JP4670464B2 - 情報読取装置、情報処理装置、情報通信システム、情報読取方法、及びプログラム - Google Patents
- ️Wed Apr 13 2011
本発明は、対象物の画像を読み込むことにより、画像に埋め込まれた情報を読み取る情報読取装置
、情報処理装置、情報通信システム、情報読取方法、及びプログラムに関する。
近年、小型のカメラやスキャナなどを用いてバーコード等の読み取り対象物の画像を読み込むことにより、その画像に埋め込まれた情報を読み取る情報読取装置が普及している。このような情報読取装置の代表的なものとして、商品管理用のバーコード読取装置や、二次元バーコード(二次元コード)を読み取ることのできるカメラ付き携帯電話等がある。その他にも、最近ではRFタグとそのRFタグの情報を読み取るリーダも普及しつつある。これらの情報読取装置を用いて読み取り対象物を読み込む場合、通常、読み取り対象物であるタグやバーコードに対する、情報読取装置の位置や角度が変化しても、その位置や角度が読み取り可能な範囲内であれば、読み取り対象物の画像から読み出される情報は常に同一である。
情報読取装置の従来技術例として、対象物に対応付けられた識別子と、その識別子を問いただして識別情報を生成するレシーバと、その識別子の画像を記録するカメラ装置と、カメラ装置によって獲得された画像に沿って、コード化されたデータとしてレシーバからの識別情報をコード化して、複合データを生成する複合ジェネレータとを有する「画像認証システムおよび方法」がある(例えば、特許文献1参照)。
また、別の従来技術例として、撮像カメラで人物を含む画像を撮像し、その画像を実時間で所定の通信経路NWを通じて所望の送信先へ送信する場合に、画像中の人物と背景とを画像認識装置で個別のオブジェクトに分解し、変換画像選択部でオブジェクト毎に他の画像へ変換して送信する「情報通信システム」がある(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、上記従来の情報読取装置では、対象物から読み出される情報は常に同一であり、得られる情報を読み取り時の簡単な操作によって変更することができない、という問題がある。これは、読み取り対象物と情報読取装置との間の位置関係や角度などの読み取り状態を示す情報が単に補正のためだけに用いられ、意味のある情報として活用されていないためである。また、情報読取装置を使用すれば誰でも情報を読み出すことができるため、読み取り対象に記された情報の入手を制限したい場合には、別の認証手段を必要とする、という課題もある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、カメラやスキャナ等を用いて読み取り対象物の画像から情報を読み取る情報読取装置において、対象物の画像読み取り時における、対象物と情報読取装置との相対的位置関係、情報読取装置自身の回転角、周辺環境などの状態に応じて、読み取った情報の意味付けを変化させることを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の第1の態様は、
所定の媒体上に形成されたバーコードの画像を読み取ることでバーコードの画像データを取得するとともに、画像データを解析することでバーコードの読み取り時における状態を示す状態データを取得する
取得手段と、
取得手段により取得された画像データに対して、デコードを行う
デコード手段と、
デコード手段によりデコードされた
デコードデータ、及び、取得手段により取得された状態データを識別データとして用いることにより、所定の処理を特定する特定手段と、を有することを特徴とする。
本発明の第
2の態様は、情報読取装置と通信を行う情報処理装置であって、情報読取装置は、
所定の媒体上に形成されたバーコードの画像を読み取ることでバーコードの画像データを取得するとともに、画像データを解析することでバーコードの読み取り時における状態を示す状態データを取得する
取得手段と、
取得手段により取得された画像データに対して、デコードを行う
デコード手段と、
デコード手段によりデコードされたデコードデータ及び取得手段により取得された状態データを情報
処理装置へ送信する送信手段と、を有しており、情報処理装置は、情報読取装置から受信した
デコードデータ及び状態データを識別データとして用いることにより、所定の処理を特定する特定手段を有することを特徴とする。
本発明の第
3の態様は、情報読取装置と情報処理装置とが通信を行う情報通信システムであって、情報読取装置は、
所定の媒体上に形成されたバーコードの画像を読み取ることでバーコードの画像データを取得するとともに、画像データを解析することでバーコードの読み取り時における状態を示す状態データを取得する
取得手段と、
取得手段により取得された画像データに対して、デコードを行う
デコード手段と、
デコード手段によりデコードされたデコードデータ及び取得手段により取得された状態データを情報
処理装置へ送信する送信手段と、を有し、情報処理装置は、情報読取装置から
デコードデータ及び状態データを受信する受信手段と、受信した
デコードデータ及び状態データを識別データとして用いることにより、所定の処理を特定する特定手段と、を有することを特徴とする。
本発明の第
4の態様は、情報読取装置を用いて行う情報読取方法であって、
所定の媒体上に形成されたバーコードの画像を読み取ることでバーコードの画像データを取得するとともに、画像データを解析することでバーコードの読み取り時における状態を示す状態データを取得する
取得工程と、
取得工程により取得された画像データに対して、デコードを行う
デコード工程と、
デコード工程によりデコードされた
デコードデータ、及び、取得工程により取得された状態データを識別データとして用いることにより、所定の処理を特定する処理特定工程と、を有することを特徴とする。
本発明の第
5の態様は、情報読取装置と、該情報読取装置と通信を行う情報処理装置と、を用いて行う情報読取方法であって、情報読取装置にて、
所定の媒体上に形成されたバーコードの画像を読み取ることでバーコードの画像データを取得するとともに、画像データを解析することでバーコードの読み取り時における状態を示す状態データを取得する
取得工程と、
取得工程により取得された画像データに対して、デコードを行う
デコード工程と、
