ、命の儚さを知っていただければ……」とボケると、山口は「もう一回台本読もう(笑)?」と優しい声で指摘。会場は笑いで包まれた。

最後に和田は、本作のオファーを受けたときのことを「磯貝くんが演出すると聞いて、出させてほしいとすぐにお返事しました」と振り返り、「小野くんも山口くんもそうですが、何年も舞台をがんばってきた同世代の仲間たちと一緒に作品を作れることがうれしい。これを観たお客様、さらに同世代の俳優にも刺激になるような作品になればいいなと思っています。千秋楽まで、僕らも楽しみます。お客様も隅から隅まで楽しんでください!」と観客に呼びかけ、会見を締めくくった。上演時間は約2時間。公演は10月20日まで東京・CBGKシブゲキ!!にて。

「五右衛門マジック」

2019年10月10日(木)~20日(日)
東京都 CBGKシブゲキ!!

脚本・演出:磯貝龍乎
プロデュース:吉谷光太郎
音楽:ROU

キャスト

(c)ポリゴンマジック

リンク

  • 「五右衛門マジック」公式サイト
  • 「五右衛門マジック」 (@goemonmagic) | Twitter
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