どこでも遊べる「レインボーシックス モバイル」は,しっかりとシージのDNAを引き継ぐ。先行インプレッションと,気になる仕様の情報をお届け
- ️ライター:夏上シキ
- ️Sun Oct 22 2006
ユービーアイソフトは2022年10月4日,都内にて,同社が開発中のモバイルプラットフォーム向けタイトル「レインボーシックス モバイル」(iOS / Android),「ディビジョン リサージェンス」(iOS / Android)の披露を目的とする,メディアやビジネスパートナー,インフルエンサー向けのシークレットパーティーを開催した。
本稿では「レインボーシックス モバイル」について,会場で明かされた新情報や試遊レポート,開発者とのQ&Aセッションの模様をお伝えする。
本日都内某所にてメディアさん、ビジネスパートナーさん、配信者さん向けのシークレットパーティーを開催しています?#UbisoftMobile #虹モバ #ディビモバ pic.twitter.com/NBTt1xDPKX
— レインボーシックス モバイル 公式 (@Rainbow6mobileJ) October 4, 2022
モバイルで繰り広げられる“シージ”
4Gamerでは過去に開発チームへメールインタビューを実施しているが(関連記事),改めて概要を説明すると,本作は「レインボーシックス シージ」のモバイル版にあたるタイトルだ。
もちろん,そっくりそのまま移植というわけではなく,モバイル端末でのプレイを念頭に最適化がされ,オペレーターの育成といった新要素もある。「“シージ”のDNAを引き継ぎながら,異なるプラットフォーム向けに“ゼロから再構築”したタイトル」と言える。
基本プレイは無料となっており,iOSとAndroid向けに現在も開発が進められているが,2022年10月7日より日本国内での先行プレイが開始予定となっている(関連記事)。
会場で実際にゲームをプレイすると,まず目に入ったのは全体的に“スポーティー”でモダンなUIだ。そしてマッチに入ると,シージ特有のプレイフィールは受け継ぎつつ,モバイルデバイスに特化したレベルデザインとなっているのが分かる。例えば,家具や手すりの隙間の射線を通すといった,細かい操作が要求される場面が明らかに減っている。
また,本作はUnityを用いて開発が行われているが,床や壁などの破壊可能なオブジェクト要素をモバイルゲームに取り込むのは大きな挑戦だったようで,Unityに合わせた最適化を行うことで実現したという。“プレイに使用したのはハイエンドな機種である”という前提こそあるものの,実際にかなり安定したプレイが可能だった。「ポケットの中の“シージ”」といった具合に,より多くのプレイヤーが楽しめるものとなりそうだ。
そして注目すべき点として,オペレーターの成長要素が挙げられる。これは「マスタリートラック」と呼ばれ,オペレーターのスキルが成長したり,新たな外観を獲得できるシステムだ。あくまでもゲームプレイの幅を広げるもので,いわゆる「ペイ・トゥ・ウィン」といったものではないとの説明もあった。
また,今回のシークレットパーティーでは
Ubisoft Mobile APAC ビジネスデベロップメント・パブリッシング・ディレクター
コチョール・オザン氏(以下,オザン氏)
Ubisoft Mobile HQ エグゼクティブ・プロデューサー
ファブリス・ナヴレズ氏(以下,ナヴレズ氏)
Ubisoft Mobile HQ コンテンツ・ディレクター
ジョナサン・ラベルニュ氏(以下,ラベルニュ氏)
から「レインボーシックス モバイル」「ディビジョン リサージェンス」について,メディアによる質疑応答も行われた。まだ全貌が明らかにされていない本作を知る上で,構成する要素を知ることのできた貴重な内容だ。
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なお,本稿では「レインボーシックス モバイル」に関する内容をまとめている。
──「レインボーシックス モバイル」は初期の「レインボーシックス シージ」を彷彿とさせ,「ディビジョン リサージェンス」の舞台はワシントンからニューヨークに戻るということで,“原点回帰”のような印象を受けます。これはユービーアイソフトのモバイルゲーム全体として意識的に行っているのでしょうか。
