QoSとは
(最終更新日: 2025/3/3)
QoSとは?
QoS(Quality of Service)とは、ネットワーク上のサービスを安定して使えるようにするために、データを通す順番や量を調整する技術のことです。
Webの閲覧、動画鑑賞、通話、ソフトウェアのダウンロードなどをすることで、ネットワーク上にさまざまなデータが流れます。時には、やり取りするデータが増大し、ネットワークが混雑してしまうこともあります。ネットワークの混雑によって、データのやり取りが滞ると、以下のようなことが起こります。
- Webページがなかなか開かない
- 通話の音声が途切れる
- 動画がスムーズに流れない
ネットワークの混雑
音声や映像の通信が遅れると、通話が途切れる、動画がカクカクするといった異常が起こります。このような異常は、はっきりとユーザーに伝わってしまいます。一方、単なるデータ転送などは、データのやり取りが多少遅れたところで、大きな影響はありません。
このような場合にQoSを使って、データを通す順番や量を調整することで、ネットワークサービスの異常発生を防ぎます。
QoSを利用
QoSのしくみ
ネットワーク機器には、受信したデータを宛先へ転送するために、一時的にデータを保存しておく領域(キュー)が存在します。
QoSは、キューにデータを格納する方法や、キューからデータを取り出す順番や量を制御します。
QoSの制御では、以下の処理が行われます。
- クラス分け
優先して転送するデータを判別するために、受信したデータを分類します。
データの分類には、転送データに含まれている情報を使用します。一例として、以下のようなものがあります。
- 送信元/宛先 MACアドレス
- 送信元/宛先 IPアドレス
- IPプロトコルタイプ
- Ethernetフレームタイプ番号
- VLAN タグヘッダの CoS値
- IPヘッダの DSCP値
- IPヘッダの Precedence値
- VLAN ID
- マーキング
クラス分けしたデータに対して、優先度を割り当てます。
優先度には、データのヘッダに含まれている情報を使用します。 - キューイング
マーキングしたデータを、それぞれの優先度に対応したキューに格納します。
キューに入りきらなかったデータは破棄されます。 - スケジューリング
複数あるキューのうち、どのキューのデータから送信するかを決定します。
QoSの処理
QoSの種類
QoSの代表的な制御方法として、優先制御 と 帯域制御 があります。
優先制御
優先度の高いデータを先に送信する制御方法です。
通話や動画など、リアルタイム性が重視されるネットワークサービスの通信を遅延させたくないときに利用します。
優先制御を行う場合
帯域制御
特定の通信に対して、有効な帯域幅(通信速度)を指定する制御方法です。
特定の通信によって帯域が占有されることを防いだり、特定の通信の帯域幅を一定量確保したりするときに利用します。
帯域制御を行う場合
オススメ情報
この章では、あなたの目的に合わせて、オススメの情報をピックアップしてご紹介します。
次のうち、あなたがこのページを訪れた目的はどれでしょうか?
該当のボタンをクリックしてください。
◆QoSについて、より詳しく知りたい:
◆QoSの設定方法を知りたい:
対応製品一覧
対応している機能の詳細は、製品ごとに異なる場合があります。詳細は各製品のページ、またはカタログをご確認ください。