JP2013179165A - 半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents
- ️Mon Sep 09 2013
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。なお、各図面中、同じ要素には同じ符号を付している。
図1は、実施形態の半導体装置におけるメモリセルアレイ1の模式斜視図である。なお、図1においては、図を見易くするために、絶縁部分については図示を省略している。
図14(b)は、メモリセルアレイ1の模式断面図である。
図1において、基板10の主面に対して平行な方向であって相互に直交する2方向をX方向(第1の方向)及びY方向(第2の方向)とし、これらX方向及びY方向の双方に対して直交する方向をZ方向(第3の方向または積層方向)とする。
図1では、ドレイン側選択ゲートSGDの下に積層された電極層をWLD、ソース側選択ゲートSGSの下に積層された電極層をWLSと表すが、他の図面ではそれらを区別せず電極層WLと総称している。
基板10の主面上には、絶縁膜11(図14(b)に示す)を介してバックゲートBGが設けられている。バックゲートBGは、例えば不純物が添加され導電性を有するシリコン層を用いることができる。
バックゲートBG上には、絶縁層12及び17(図14(b)に示す)が設けられている。絶縁層17上には、複数の電極層WLと複数の絶縁層42とを含む積層体(第1の積層体)が設けられている。電極層WLと絶縁層42とは交互に積層されている。図示される電極層WLの層数は一例であって、電極層WLの層数は任意である。
電極層WLは、例えば不純物が添加され導電性を有するシリコン層を用いることができる。絶縁層12、17及び42は、例えばシリコン酸化物を含む絶縁材料を用いることができる。
図1において、電極層WLDと電極層WLSとはY方向に分断され、それらの間には絶縁分離部25(図14(b)に示す)が設けられている。
また、Y方向で隣り合う別のメモリストリングMS間の電極層WLSどうしもY方向に分断され、それらの間には絶縁分離部25が設けられている。さらに、Y方向で隣り合う別のメモリストリングMS間の電極層WLDどうしもY方向に分断され、それらの間には絶縁分離部25が設けられている。
電極層WLDは、バックゲートBGとドレイン側選択ゲートSGDとの間に設けられている。電極層WLSは、バックゲートBGとソース側選択ゲートSGSとの間に設けられている。
なお、図1以外の図では、ドレイン側選択ゲートSGDとソース側選択ゲートSGSとを区別せず、選択ゲートSGと総称している。
最上層の電極層WLD上には、絶縁層42(図14(b)に示す)を介してドレイン側選択ゲートSGDが設けられている。ドレイン側選択ゲートSGDは、例えば不純物が添加され導電性を有するシリコン層を用いることができる。
最上層の電極層WLS上には、絶縁層42(図14(b)に示す)を介してソース側選択ゲートSGSが設けられている。ソース側選択ゲートSGSは、例えば不純物が添加され導電性を有するシリコン層を用いることができる。
図1に示すように、ソース側選択ゲートSGS上には、ソース線SLが設けられている。ソース線SLは、例えば金属層を用いることができる。ドレイン側選択ゲートSGD及びソース線SL上には、複数本の金属配線であるビット線BLが設けられている。各ビット線BLはY方向に延在している。
ドレイン側選択ゲートSGDとソース側選択ゲートSGSとは、Y方向に分断され、それらの間には絶縁分離部25(図14(b)に示す)が設けられている。
また、Y方向で隣り合う別のメモリストリングMS間のソース側選択ゲートSGSどうしもY方向に分断され、それらの間には絶縁分離部25が設けられている。さらに、Y方向で隣り合う別のメモリストリングMS間のドレイン側選択ゲートSGDどうしもY方向に分断され、それらの間には絶縁分離部25が設けられている。