デコード工程によりデコードされたデコードデータ及び取得工程により取得された状態データを情報
処理装置へ送信する送信工程と、を有し、情報処理装置にて、情報読取装置から
デコードデータ及び状態データを受信する受信工程と、受信した
デコードデータ及び状態データを識別データとして用いることにより、所定の処理を特定する処理特定工程と、を有することを特徴とする。
本発明の第
6の態様は、情報読取装置に、
所定の媒体上に形成されたバーコードの画像を読み取ることでバーコードの画像データを取得するとともに、画像データを解析することでバーコードの読み取り時における状態を示す状態データを取得する
取得手順と、
取得手順により取得された画像データに対して、デコードを行う
デコード手順と、
デコード手順によりデコードされた
デコードデータ、及び、取得手順により取得された状態データを識別データとして用いることにより、所定の処理を特定する処理特定手順と、を実行させる。
本発明の第
7の態様は、情報処理装置に、
情報読取装置により所定のバーコードの画像が読み取られ、バーコードの画像データがデコードされたデコードデータと、情報読取装置により画像データをデコード前に解析することで取得された、バーコードの読み取り時における状態を示す状態データとを、情報読取装置から受信する受信手順と、
デコードデータ及び状態データを識別データとして用いることにより、所定の処理を特定する処理特定手順
と、を実行させる。
本発明によれば、対象物の画像読み取り時に取得される、従来意味付けがされていなかった情報を、意味のある情報として有効活用することができ、情報読取装置自体に新たなハードウェアを追加することなく、扱える情報量を増やすことが可能になる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明の概要について図15を参照して説明する。
カメラやスキャナ等を用いて読み取り対象物の画像を読み込むことにより取得される情報は、図15に示すように、(a)読み取り対象物自身の情報(以下、対象物データという)と、(b)読み取り対象物と情報読取装置との相対的位置関係、情報読取装置自身の回転角(傾き)、光量や温度等の周辺環境等、対象物画像の読み取り時における状態を示す情報(以下、状態データという)と、から構成される。従来の情報読取装置では、(a)の部分のみをデコード(解析)して対象物データのみを取得しており、(b)の部分はデコード対象ではなく、状態データはデコードする際の補正情報としてのみ用いられていた。本発明の情報読取装置は、(b)の状態データについてもデコードして新たな情報として取得する。これにより、従来は意味付けがされていなかった(b)の状態データを意味のある情報として有効活用することができ、情報読取装置自体に新たなハードウェアを追加することなく、従来に比べ、扱える情報の量を増やすことが可能になる。しかも、増大する分の情報を読み取り時の簡単な操作によって変化させることで、さらに、扱える情報の量を増やすことができる。
本発明の実施例1について図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の実施例1として、情報読取装置である携帯端末について説明する。図1に本実施例の携帯端末の構成を示す。
本実施例の携帯端末1は、所定の情報が埋め込まれた画像が印刷(又は刻印)された読み取り対象物からその画像を読み込み、読み込んだ画像を基に埋め込まれた情報を読み取るための機能を有する情報読取装置であり、例えば、携帯電話機、PDA、バーコードリーダ等が挙げられる。この携帯端末1は、図1に示すように、カメラ3、画像情報解析部4、二次元バーコード・デコード部5、実行処理特定部20、記憶部21、データ出力部22、を有する。なお、本実施例では、情報読取装置として携帯端末を例としたがこれに限定されない。
カメラ3は、読み取り対象物の画像である二次元バーコードを撮影し、撮影した画像を画像データとして取得し、取得した画像データを画像情報解析部4へ送る機能を有する。
ここで、カメラ3によって撮影される二次元バーコードについて説明する。本実施例で撮影対象となる二次元バーコードは、文字や数字等のデータを二次元の図形パターンとして物体の表面や紙面等の読み取り対象物に刻印・印刷される画像であり、水平方向及び垂直方向の両方に所定の情報が埋め込まれた二次元コードである。この二次元バーコードは大きく分けて、従来の一次元バーコードを積み上げた形の「スタック型二次元コード」と、パターンが格子状になっている「マトリックス型二次元コード」の2種類がある。マトリックス型の二次元バーコードの例としては、図16(a)に示すQRコードや図16(b)に示すCPコード等がある。QRコードにおける3カ所の切り出しシンボルやCPコードにおけるL型ガイドマークによって、情報の高速読込・高速検出が可能になる。また、これらの切り出しシンボル及びL型ガイドマークから読み込まれる情報は、上述した状態データ(図15の(b)参照)であり、通常はデコード時の補正のみに利用されるデータであるので、デコード対象ではなく、意味付けがされていなかった。本実施例では、切り出しシンボルやL型ガイドマークから読み込まれる状態データについてもデコード対象とすることで意味のある情報として有効活用する。
また、これらの切り出しシンボル及びL型ガイドマークの撮影状態(撮影結果として得られる画像平面上での位置関係など)は、上述した状態データ(図15の(b)参照)の1つであるが、通常は対象データをデコードする際の画像補正のためにのみ用いられ、その後の処理内容には影響を及ぼさなかった。本実施例では、これらの切り出しシンボル及びL型ガイドマークの撮影状態を、上述の状態データとして取得・記録して、その後の処理内容を決定するパラメータとして有効活用する。
なお、本実施例では、マトリックス型の二次元バーコードであるQRコードを例として以下に説明するが、二次元バーコード以外のバーコード(一次元バーコード等)を適用してもよい。
画像情報解析部4は、カメラ3から送られてきた二次元バーコードの画像データを解析し、当該二次元バーコードをどの方向から撮影したかを判断・記録し、撮影方向データ(状態データの一例)として取得する機能と、取得した撮影方向データを実行処理特定部20へ送り、かつ、画像データを二次元バーコード・デコード部5へ送る機能と、を有する。
