映画『響 -HIBIKI-』公式サイト
- ️hibiki_movie
- 作詞:秋元康
- 歌:平手友梨奈
- 作曲:ナスカ
- 編曲:the Third
©2018 by Sony Music Publishing(Japan) Inc.
- コメント:月川翔(監督)
- 主題歌に関しては迷いがありました。通例に従って何か主題歌をつけるのか、歌声のない劇伴のままエンドロールを迎えるか。当初は劇伴のまま通すことがこの作品にとって適切な形に思えていました。平手友梨奈に意見を求めると彼女も同意見。僕は安心したものの、何か順調すぎる、と違和感が残りました。現状で100点の満足度はある。けれど120点を目指せていないんじゃないか。
それでふと、平手友梨奈の歌声で主題歌をつけたらどうか、と提案しました。平手さんは自分が前面に押し出されていくのは望ましくないのではと懸念しました。僕にもその不安はありました。けれどそれは宣伝時に主題歌をどう扱うかの問題にも思えました。作品自体はもう一段高みを目指したい、と伝えると、平手さんは「作品にとって必要であれば」と言い、こう続けました。
「聴いていただいて、良くなければ遠慮なくナシにしてもらって構いません。出来上がった曲で判断してください」
そうして120点を目指して出来上がった楽曲が「角を曲がる」です。15才の鮎喰響と現在の平手友梨奈が重なり合ったような歌詞。いくつもの騒動を経てなお角をひとつ曲がっただけ、という鑑賞後感を支え、響と出会った人々の人生の転機にも思いを馳せられるエンディング曲になりました。
通例に従うなら、然るべきタイミングで「情報解禁」され、“主題歌は平手友梨奈ソロ曲!”といった形で押し出されていくものだと思います。しかし今回それは控えたほうが良いと話し合いました。映画全体が平手友梨奈のためのプロジェクトなんじゃないか、というような予断を与えたくなかったのです。それで公開前の試写会では、エンドロールに楽曲情報などを載せない形で上映しました。公開日を迎えた今、この映画に触れた方々が、主題歌に関しても本編の一部だと感じていただけたらと願っております。