図14(b)に示すように、選択ゲートSG上には、側壁膜45が設けられている。選択ゲートSG及びその下の積層体をY方向に分断する絶縁分離部25は、選択ゲートSGの上方にも突出して延びている。その絶縁分離部25の突出部25aの側壁に、側壁膜45が設けられている。すなわち、一対の側壁膜45が、1つの絶縁分離部25をY方向に挟んで設けられている。
絶縁分離部25は、後述するように溝内に絶縁材料が埋め込まれた構造を有し、その絶縁材料として、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、アルミニウム酸化物、ハフニウム酸化物、ハフニウムアルミネートなどを用いることができる。
側壁膜45も、絶縁分離部25と同様、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、アルミニウム酸化物、ハフニウム酸化物、ハフニウムアルミネートなどの絶縁材料を用いることができる。
図14(a)の上面図に示すように、複数の絶縁分離部25が、Y方向(第2の方向)に配列されている。それぞれの絶縁分離部25は、X方向(第1の方向)に延びている。X方向とY方向とは、基板10の主面に対して平行な面内で交差(実施形態では直交)している。
複数の絶縁分離部25は、側壁膜45及び選択ゲートSGを含む第2の積層体と、複数の電極層WL及び複数の絶縁層42を含む第1の積層体とを、Y方向に分断している。
それぞれの絶縁分離部25は、基板10の主面に対して垂直な方向から見た図14(a)に示す平面視(上面視)で、X方向に沿って凹凸が繰り返された側壁を有する。図14(a)に示す例では、絶縁分離部25の側壁がX方向に沿って曲線状または波形に形成されている。
隣り合う絶縁分離部25間で、側壁の凸部どうしが対向し、凹部どうしが対向している。ここで、凸部は、図14(a)の平面視にて、絶縁分離部25のY方向の中心からY方向の外側に突出し、凹部は、絶縁分離部25のY方向の中心側にくぼんでいる。
隣り合う絶縁分離部25間には、第1の領域61と第2の領域62とがX方向に交互にレイアウトされている。図14(b)は、図14(a)における第1の領域61を含む部分のA−A’断面を表す。
第1の領域61は、隣り合う絶縁分離部25の側壁の凹部間に形成され、第2の領域62は、隣り合う絶縁分離部25の側壁の凸部間に形成されている。第1の領域61のY方向の幅(側壁の凹部間の距離)は、第2の領域62のY方向の幅(側壁の凸部間の距離)よりも大きい。
第1の領域61の下には、メモリホールMHが形成されている。メモリホールMHは、絶縁分離部25の間で、側壁膜45によって囲まれ、且つ側壁膜45によってX方向に分断されている。選択ゲートSGの上における第2の領域62は、側壁膜45で埋め込まれている。
メモリホールMHの内部にはチャネルボディ20が設けられている。チャネルボディ20は、例えばシリコン膜を用いることができる。チャネルボディ20と、メモリホールMHの内壁(側壁及び底壁)との間にはメモリ膜30が設けられている。
図2は、メモリホールMHが、複数の電極層WLと複数の絶縁層42とがそれぞれ交互に積層された第1の積層体を貫通する部分の断面図を示す。
メモリ膜30は、例えば、第1の絶縁膜としてのブロック膜31と、電荷蓄積膜32と、第2の絶縁膜としてのトンネル膜33とを含む。
各電極層WLとチャネルボディ20との間に、電極層WL側から順にブロック膜31、電荷蓄積膜32およびトンネル膜33が設けられている。ブロック膜31は電極層WLに接し、トンネル膜33はチャネルボディ20に接し、ブロック膜31とトンネル膜33との間に電荷蓄積膜32が設けられている。
チャネルボディ20は筒状に形成され、メモリホールMHの中心軸側には空洞が形成される。あるいは、メモリホールMHの中心軸側が、チャネルボディ20で完全に埋まってもよい。
チャネルボディ20は、メモリセル(トランジスタ)におけるチャネルとして機能し、電極層WLはコントロールゲートとして機能し、電荷蓄積膜32はチャネルボディ20から注入される電荷を蓄積するデータ記憶層として機能する。すなわち、チャネルボディ20と各電極層WLとの交差部分に、チャネルの周囲をコントロールゲートが囲んだ構造のメモリセルが形成されている。