二次元バーコード・デコード部5は、画像情報解析部4から送られてきた二次元バーコードの画像データを解析し、二次元バーコード自体のデータ(対象物データ)である文字データを取得する機能と、取得した文字データを実行処理特定部20へ送る機能と、を有する。
実行処理特定部20は、二次元バーコード・デコード部5から送られてきた文字データと、画像情報解析部4から送られてきた撮影方向データとを基に実行する処理を特定し、特定した処理を実行するための制御を行う機能を有する。実行処理の特定は、記憶部21に予め格納されているテーブルを参照して行う。このテーブルは、文字データ及び撮影方向データ毎に所定の実行処理が対応付けられている。よって、実行処理特定部20は、文字データと、撮影方向データとを、実行処理を特定するための識別データとして用いる。なお、本実施例では、実行処理の特定にあたって、文字データ及び撮影方向データの両方を用いるようにしたが、撮影方向データ(状態データ)のみを識別データとして用いてもよい。
データ出力部22は、実行処理特定部20によって特定された処理に関するデータを出力する機能を有する。例えば、画像等を表示する表示部、音声を出力する放音部(スピーカ)、バイブレータ機能を実行する振動部、外部機器に対して所定の信号を送出する信号送出部(赤外線送信部)等である。
次に、図2を参照して、本実施例の携帯端末1の動作(情報読取方法及び情報読取プログラム)について詳細に説明する。なお、本実施例の携帯端末1は、情報読取プログラムの制御により以下の動作を実施する。
携帯端末1の使用者がカメラ3を用いて二次元バーコードを撮影した場合、カメラ3で撮影された二次元バーコードの画像は画像データとして画像情報解析部4に送られる(ステップS1)。画像情報解析部4は、その画像データを解析して、二次元バーコードとカメラ3との撮影時の位置関係(カメラ3がどの方向から二次元バーコードを撮影したか)を割り出し、割り出した結果を撮影方向データ(例えば、θ=45°φ=90°:θ及びφは図4で定義される角度)として実行処理特定部20へ送る(ステップS2)。また、画像情報解析部4は、その画像データを二次元バーコード・デコード部5へ送る。
ここで、画像情報解析部4によって割り出される撮影方向について図3及び図4を参照して説明する。例えば、図3(a)に示すようにQRコードを正対した位置で撮影した場合と、図3(b)に示すように45°傾けた位置で撮影した場合とを比べると、図2(b)では左上の切り出しシンボルと左下の切り出しシンボルとの間の辺の長さは、図2(a)に比べて1/√2の長さとなる原理から分かるように、QRコードの3つの切り出しシンボルは、左上、左下、右上に位置することが決まっており、かつ、大きさもそれぞれ同じであることから、画像情報解析部4は、カメラで撮影した画像から3点の切り出しシンボルのサイズや位置を取得・解析することにより、図4に示すように、仮想空間上の二次元バーコードの位置を特定することができる。よって、図3に示すθの角度を検出することができる。また、図4に示すその他の角度についても同様に検出できる。
なお、図4において、x軸、y軸、z軸は、被写体の形態的特徴あるいは色によるマーキングなどから定義できるものとする。また、被写体の絶対的大きさが予め分かっている場合、たとえカメラの焦点距離が得られなくとも、画像データから被写体とカメラとの距離rを割り出すことが可能である。
次に、二次元バーコード・デコード部5は、画像情報解析部4から送られてきた画像データを基に文字データ(対象物データ)を取得する(ステップS3)。例えば、二次元バーコードがQRコードの場合、まず3つの切り出しシンボルを検出し、それら切り出しシンボルに囲まれた内部の黒と白の格子を2進数の符号(例えば、01110010)として扱い、文字列によって構成される文字データ(例えば、ABCD)を生成する。この文字データは、製品名、製品コード、URL等の識別子である。そして、二次元バーコード・デコード部5は、文字データ「ABCD」を実行処理特定部20へ送る。なお、二次元バーコードのデコード処理はQRコードやCPコードなど、実際の仕様により異なる。
実行処理特定部20は、二次元バーコード・デコード部5から送られてきた文字データ「ABCD」と、画像情報解析部4から送られてきた撮影方向データ「θ=45°φ=90°」とを識別データとして用い、記憶部21に予め格納されているテーブルを参照する(ステップS4)。このテーブルには、文字データ及び撮影方向データ毎に所定の実行処理が対応付けられている。例えば、このテーブルにおいて、「ABCD」及び「θ=45°φ=90°」に対応する処理が「アラーム設定」である場合、実行処理特定部20は、「アラーム設定」処理を実行すべき処理として特定する(ステップS5)。そして、実行処理特定部20は、アラーム設定に関する各部を制御してアラーム設定の処理動作を実行する。この時、アラーム設定がされた旨を示す表示やアラーム音の放音は、データ出力部22である表示部や放音部を介して行われる。
なお、本実施例では、状態データとして撮影方向データを用いたが、これに限定されるものではない。例えば、二次元バーコードの撮影時における、カメラと二次元バーコードとの距離を計測・記録し、距離データとして取得する機能と、取得した距離データを実行処理特定部20へ送る機能とをカメラ3に設けて、距離データを状態データとして使用してもよい。あるいは、二次元バーコードの撮影時における、携帯端末1の回転角/傾きを計測・記録し、傾きデータとして取得する機能と、取得した傾きデータを実行処理特定部20へ送る機能と、を有する加速度センサを設けて、傾きデータを状態データとして使用してもよい。その他にも、例えば、二次元バーコードの撮影時において、周辺光量を計測・記録する手段(例えば、カメラ自身の撮影光量から取得する方法や測光器等)、色温度を計測・記録する手段(例えば、カメラ自身が色の3原色に基づき取得する方法や色彩輝度計等)、周辺温度を計測・記録する手段(例えば、温度計、サーモグラフィ、赤外線カメラ等)を設けることにより、周辺光量データ、色温度データ、周辺温度データを取得し、状態データとして使用してもよい。よって、状態データの種類は、二次元バーコードの撮影時における携帯端末自体の状態や、二次元バーコードの撮影時における周辺環境の状況を数値データとして取得できるものであればよい。また、本実施例では、状態データとして撮影方向データのみを使用するようにしたが、上記複数の状態データを複数組み合わせて使用するようにしてもよい。複数の状態データを使用すれば、扱える情報量をさらに増やすことが可能となる。