ナヴレズ氏:
これまでコンソール機やPCなどで体験したことを,モバイルでも体験したいと考えるプレイヤーが多くなってきたと感じています。我々は30年以上,こうしたゲーム開発に取り組んでいるので,この経験はモバイルゲーム開発にも活かしていくことができるでしょう。4,5年前と比べ,端末の性能が大きく向上したことで,プレイヤーが求めるクオリティのゲームをモバイルでも提供できるようになったことも大きな要因と言えます。そして,まだ我々のことを知らない新規ユーザーへゲームを届けるにあたって,モバイルというプラットフォームは非常に魅力的な存在です。
──ローカライズはどのような状況でしょうか。
オザン氏:
日本語に対応します。基本的に「レインボーシックス シージ」と同じ方がCVを担当してくださっています。また,攻撃側の部隊長に小森未彩さん,防衛側の部隊長に石川界人さんが新たに出演されます。
![]() 小森未彩さん |
![]() 石川界人さん |
──マネタイズ(課金要素)はどのようなものですか。
ナヴレズ氏:
「レインボーシックス モバイル」については,「競技性」という性質を崩さないマネタイズモデルを心がけています。これにはキャラクターの進行具合,コスメティックアイテムなどが含まれます。また,各オペレーターに焦点を当てた,シーズン制のバトルパスを導入予定です。
──マップやオペレーターなど,ローンチ時に実装される要素はどのような基準で選ばれているのでしょうか。
オザン氏:
人気度が一つの基準になっています。たとえばマップは,とくにコミュニティから愛されているものを選んでおり,オペレーターについてはSLEDGE,JÄGERのような“長く皆さんにプレイしていただいたメンバー”がラインナップの中心になっています。今後も徐々に新たなオペレーターを追加していく予定です。
──本作独自のコンテンツを提供する予定はありますか。また,モバイルならではの付加価値についてお聞かせください。
オザン氏:
「レインボーシックス シージ」には7年目に入る長期的なコンテンツがあり,まずはこれらを活用していきます。その次のステップとしてオペレーターやマップを含む,独自のコンテンツを考えています。モバイル端末としての付加価値は多岐に渡りますが,「シージ」の体験をモバイルでも実現するためにさまざまな最適化を図っています。ゲーム性を理解する上でややハードルが高く感じるタイトルなので,チュートリアルにも力を入れています。そして新たに導入された成長要素は,自分好みのオペレーターを作り上げることを可能にしています。
──アンロックしていないオペレーターはチケットを消費することで使用可能になりますが,この仕様を採用した理由を教えてください。
オザン氏:
「シージ」ではオペレーターのアンロックまでに膨大な時間,もしくは課金が必要でした。「モバイル」ではそうした過程の中で,多くの時間を費やさなくても,さまざまなオペレーターを“お試し”としてプレイできるようにチケットシステムを導入しました。チケットは試合後の報酬,バトルパス,ルートボックスによって入手できます。
──オペレーターの外観が大きく変わりましたが,その理由や意図はなんでしょうか。
オザン氏:
クリエイティブ・ディレクターのジャスティン(Ubisoft Montreal クリエイティブ・ディレクターのジャスティン・スワン氏)は,本作のデザインを「ミリタリースーパーヒーロー」と呼んでいます。これは「シージ」の強いミリタリーテイストから,スポーティーさを感じさせるものです。加えて豊富なコスメティックアイテムを用意していますので,皆様の好きな外観にカスタマイズしてプレイしていただければと思います。
──eスポーツの展開は考えていますか。
オザン氏:
本作がPvPタイトルである以上,当然視野には入っていますが,現段階で発表できるものではありません。本格的なeスポーツを行うにはさまざまな要素が必要となります。これらに期待できるようになるのは,ローンチ前ではなく,ローンチ後になるでしょう。今後の展開を楽しみにしていてください。
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