実施形態の半導体装置は、データの消去・書き込みを電気的に自由に行うことができ、電源を切っても記憶内容を保持することができる不揮発性半導体記憶装置である。
メモリセルは、例えばチャージトラップ型のメモリセルである。電荷蓄積膜32は、電荷を捕獲するトラップサイトを多数有し、例えばシリコン窒化膜を用いることができる。
トンネル膜33は、例えばシリコン酸化膜を用いることができ、電荷蓄積膜32にチャネルボディ20から電荷が注入される際、または電荷蓄積膜32に蓄積された電荷がチャネルボディ20へ拡散する際に電位障壁となる。
ブロック膜31は、例えばシリコン酸化膜を用いることができ、電荷蓄積膜32に蓄積された電荷が、電極層WLへ拡散するのを防止する。
ドレイン側選択ゲートSGD、チャネルボディ20およびそれらの間のメモリ膜30は、ドレイン側選択トランジスタを構成する。ソース側選択ゲートSGS、チャネルボディ20およびそれらの間のメモリ膜30は、ソース側選択トランジスタを構成する。バックゲートBG、このバックゲートBG内に設けられたチャネルボディ20およびメモリ膜30は、バックゲートトランジスタを構成する。
ドレイン側選択トランジスタとバックゲートトランジスタとの間には、各電極層WLDをコントロールゲートとするメモリセルが複数設けられている。同様に、バックゲートトランジスタとソース側選択トランジスタとの間にも、各電極層WLSをコントロールゲートとするメモリセルが複数設けられている。
それら複数のメモリセル、ドレイン側選択トランジスタ、バックゲートトランジスタおよびソース側選択トランジスタは、チャネルボディ20を通じて直列接続され、U字状の1つのメモリストリングMSを構成する。
1つのメモリストリングMSは、複数の電極層WLを含む積層体の積層方向(Z方向)に延びる一対の柱状部CLと、バックゲートBGに埋め込まれ、一対の柱状部CLの下端をつなぐ連結部JPとを有する。このメモリストリングMSがX方向及びY方向に複数配列されていることにより、複数のメモリセルがX方向、Y方向及びZ方向に3次元的に設けられている。
図1に示すように、ドレイン側選択ゲートSGD及び電極層WLDを貫く柱状部CLの上端は、コンタクト部71を介してビット線BLに接続されている。ソース側選択ゲートSGS及び電極層WLSを貫く柱状部CLの上端は、コンタクト部72を介してソース線SLに接続されている。
実施形態の半導体装置において、データの消去動作は、電荷蓄積膜32からの電子の引き抜き、あるいは、電荷蓄積膜32への正孔の注入を行う動作である。電極層WLをコントロールゲートとするメモリセルを構成するトランジスタは、しきい値電圧が相対的に低い状態(消去状態)と、しきい値電圧が相対的に高い状態(書き込み状態)とを有する。そして、消去動作は、メモリセルのしきい値電圧を低い側の状態に設定する動作である。
一般的な2次元構造のメモリでは、基板電位を上げることでフローティングゲートに書き込まれた電子を引き抜いている。しかし、実施形態のような3次元構造の半導体装置では、メモリセルのチャネルが直接基板とつながっていない。そのため、選択ゲートSG端のチャネルで生じるGIDL(Gate Induced Drain Leakage)電流を利用してメモリセルのチャネル電位をブーストする方法が提案されている。
すなわち、選択ゲートSGの上端部近傍のチャネルボディ20に形成した高濃度に不純物が添加された拡散領域に高電圧を印加することで、選択ゲートSGと拡散領域との間にに形成された空乏層に高電界を発生させる。これにより、バンド間トンネリングを起こし、生成される正孔をチャネルボディ20に供給することでチャネル電位を上昇させる。電極層WLの電位を例えばグランド電位(0V)にすることで、チャネルボディ20と電極層WLとの電位差で、電荷蓄積膜32の電子が引き抜かれ、あるいは、電荷蓄積膜32に正孔が注入され、消去動作が行われる。
このような消去動作の高速化には、選択ゲートSG上端部近傍のチャネルボディ20に高濃度に不純物を含む拡散領域が要求される。図14(b)において、メモリセルのチャネルボディ20よりも高濃度に不純物を含む領域20aをドットパターンで模式的に表している。