以上のように、本実施例によれば、二次元バーコードの読み取り時に取得される、従来は意味付けがされていなかった補正情報を、実行する処理を特定するための識別データとして用いることにより、意味のある情報として有効活用することができ、情報読取装置自体に新たなハードウェアを追加することなく、従来に比べ、扱える情報量を増やすことが可能になる。
本発明の実施例2として、情報読取装置である携帯端末について説明する。本実施例の携帯端末の構成は上記実施例1(図1参照)と同様であり、各部の機能についても上記実施例1と同様である。
本実施例では、上記実施例1の動作に加えて、実行処理特定部20にて実行される処理が予め特定されている場合に、二次元バーコードを基に取得された状態データ(及び文字データ)を所定のデータを特定するための識別データ(検索キー)として用いる動作を行う。図5を参照して、本実施例の携帯端末1の動作(情報読取方法及び情報読取プログラム)について以下に説明する。なお、本実施例の携帯端末1は、情報読取プログラムの制御により以下の動作を実施する。
まず、実行処理特定部20にて実行される処理が予め特定されているものとし、本実施例では、データ検索処理であるとする。携帯端末1の使用者がカメラ3を用いて二次元バーコードを撮影した場合、カメラ3で撮影された二次元バーコードの画像は画像データとして画像情報解析部4に送られる(ステップS11)。画像情報解析部4は、その画像データを解析して、二次元バーコードとカメラ3との撮影時の位置関係(カメラ3がどの方向から二次元バーコードを撮影したか)を割り出し、割り出した結果を撮影方向データ(例えば、θ=45°φ=90°:θ及びφは図4で定義される角度)として実行処理特定部20へ送る(ステップS12)。また、画像情報解析部4は、その画像データを二次元バーコード・デコード部5へ送る。
次に、二次元バーコード・デコード部5は、画像情報解析部4から送られてきた画像データを基に文字データ(対象物データ)を取得する(ステップS13)。文字データの取得方法は実施例1と同様である(本実施例では、取得した文字データを「EFGH」とする)。そして、二次元バーコード・デコード部5は、文字データ「EFGH」を実行処理特定部20へ送る。なお、二次元バーコードのデコード処理はQRコードやCPコードなど、実際の仕様により異なる。
実行処理特定部20は、二次元バーコード・デコード部5から送られてきた文字データ「EFGH」と、画像情報解析部4から送られてきた撮影方向データ「θ=45°φ=90°」とを識別データとして用い、記憶部21に予め格納されているテーブルを参照して、該当するデータを検索する(ステップS14)。このテーブルには、文字データ及び撮影方向データ毎に所定のデータが対応付けられている。例えば、このテーブルにおいて、「EFGH」及び「θ=45°φ=90°」に対応するデータが表示用のイメージデータである「犬の画像」である場合、実行処理特定部20は、「犬の画像」を検索対象のデータとして特定し、データ出力部22である表示部に「犬の画像」を出力し表示する(ステップS15)。
本実施例では、状態データによって特定されるデータとしてイメージデータを例としたが、これに限られず、音声データ、テキストデータ(HTMLファイルを含む)、ドア等の施錠及び解錠のための鍵データ、小売店で提供されるサービスポイントや電子マネー等の数値データを適用することもできる。
また、本実施例においても、上記実施例1と同様に、撮影方向データに限らず、様々な状態データを識別データとして使用することができる。
また、本実施例では予め特定された実行処理をデータ検索処理としたが、例えば、新たなデータ生成処理とすることもできる。この場合、実行処理特定部20(又は、別に設けられたデータ生成手段)が、対象物データと状態データの少なくとも1つ、あるいは、状態データの少なくとも1つのみ(対象物データを含まない)を用いることにより、新たなデータを生成し、生成された新たなデータを、データ出力部22を介して出力するようにしてもよい。
以上のように、本実施例によれば、二次元バーコードの読み取り時に取得される、従来は意味付けがされていなかった補正情報を、所定のデータを特定するための識別データとして用いることにより、意味のある情報として有効活用することができ、情報読取装置自体に新たなハードウェアを追加することなく、従来に比べ、扱える情報量を増やすことが可能になる。
本発明の実施例3として、情報読取装置である携帯端末について説明する。図6に本実施例の携帯端末の構成を示す。本実施例の携帯端末の構成は上記実施例1及び実施例2(図1参照)の構成と比較すると、記憶部21の代わりに接続部23を有し、この接続部23を介して外部メモリ24と通信を行う構成となっている。それ以外の各部の機能については上記実施例1及び2と同様である。
接続部23は、外部メモリ24と接続するためのインターフェース機能を有し、実行処理特定部20及びデータ出力部22とデータのやり取りを行う。
外部メモリ24は、携帯端末1に着脱可能なメモリであり、文字データ及び撮影方向データ毎に、所定の実行処理又は所定のデータが対応付けられているテーブルを有する。外部メモリ24の例としては、USBメモリ、USBハードディスク、SDカード、Compact Flashカード等が挙げられる。
本実施例の動作は、上記実施例1及び実施例2(図2及び図5)と同様である。すなわち、実行処理特定部20は、画像情報解析部4から撮影方向データと、二次元バーコード・デコード部5から文字データとを受け取り、これらのデータを識別データとして用いて、接続部23を介して接続された外部メモリ24のテーブルを参照し、実行処理の特定又は検索データの特定を行う。
なお、本実施例では、図1に示す記憶部21を省略する構成としたが、図6に示す構成に記憶部21(機能は実施例1及び2と同じ)を加えた構成としてもよい。この場合、外部メモリ24及び記憶部21のうち任意のものを使用することができる。例えば、上記のように実行処理を特定する場合は、外部メモリ24及び記憶部21のうち予め設定された方を参照するようにしても良いし、あるいは、ユーザによって選択された方を参照するようにしてもよい。また、例えば、上記のように予めデータ検索処理が特定されている場合、状態データを識別データとして使用して外部メモリ24及び記憶部21のうちどちらを参照するかを決定するようにしてもよい。
