土曜ワイド劇場
鴨志田新一(伊東四朗)は、警視庁東王子署の警部補。別れた妻との間にもうけた娘・岡崎真実(羽田美智子)は警察庁刑事局のエリート警視だが、鴨志田と真実が実の親子だということは、2人の職場の人間は誰も知らない…。
ある朝、荒川の土手で画商の石堂浩(市川勇)の死体が発見され、遺体の上着のポケットからサクラソウの花びらが見つかった。サクラソウが咲いている場所で殺害された後、土手まで運ばれたのだろうか…!?
そんな中、鑑識課が、被害者のポケットに入っていたサクラソウの種類を割り出した。同じ品種のサクラソウを捜して春子のアトリエを直撃した鴨志田と真実は、彼女を訪ねてきた男女と出会う。
真実の“女の勘”は的中し、春子と中村は交際中だとわかるが、なんと春子は以前、石堂ともウワサがあったことが浮上する。事件には三角関係のもつれが、かかわっているのか…!?
だが、一口にサクラソウといっても、300以上の種類がある。鴨志田は遺留品と同じ品種を捜そうと、さいたま市にある田島ケ原のサクラソウの自生地へ向かった。刑事局長から捜査協力するよう指示された真実も、すぐに合流する。
2人はその田島ケ原で、新進日本画家の松田春子(小沢真珠)がスケッチに励んでいるところに遭遇する。春子は“花と死”をテーマに掲げた美しく幻想的な絵画で、今、最も注目を集めている美貌の女流画家だった。直後、春子のもとに、ひとりの男が駆けつけ、石堂が殺されたことを告げる。強い衝撃を受ける、春子…。
実は、春子は、美術界の重鎮でもある石堂の支援を受けて開花した画家で、石堂は親代わりのような存在だったという。そして、春子に石堂の死を知らせたのは、画商の菅野隆博(寺田農)で、ライバルである石堂の亡き後、早くも春子の後見役を狙っているらしかった。
男は、美術関係の記者・中村光太郎(浜田学)、女のほうは、春子の芸大時代の同期で洋画家の高森静香(小橋めぐみ)だった。2人の様子を見た真実は、中村が春子の交際相手ではないかと直感する。
その矢先、事件の直前、中村と石堂が田島ケ原でつかみ合いのケンカをしていた事実が発覚した。中村は石堂を殴ったことは認めたものの、殺害は否定。その様子を見た鴨志田は、容疑者と断定するには決め手がない、泳がせてみようと主張する。
ところが、釈放した翌朝、中村が他殺体で見つかった。しかも、中村の遺体からもサクラソウの花びらが発見される…! 中村を釈放した責任を感じた鴨志田は、自ら謹慎を申し出るのだが…!? はたして、連続殺人現場に残されたサクラソウは何を意味しているのか…!? そして、一連の事件の真相は…!?