次に、図3(a)〜図14(b)を参照して、実施形態の半導体装置におけるメモリセルアレイの製造方法について説明する。各図において(a)は基板10の主面に対して垂直な方向から見た平面図(上面図)を表し、(b)は、(a)におけるA−A’断面を表す。
図3(b)に示すように、基板(例えばシリコン基板)10上に、絶縁膜(例えばシリコン酸化膜)11を形成し、その絶縁膜11上にバックゲートBGとして例えばシリコン層を形成する。さらに、バックゲートBG上に絶縁層(例えばシリコン酸化膜)12を形成する。
絶縁層12及びバックゲートBGは、図4(b)に示すように、レジスト13をマスクにした例えばRIE(Reactive Ion Etching)法により加工される。これにより、バックゲートBGに溝14が形成される。
その後、溝14の側壁及び底部に露出するバックゲートBGの表面(シリコン表面)に、図5(b)に示す絶縁膜16を形成する。絶縁膜16は、例えば、RTO(Rapid Thermal Oxidation)法により形成されるシリコン酸化膜である。
その後、例えば、LPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法により、犠牲膜15としてノンドープアモルファスシリコン膜を堆積した後、RIE法により、バックゲートBGの凸部上面に形成された絶縁層12をストッパーとして犠牲膜15をエッチングする(図5(b))。絶縁層12及び犠牲膜15は、ほぼ面一に平坦化される。
絶縁層12及び犠牲膜15上には、図6(b)に示すように、例えば、PCVD(Plasma Chemical Vapor Deposition)により、絶縁層(例えばシリコン酸化膜)17が形成される。さらに、絶縁層17上に、不純物として例えばボロンが添加されたアモルファスシリコン層と、ノンドープアモルファスシリコン層18とが交互に複数積層される。複数層のボロン添加アモルファスシリコン層のうち、最上層は選択ゲートSGとなり、選択ゲートSGより下の層は電極層WLとなる。ノンドープアモルファスシリコン層18は、後述する工程で最終的には図14(b)に示す電極間絶縁層42に置き換えられる。
選択ゲートSG上には、図7(b)に示す犠牲層21が形成される。犠牲層21は、例えばボロン添加シリコン酸化膜(BSG:Boron-Silicate Glass)を用いることができる。
さらに、犠牲層21上にはレジスト膜22が形成され、そのレジスト膜22にはフォトリソグラフィ法により、複数のスリット23が形成される。各スリット23は、バックゲートBGに形成された溝14に対して位置決めされる。
図7(a)は、スリット23の平面パターンを表す。
各スリット23はX方向に延びている。各スリット23の側壁は、図7(a)の平面視でX方向に沿って曲線状に凹凸が繰り返された形状に形成されている。各スリット23は、Y方向の幅が相対的に狭い部分と広い部分とを有し、それら幅が狭い部分と広い部分とがX方向に交互にレイアウトされている。
そのレジスト膜22をマスクにして、犠牲層21が例えばRIE法でエッチングされる。そして、レジスト膜22を除去した後、犠牲層21をマスクにして、例えばRIE法で犠牲層21の下の積層体がエッチングされる。
以上のエッチングにより、犠牲層21及びその下の積層体に、図8(b)に示すように、絶縁層17に達する溝24が形成され、その溝24内に絶縁膜が埋め込まれる。これにより、上記積層体をY方向に複数に分断する絶縁分離部25が形成される。
各絶縁分離部25はX方向に延びている。各絶縁分離部25の側壁は、図8(a)の平面視でX方向に沿って曲線状に凹凸が繰り返された形状に形成されている。各絶縁分離部25は、Y方向の幅が相対的に狭い部分と広い部分とを有し、それら幅が狭い部分と広い部分とがX方向に交互にレイアウトされている。
溝24内に絶縁膜を埋め込んだ後、犠牲層21上の絶縁膜を、ドライエッチング、またはCMP(Chemical Mechanical Polishing)により除去する。この後、例えば、VPC(Vapor Phase Cleaning)法により、犠牲層21が除去され、図9(b)に示す構造が得られる。すなわち、絶縁分離部25は、上記積層体の上に突出した突出部25aを有する。