以上のように、本実施例によれば、二次元バーコードの読み取り時に取得される、従来は意味付けがされていなかった補正情報を識別データとして用い、外部メモリのテーブルを参照して所定の処理又は所定のデータを特定することにより、意味のある情報として有効活用することができ、情報読取装置自体に新たなハードウェアを追加することなく、従来に比べ、扱える情報量を増やすことが可能になる。
本発明の実施例4について図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の実施例4としての、情報通信システム、携帯端末、Webサーバの構成について説明する。図7に示すように、本実施例の情報通信システムは、情報読取装置である携帯端末1と、ネットワークを介して携帯端末1と通信可能な情報処理装置であるWebサーバ2と、によって構成される。
本実施例の携帯端末1は、所定の情報を含む読み取り対象物から画像を読み込み、その画像を基に所定の情報を読み取るため機能を有する情報読取装置であり、かつ、ネットワークを介してWebサーバ2と通信を行う機能を有する通信端末装置である。この携帯端末1は、図7に示すように、カメラ3、画像情報解析部4、二次元バーコード・デコード部5、加速度センサ6、送信データ生成部7、送信部8、受信部9、データ表示部10、を有する。
カメラ3は、読み取り対象物である二次元バーコードを撮影し、画像データとして取得する機能と、二次元バーコードの撮影時における、カメラと二次元バーコードとの距離(状態データの一例)を計測・記録し、距離データとして取得する機能と、を有する。また、取得した画像データを画像情報解析部4へ送り、かつ、取得した距離データを送信データ生成部7へ送る機能を有する。
加速度センサ6は、二次元バーコードの撮影時における、携帯端末1の回転角/傾き(状態データの一例)を計測・記録し、傾きデータとして取得する機能と、取得した傾きデータを送信データ生成部7へ送る機能と、を有する。
画像情報解析部4は、カメラ3で撮影した二次元バーコードの画像データを解析し、当該二次元バーコードをどの方向から撮影したか(状態データの一例)を判断・記録し、撮影方向データとして取得する機能と、取得した撮影方向データを送信データ生成部7へ送り、かつ、画像データを二次元バーコード・デコード部5へ送る機能と、を有する。
二次元バーコード・デコード部5は、カメラ3で撮影した二次元バーコードの画像データを解析し、二次元バーコード自体に含まれるデータ(対象物データ)である文字データ(本実施例では、送信先のURL)を取得する機能と、取得した文字データを送信データ生成部7へ送る機能と、を有する。
送信データ生成部7は、カメラ3にて取得した焦点距離データ、加速度センサ6にて取得した傾きデータ、画像情報解析部4にて取得した撮影方向データ、二次元バーコード・デコード部5にて取得した文字データ、をそれぞれ受け取った後、各データを一定のアルゴリズムによって統合し、送信データを生成する機能を有する。本実施例において生成される送信データは、URL(文字データ)に、各状態データ(焦点距離データ、傾きデータ、撮影方向データ)をオプション・パラメータとして付加したデータであり、データベース等に格納されている複数のデータの中から所定のデータを特定するための識別データとして用いられる。本実施例においてオプション・パラメータとはURLパラメータを示す。なお、URLの定義は「スキーム://ホスト名/(ディレクトリ名)/ファイル名?URLパラメータ」である。なお、本実施例においてURLの一部は、情報の送信先(Webサーバ2のネットワーク上での位置)を特定する為にのみ利用される。
本実施例では、オプション・パラメータとして、焦点距離データ、傾きデータ、及び撮影方向データの3つを文字データに付加するようにしたが、これらのデータのうち少なくとも1つを文字データに付加するようにしてもよい。また、オプション・パラメータとして用いる状態データの種類は、上記3つのデータに限定されるものではなく、読み取り対象物の撮影時における携帯端末自体の状態や、読み取り対象物の撮影時における周辺環境の状況を数値データとして取得できるものであればよい。例えば、上記実施例1で述べたように、対象物の撮影時において、周辺光量、色温度、周辺温度等を計測・記録する手段を設けることにより、周辺光量データ、色温度データ、周辺温度データを取得し、それらのデータをオプション・パラメータとして用いるようにする。
また、本実施例では、文字データをURLとしたが、送信先の情報処理装置のアドレス(URLを含む)を予め情報読取装置に格納しておき、文字データをURL以外の文字列(例えば製品コード等)とすることで、文字データ自体もオプション・パラメータとして扱うようにしてもよい。
送信部8及び受信部9は、通信部であり、外部装置(本実施例ではWebサーバ2)とデータを通信するためのインターフェース機能を有する。
データ表示部10は、データ出力部であり、外部装置から受信したデータを携帯端末1の使用者に対して表示する機能を有する。
また、本実施例のWebサーバ2は、ワークステーション・サーバ等の情報処理装置であり、図7に示すように、オプション・パラメータ解析部13、データ参照部14、データ蓄積部15、受信部11、送信部12、を有する。なお、本実施例では、ネットワークを介して携帯端末1(情報読取装置)と無線通信を可能とするWebサーバ2を外部装置として用いることとしたが、これに限られず、例えば、メールサーバやデータベースサーバ等を用いてもよい。又は、所定のケーブル等を介して情報読取装置と有線通信を行う情報処理装置や、情報読取装置を直接接続することが可能なインターフェースを設けた情報処理装置を用いてもよい。また、通信プロトコルについては、HTTPに限られず、SMTP、POP、LDAP、その他独自のプロトコルを適用してもよい。また、通信経路(ベアラ)についても、公衆網(電話回線)、LAN、IrDA、近距離無線(NFC、Bluetooth、UWB)等が適用できる。
データ蓄積部15は、複数の表示用データ(本実施例では、イメージデータ)と、各表示用データの識別子である複数のインデックス値と、を対応付けたテーブルを有する。