絶縁分離部25の突出部25aの側壁には、図10(a)及び(b)に示すように、例えば、LPCVD法により、側壁膜45が形成される。側壁膜45は、上記積層体の上面、絶縁分離部25の突出部25aの側壁及び上面に沿ってコンフォーマルに形成される。
絶縁分離部25の側壁は、X方向に沿って曲線状に凹凸が繰り返された形状に形成されている。したがって、Y方向で隣り合う絶縁分離部25間に、第1の領域61と、第1の領域61よりもY方向の幅が小さい第2の領域62とが、X方向に交互にレイアウトされる。
第1の領域61には第1のホール46が形成され、第2の領域62は側壁膜45で埋められる。したがって、隣り合う絶縁分離部25間に、第1のホール46と、側壁膜45で埋まった領域とが、X方向に交互に形成される。
第1のホール46は、隣り合う絶縁分離部25間で側壁膜45によって囲まれ、且つ側壁膜45によってX方向に分断されている。
第2の領域62における絶縁分離部25の側壁間距離を、第1の領域61で絶縁分離部25の側壁に形成される側壁膜45の膜厚の2倍よりも小さくすることで、第1の領域61に第1のホール46を形成しつつ、第2の領域62は側壁膜45で閉塞させることができる。
絶縁分離部25及び側壁膜45は、上記積層体におけるシリコン層とは異なる材料からなり、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、アルミニウム酸化物、ハフニウム酸化物、ハフニウムアルミネートなどを用いることができる。そして、それら絶縁分離部25及び側壁膜45をマスクにして、例えばRIE法により、第1のホール46の下の積層体に、図11(a)及び(b)に示す第2のホール51を形成する。
第2のホール51の下端は、バックゲートBGの溝14に埋め込まれた犠牲膜15に達し、第2のホール51の底部に犠牲膜15が露出する。1つの溝14あたり、一対の第2のホール51が形成される。
第2のホール51を形成した後、ノンドープシリコンからなる犠牲膜15を例えばウェットエッチングにより除去する。これにより、犠牲膜15は、図12(b)に示すように除去される。また、電極層WL間のノンドープシリコン層18も、第2のホール51を通じて除去され、電極層WL間にスペース52が形成される。
バックゲートBG、電極層WLおよび選択ゲートSGは、犠牲膜15及びノンドープシリコン層18とは異なる材料からなり、上記エッチング時に除去されない。
犠牲膜15の除去により、図12(b)に示すように、バックゲートBGに溝14が形成される。1つの溝14には、一対の第2のホール51のそれぞれの下端がつながっている。すなわち、一対の第2のホール51のそれぞれの下端が1つの共通の溝14とつながり、1つのU字状のメモリホールMHが形成される。
メモリホールMHの形成後、図13(b)に示すように、電極層WL間に絶縁層42を形成し、さらにメモリホールMHの内壁に、前述したメモリ膜30を形成する。
さらに、メモリ膜30の側壁にチャネルボディ20が形成される。また、バックゲートBGの溝14内におけるメモリ膜30の内側にもチャネルボディ20が形成される。
その後、前述した図13(a)及び(b)までの工程で得られた積層体の上面を、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法、エッチバック法などで、図14(b)に示すように、側壁膜45の途中まで後退させる。
選択ゲートSG上には側壁膜45が残される。すなわち、選択ゲートSGより上の絶縁分離部25とメモリ膜30との間には、第2のホール51を形成するときのマスクであった側壁膜45の一部が残される。その側壁膜45は、選択ゲートSGと、その上の配線等とを絶縁する層間絶縁膜として機能する。
以上説明した実施形態によれば、図10(a)及び(b)に示すように、複数の電極層WLを含む積層体を分断する絶縁分離部25の一部を積層体の上に突出させる。そして、その突出部25aの側壁に側壁膜45を形成し、それら絶縁分離部25及び側壁膜45をマスクにして積層体をエッチングする。
側壁膜45の形成によって積層体の上に第1のホール46が形成され、絶縁分離部25及び側壁膜45をマスクにして第1のホール46の下の積層体にメモリホールが形成される。すなわち、メモリホールを形成するためにリソグラフィによってマスクを新たに形成する工程が不要である。
積層体に絶縁分離部25及びメモリホールを形成するにあたって、リソグラフィによるマスク形成工程は、図7(a)及び(b)に示すレジスト膜22に対するパターニング工程だけでよい。このため、工程簡略化によるコスト低減を図れる。
なお、比較例として、絶縁分離部25とメモリホールとをそれぞれ別のマスクを使って形成する場合、リソグラフィの精度に起因して、絶縁分離部25とメモリホールとの位置合わせずれが発生しやすい。このため、絶縁分離部25とメモリホールとの間の距離は、リソグラフィによる位置合わせずれを考慮した大きさに設定する必要があり、これはセルサイズ(平面方向のサイズ)の縮小の妨げになってしまう。
これに対して、実施形態によれば、絶縁分離部25及びその側壁に形成された側壁膜45に対してセルフアラインでメモリホールが位置決めされる。第1の領域61に形成される側壁膜45の膜厚を一定に制御することで、メモリホールと絶縁分離部25との間の距離を、リソグラフィの精度に左右されずに、高精度に制御することができる。したがって、セルサイズの増大を抑えつつ容易な加工が可能となる。
前述した実施形態において、メモリ膜30を形成する前に、メモリセルの特性を向上させるため、電極層WLの側壁に形成された自然酸化膜を除去することができる。
このときの処理として、例えば希フッ酸処理などを用いることができるが、希フッ酸はシリコン酸化物を溶解させる。したがって、メモリ膜30の形成前に、上記希フッ酸処理を行う場合には、側壁膜45及び絶縁分離部25として、希フッ酸に対してエッチング耐性のある材料、例えばシリコン窒化物、アルミニウム酸化物、ハフニウム酸化物、ハフニウムアルミネートなどを用いることが望ましい。
シリコン窒化物、アルミニウム酸化物、ハフニウム酸化物、ハフニウムアルミネートは、シリコン酸化物よりも誘電率が高い絶縁膜である。したがって、側壁膜45として、それら材料を用いると、図14(b)に示すように、選択ゲートSGよりも上のメモリ膜30と絶縁分離部25との間に、シリコン酸化物よりも固定電荷を多く含む絶縁性の側壁膜45が設けられた構造となる。
これにより、側壁膜45に含まれる固定電荷の影響により、ドレイン側選択トランジスタやソース側選択トランジスタのしきい値電圧をシフトさせて所望の値に制御することが可能になる。また、側壁膜45に含まれる固定電荷により、前述したGIDLの発生をアシストする効果も期待できる。
図15(a)〜(c)のそれぞれは、前述した実施形態における図11(a)に対応する模式平面図であり、絶縁分離部25の平面パターンの他具体例を示す。
図15(a)及び(b)は、絶縁分離部25の側壁が平面視でX方向に角形状に凹凸が繰り返された具体例を表す。
図15(a)に示す具体例では、第1のホール51及びその下に形成されるメモリホールの平面形状は四角形状に形成される。図15(b)に示す具体例では、多角形状の平面形状を有するメモリホールが形成される。
図15(a)、(b)の具体例によれば、メモリホールの側壁の表面積を大きくしやすく、メモリセルの電荷蓄積量を増やして、信頼性向上を図ることができる。
一般に、リソグラフィでは曲線状のパターンエッジの形成が容易であるが、図15(a)、(b)に示すような角形状のパターンエッジは、例えばインプリント技術で精度良く形成することが可能である。
図15(c)は、絶縁分離部25が波形にX方向に延びたパターンを表す。図11(a)のパターンでは、絶縁分離部25におけるY方向の中心を通る中心線がX方向に直線状に延びているのに対して、図15(a)では、絶縁分離部25におけるY方向の中心を通る中心線がうねっている。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。