オプション・パラメータ解析部13は、携帯端末1から受信した送信データのうちオプション・パラメータ部分を一定のアルゴリズムによってデコードし、データ蓄積部15に蓄えられた表示用データを検索するために用いるインデックス値を抽出する機能を有する。また、抽出したインデックス値をデータ参照部14へ送る機能を有する。
データ参照部14は、オプション・パラメータ解析部13で取得したインデックス値を受け取った後、そのインデックス値に対応付けられた表示用データをデータ蓄積部15から取得する機能を有する。
送信部12及び受信部11は、外部装置(本実施例では携帯端末1)と通信するためのインターフェース機能を有する。
以上、本実施例の構成について説明したが、図7の画像情報解析部4、二次元バーコード・デコード部5、オプション・パラメータ解析部13は、それぞれ携帯端末1/Webサーバ2のどちらに内蔵するかによって、構成を変更することもできる。
次に、図8及び図9を参照して、本発明の実施例4の動作(情報読取方法及び情報読取プログラム)について詳細に説明する。なお、本実施例の携帯端末1及びWebサーバ2は、情報読取プログラムの制御により以下の動作を実施する。
携帯端末1の使用者がカメラ3を用いて二次元バーコードを撮影した場合、まず、カメラ3は撮影時におけるカメラと二次元バーコードとの距離を計測し、計測結果を距離データ(r=100mm)として送信データ生成部7へ送信する。また、加速度センサ6は撮影時の携帯端末1自身の傾きを計測し、計測結果を傾きデータ(pitch=60°yaw=30°roll=45°)として送信データ生成部7へ送信する(図8/ステップS21)。
ここで、加速度センサ6によって計測される携帯端末1の回転角/傾きについて図10を参照して説明する。
加速度センサ6は、重力加速度を検出するセンサであり、常にどの向きが下(地球の中心方向)であるかを検出できる。上記傾きデータは、図10にて定義されるpitch、rollに基づいて取得される。yawは、地磁気センサによって検出・取得される。
次に、カメラ3で撮影された二次元バーコードの画像は画像データとして画像情報解析部4に送られる。画像情報解析部4は、その画像データを解析して、二次元バーコードとカメラ3との撮影時の位置関係(カメラ3がどの方向から二次元バーコードを撮影したか)を割り出し(撮影方向の割り出しは上記実施例1と同様)、割り出した結果を撮影方向データ(θ=45°φ=90°)として送信データ生成部7へ送信する(図8/ステップS22)。また、画像情報解析部4は、その画像データを二次元バーコード・デコード部5へ送信する。
次に、二次元バーコード・デコード部5は、画像情報解析部4から受信した画像データを解析し、文字データであるURL(http://www/sample.co.jp/pic)を取り出す(図8/ステップS23)。
送信データ生成部7は、二次元バーコード・デコード部5から受信した文字データ(http://www/sample.co.jp/pic)、画像情報解析部4から受信した撮影方向データ(θ=45°φ=90°)、カメラ3から受信した焦点距離データ(r=100mm)、加速度センサ6から取得した傾きデータ(pitch=60°yaw=30°roll=45°)をそれぞれ統合し、送信データとしてオプション・パラメータ(opt?dir=045%090&range=100&rot=060%030%045)を付加したURLを生成する(図8/ステップS24)。
送信部8は、上記URLのWebサーバ2に対し、送信データであるオプション・パラメータ付きのURL(http://www/sample.co.jp/pict/opt?dir=045%090&range=100&rot=060%030%045)を送信する(図8/ステップS25)。
Webサーバ2は、受信部11にて携帯端末1からオプション・パラメータ付きのURLを受け取ると、そのオプション・パラメータをオプション・パラメータ解析部13に通知する(図9/ステップS31)。
オプション・パラメータ解析部13は、通知されたオプション・パラメータを解析/デコードし、表示用データの識別子であるインデックス値(本実施例では、0304)を取得し、取得した「0304」をデータ参照部14へ送信する(図9/ステップS33)。
ここで、インデックス値の取得については、例えば、Webサーバ2内のデータベース等に予め格納されているテーブルを基にインデックス値を抽出する。例えば、図11に示すテーブルに基づくものとし、かつ、撮影方向データだけを例にとると、撮影方向データが「θ=45°φ=90°」であるので、θのインデックス値は「03」(図11(a)参照)、φのインデックス値は「04」(図11(b)参照)となり、この2つを合わせたインデックス値は「0304」となる。上記説明では便宜上、撮影方向データだけを対象としたが、傾きデータや距離データも組み合わせてインデックス値を取得することも可能である。
その他のインデックス値の取得例としては、オプション・パラメータを解析/デコードして状態データを取得し、その状態データの値を入力値として所定の関数により計算を行うことにより、インデックス値を算出するようにしてもよい。例えば、状態データを抽選に用いる場合は、ハッシュ関数にかけてMessage Digest値を求めるようにしてもよい。
データ参照部14は、インデックス値「0304」に対応付けられた表示用データ「人の絵」(イメージデータ)をデータ蓄積部15から取得し、送信部12へ送る(図9/ステップS33)。
送信部12は、データ参照部14から受け取ったイメージデータを携帯端末1に対して送信する(図9/ステップS34)。
携帯端末1は、Webサーバ2の送信部12から送信されたイメージデータを受信部9にて受信し(図8/ステップS26)、データ表示部10にて表示する(図8/ステップS27)。
なお、本実施例では、上記実施例2と同様にデータ検索処理を行う場合について説明したが、上記実施例1のように実行処理を特定するようにすることもできる。その場合、図7のデータ蓄積部15のテーブルは、インデックス値と所定の処理とを対応付けたテーブルとなり、オプション・パラメータ解析部13とデータ参照部14とが実施例1における実行処理特定部と同じ動作を行う。処理が特定された後は、該当処理を示すデータを携帯端末1へ送信し、携帯端末1にて特定された処理が実行される。
また、本実施例では、識別子としてインデックス値を用いることとしたが、上記実施例1と同様に、インデックス値を使用せずに、オプション・パラメータ解析部13によって解析された状態データ(及び文字データ)をそのまま検索キーとして使用し、データ蓄積部15におけるデータを特定(又は、実行処理を特定)してもよい。その場合、図7のデータ蓄積部15のテーブルは、状態データ(及び文字データ)と所定のデータ(又は、所定の処理)とを対応付けたテーブルとなる。また、例えば、オプション・パラメータ解析部13(又は別のデータ生成手段)が状態データ(及び文字データ)の値を基に計算を行い、新たなデータを生成するような場合にも、インデックス値を必要としない。
また、本実施例では、複数の状態データをオプション・パラメータとして統合し、URLに付加するようにしたが、複数の状態データを別々にオプション・パラメータとしてURLに付加した送信データをそれぞれ生成し、それらをWebサーバへ送信するようにしてもよい。この場合、例えば、携帯端末又はWebサーバの少なくとも一方に一時的に個々の送信データを保存する一時保存手段を設けるようにする(又は、図7において、送信データ生成手段7やオプション・パラメータ解析部13に一時的に保存する機能を設けてもよい)。具体例は、実施例5で説明する。
以上説明したように、本実施例によれば、二次元バーコードの読み取り時に取得される、従来は意味付けがされていなかった補正情報を識別データとして用い、Webサーバと通信を行い、所定のデータを特定することにより、意味のある情報として有効活用することができ、情報読取装置自体に新たなハードウェアを追加することなく、従来に比べ、扱える情報量を増やすことが可能になる。
次に、本発明の実施例5について図12及び図13を用いて詳細に説明する。本実施例の携帯端末は、上記実施例1〜4のいずれかと同構成、同機能とする。
本実施例の携帯端末1は、カメラを起動して撮影モードになると、図12(a)に示すように、表示部16であるファインダに、被写体である二次元バーコードとの相対角を正確に合わせるためのガイドマーク(情報読取装置側ガイドマーク:状態データ確認手段の一例)19を表示する。一方で、二次元バーコードであるQRコードには、図12(b)に示すように、QRコードの上方に、矢印の形をしたガイドマーク(対象物側ガイドマーク:状態データ確認手段の一例)25が印刷・刻印されている。例えば、図12(b)のQRコードを45°の角度で撮影する場合、図12(c)に示すように、ファインダに表示されているガイドマーク19の「45」の部分を、QRコードのガイドマーク25の矢印に合わせて撮影する。
このようにガイドマーク19及び25を用いることにより、携帯端末1の使用者は、撮影時における携帯端末の傾きを簡便に確認できる。なお、QRコードの場合、図12(b)に示すガイドマーク25は必ずしも必要ではなく、3カ所の切り出しシンボルを基準にし、携帯端末側に表示されるガイドマーク19を任意の切り出しシンボルに合わせることで撮影角度を確認できる。
また、撮影角度以外の状態データを撮影時に確認できる状態データ確認手段を設けてもよい。例えば、撮影距離、撮影方向、周辺環境の状況(温度や明るさ等)の値を携帯端末1の位置に応じて表示部に表示するようにすることで、使用者側が、取得される状態データを撮影時に確認できる。
また、上記ガイドマーク19及び25を用いて、二次元コードの読み込みを複数回行うことにより、複数の状態データを取得して適用することも可能となる。例として、上記実施例4の情報読取システムを適用してダイヤル式ロックの施錠/解錠操作を行う場合について説明する。携帯端末1又はWebサーバ2のいずれかに、複数の状態データを一時的に保存する一時保存手段を設ける。また、データ蓄積部15は、図13に示すテーブルを有する。このテーブルは、図13に示すように、読み取り回数毎のインデックス値、携帯端末1に表示する表示データ、及び、携帯端末1にて実行されるアクション(処理)がそれぞれ対応付けられたテーブルである。
例えば、一時保存手段がWebサーバ2に設けられている場合、携帯端末1から送信データを受信する毎に各送信データを一時保存手段に格納する。オプション・パラメータ解析部13は、一時保存手段に格納された各送信データのオプション・パラメータを解析し、インデックス値をそれぞれ取得し、データ参照部14は、各インデックス値を基にデータ蓄積部15のテーブルを参照して、表示データ及びアクションを特定する。図13では、1回目のインデックス値が「0100」、2回目のインデックス値が「0002」、3回目のインデックス値が「0404」の場合に認証成功としている。認証成功が特定されると、データ参照部14は、認証成功を示す画像と、解錠データとを送信部12を介して携帯端末1へ送信する。携帯端末1は、受信した認証成功を示す画像をデータ表示部10に表示するとともに、ダイヤル式ロックの解錠処理を実行する。なお、1回目、2回目、3回目のいずれかにおいて所定のインデックス値以外の場合は、データ参照部14は認証失敗と判断して、認証失敗を示す画像を携帯端末1へ送信する。
なお、二次元バーコードの複数回の読み込みについては、静止画撮影又は動画撮影のどちらでもよい。
以上説明したように、本実施例によれば、情報読取装置又は読み取り対象物に状態データを確認できる機能を有することにより、使用者側で状態データを簡便に確認できる。また、二次元コードの読み込みを複数回行うことにより、複数の状態データを取得して適用でき、扱える情報量を増やすことが可能となる。
本発明の実施例
6として、上記いずれかの実施例の携帯端末1において、状態データを使用者側で任意の値に変更できる状態データ変更手段を設ける。例えば、カメラ3の部分だけを回転する機構を設けることにより、使用者側が撮影方向を簡易に変更できるようにしてもよい。また、撮影時の色合いを変化させるカラーフィルタ等をカメラ3に設けることにより、使用者側が撮影時の色合いを簡便に変更できるようにしてもよい。あるいは、撮影時にフラッシュを発光させたり、ライトを点灯させたりすることで、撮影光量を簡便に変更できるようにしてもよい。
また、読み取り対象物側に、状態データを使用者側で任意の値に変更できる状態データ変更手段を設けるようにしてもよい。例えば、二次元バーコード貼り付け面の裏にユニバーサル・ジョイントを付けて、二次元バーコード自体を自由に回転させるようにして、使用者側が二次元バーコードの角度を簡便に変更できるようにしてもよい。
以上説明したように、本実施例によれば、情報読取装置又は読み取り対象物に状態データを任意に変更できる手段を設けることにより、使用者側で状態データを簡便に変更できる。
本発明の実施例7について図14を参照して説明する。本実施例は、上記実施例4の構成を適用するものとし、読み取り対象物
の画像である二次元バーコードの対象物データに、(1)Webサーバ2側でどのURLパラメータを解釈できるかを示す状態データ指定情報、又は、(2)二次元バーコード自体の物理的な大きさを示す状態データ指定情報の少なくとも1つを含める。
(1)の情報について説明する。例えば、図14(a)に示すように、空欄のあるオプション・パラメータを対象物データに含めておく(空欄の箇所は1つでもよい)。空欄部分は、所定の状態データの値が入力される。この対象物データを含む二次元バーコードを携帯端末1で撮影した場合、携帯端末1の送信データ生成部7が空欄を認識し、空欄に所定の状態データを入力して送信データを生成する。もし、状態データを取得する手段を有していない携帯端末で撮影した場合は、空欄のままWebサーバ2へ送信される。Webサーバ2側のオプション・パラメータ解析部13は、送信データのオプション・パラメータに空欄があることを基に、当該携帯端末が所定の状態データを取得できない端末であることを判断し、所定の状態データを取得する必要がある旨(又は、当該携帯端末が対応機種でない旨)を示す情報を携帯端末へ返信する。
以上のことから(1)の情報を用いることにより、携帯端末が複数の状態データを取得できる場合にオプション・パラメータとして必要な状態データを把握することができる。よって、従来機種との互換性を保ったまま、新たな機能を付加することが可能となる。
(2)の情報について説明する。例えば、図14(b)に示すように、二次元バーコードの印刷サイズを示す情報を含むオプション・パラメータを対象物データに含めておく(印刷サイズ以外の情報でもよい)。図14(b)の「030」は、二次元バーコードの印刷サイズが30mmであることを示している。この二次元バーコードが撮影されると、画像情報解析部4は、この「030」と画像データとを基に二次元バーコードと携帯端末1との間の距離を算出する。算出された距離(本実施例では120mm)は、送信データ生成部7においてオプション・パラメータとして用いられ、図14(c)に示すように所定の箇所に入力される。なお、本実施例では、画像情報解析部4が距離の算出を行うようにしたが、同様の機能を有する距離算出手段を別に設けてもよい。
以上のことから(2)の情報を用いることにより、オプション・パラメータとして必要な状態データを算出することができる。よって、従来機種との互換性を保ったまま、新たな機能を付加することが可能となる。
以上、本発明の各実施例について説明したが、上記記載に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。また、上記各実施例における構成例、機能例、及び処理動作例を組み合わせて実施することが可能である。また、上記各実施例における携帯端末1及びWebサーバ2の処理動作は、情報読取プログラムの制御により実行される。
本発明は、カメラ、スキャナ、バーコードリーダ等の読取手段を有する端末装置全般に適用できる。
本発明の実施例1に係り、携帯端末の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係り、携帯端末の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例1に係り、カメラによる二次元バーコードの撮影状態を模式的に示す図である。 本発明の実施例1に係り、二次元バーコードとカメラとの位置関係を模式的に示す図である。 本発明の実施例2に係り、携帯端末の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例3に係り、携帯端末の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例4に係り、情報通信システム、携帯端末、Webサーバの構成を示すブロック図である。 本発明の実施例4に係り、携帯端末の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例4に係り、Webサーバの動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例4に係り、傾きデータの定義を模式的に示す図である。 本発明の実施例4に係り、インデックス値抽出のためのテーブルを示す図である。 本発明の実施例5に係り、携帯端末及び二次元バーコードのガイドマークを示す図である。 本発明の実施例5に係り、ダイヤル式ロック解除のためのテーブルを示す図である。 本発明の実施例7に係り、オプション・パラメータの各例を示す図である。 本発明の情報読取装置で読み取る情報の構成を模式的に示す図である。 本発明に係る二次元バーコードの外観例を示す図である。
符号の説明
1 携帯端末(情報読取装置の一例)
2 Webサーバ(情報処理装置の一例)
3 カメラ(対象物読取手段の一例、状態データ取得手段の一例)
4 画像情報解析部(状態データ取得手段の一例)
5 二次元バーコード・デコード部(対象物データ取得手段の一例)
6 加速度センサ(状態データ取得手段の一例)
7 送信データ生成部(送信データ生成手段の一例)
8 携帯端末の送信部(通信手段の一例)
9 携帯端末の受信部(通信手段の一例)
10 データ表示部(表示手段、データ出力手段の一例)
11 Webサーバの受信部(通信手段の一例)
12 Webサーバの送信部(通信手段の一例)
13 オプション・パラメータ解析部(特定手段の一例)
14 データ参照部(特定手段の一例)
15 データ蓄積部(記憶手段の一例)
16 表示部(表示手段、データ出力手段の一例)
17 送信実行ボタン
18 撮影実行ボタン
19 情報読取装置側ガイドマーク(状態データ確認手段の一例)
20 実行処理特定部(特定手段の一例)
21 記憶部(記憶手段の一例)
22 データ出力部(データ出力手段の一例)
23 接続部(接続手段の一例)
24 外部メモリ(外部記憶媒体の一例)
25 対象物側ガイドマーク(状態データ確認手段の一例)