asahi.com

イタリア映画祭2004~作品紹介

4月30日(金) 11:30~
5月4日(火・休) 13:30~
X program
「輝ける青春」
La meglio gioventu

(2003年、366分)
監督:マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ

「輝ける青春」
「イタリア映画祭2001」で喝采を浴びた『ペッピーノの百歩』のジョルダーナ監督が1960年代から現代までのイタリアの一家族を描いた、6時間を越す叙事詩。イタリアでは『1900年』の続編と言われた。フィレンツェの大洪水、トリノの学生運動、赤い旅団のテロなどを背景に、4人の子供たちが歩むそれぞれの道をイタリア全土で撮影。ニコラ役のルイジ・ロ・カーショが渾身の演技。母親役のアドリアーナ・アスティ(『革命前夜』)も懐かしい。2003年カンヌ映画祭批評家週間最優秀賞。欧州各地でヒットし、ミラマックス社による英語圏配給も決定。

5月2日(日) 16:00~
Y program 特別上映
「夜よ、こんにちは(原題)
Buongiorno, Notte

(2003年、105分)
監督:マルコ・ベロッキオ

「夜よ、こんにちは(原題)」
昨年の『母の微笑』の衝撃に続く巨匠ベロッキオの新作は、1970年代の「赤い旅団」によるモーロ首相誘拐暗殺事件をモデルに、若きテロリストたちを描いた問題作。部屋に閉じこもる4人の男女と政治家の息詰まるような時間が、女性テロリストのアンナの目から描かれる。アンナ役のマヤ・サンサやテロリスト役のルイジ・ロ・カーショの演技も光る。本映画祭の『輝ける青春』と今年劇場公開のベルトルッチ『ドリーマーズ』と共に、1968年以降の現代史にメスを入れる作品が2003年のイタリアに3本揃った。2003年ヴェネチア映画祭脚本賞。今秋公開予定。(配給:ビターズ・エンド)

5月1日(土) 18:00~
5月3日(月・祝) 13:20~
A program
「愛という名の旅
Un viaggio chiamato amore

(2002年、96分)
監督:ミケーレ・プラチド

「愛という名の旅」
テレビで絶大な人気俳優ミケーレ・プラチドが監督し、撮影監督のルカ・ビガッツィが圧倒的な映像美で魅了する作品。『無邪気な妖精たち』などイタリア映画祭でもおなじみのステファノ・アッコルシと、『息子の部屋』の母親役ラウラ・モランテの2人が演じるのは、1910年代のトスカーナ地方を舞台にした詩人と女流作家の悲恋物語。詩人ディーノ・カンパーナを演じたアッコルシは、2002年ヴェネチア映画祭主演男優賞を受賞。

4月29日(木・祝) 16:30~
5月4日(火・休) 11:00~
B program
「子供たち
Figli / Hijos

(2002年、95分)
監督:マルコ・ベキス

「子供たち」
チリ生まれのマルコ・ベキス監督が、歴史に翻弄される人々を鮮烈な映像で描いた力作。ネットで自分の双子の兄を探し当て、アルゼンチンからミラノへ現れたローザ。裕福に育つハビエルは、ローザの登場に戸惑いながらも、二人で真実を探し始める。20年前、軍政下のアルゼンチンで何が起こったか・・・。2001年ヴェネチア映画祭出品、ハビエルの母親役のステファニア・サンドレッリは、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞助演女優賞。

5月1日(土) 13:30~
5月3日(月・祝) 18:15~
C program
「向かいの窓
La finestra di fronte

(2002年、106分)
監督:フェルザン・オズペテク
撮影:ジャンフィリッポ・コルティチェッリ

「向かいの窓」
昨年のイタリア映画祭で『無邪気な妖精たち』が絶賛を浴びた、トルコ出身のオズペテク監督の新作。夫との生活に不満なジョヴァンナは、アパートの真向かいに住む青年に心を惹かれてゆくが・・・。この2人を演じるジョヴァンナ・メッゾジョルノとラウル・ボーヴァの美男美女ぶりに注目。過去を持つ老人を演じる名優マッシモ・ジロッティの遺作となった。ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞最優秀作品賞、主演女優賞など国内映画賞を独占。

4月30日(金) 18:45~
5月2日(日) 13:30~
D program
「過去の力
La forza del passato

(2002年、98分)
監督:ピエルジョルジョ・ガイ

「過去の力」
才人ガイ監督は、サンドロ・ヴェロネージのヴィアレッジョ賞受賞作を、トリエステに移し変え、ルカ・ビガッツィの繊細な撮影によって映画化。軍人だった父を亡くした40歳の児童小説家(セルジオ・ルビーニ)のもとに、ブルーノ・ガンツ演じる不思議な男が現れ、父の過去の秘密を明かすことで、幸せな日常は一変する。妻役のサンドラ・チェッカレッリ(『ぼくの瞳の光』)も含め、3人の秀逸な演技が光る。2003年ヴェネツィア映画祭出品。

4月29日(木・祝) 12:00~
5月2日(日) 18:30~
E program
「カテリーナ、都会へ行く」
Caterina va in citta

(2003年、90分)
監督:パオロ・ヴィルツィ

「カテリーナ、街へ行く」
昨年イタリアでヒットした俊英ヴィルツィの新作。高校教師の父親の転勤で、田舎からローマに来た13歳のカテリーナは、有名人の子供たちが通う学校に転入して、未知の世界に遭遇する。セルジョ・カステリット演じる父親は、これを機会に有名になろうとするが、娘や素朴な母親(マルゲリータ・ブイ)はついていけない。ロベルト・ベニーニやミケーレ・プラチドなどの俳優や小説家なども実名で登場して繰り広げる、現代版「甘い生活」。

4月29日(木・祝) 18:50~
5月2日(日) 11:00~
F program
「心は彼方に
Il cuore altrove

(2003年、103分)
監督:プーピ・アヴァーティ

「心は彼方に」
1920年代のボローニャを舞台に、巨匠アヴァーティが描く切なくも哀しい純愛物語。真面目一筋の青年ネロは、高校のラテン語の先生としてボローニャに着任する。友人達はさまざまな女性を紹介しようとするが、彼が惹かれたのは・・・。ネロ役のネリ・マルコーレがはまり役で、その父で仕立て屋を演じるジャンカルロ・ジャンニーニも円熟の演技。2003年カンヌ映画祭コンペ出品後、本国で大ヒット。ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞監督賞。

4月29日(木・祝) 14:15~
5月3日(月・祝) 11:00~
G program
「トニオの奇跡
Il miracolo

(2003年、92分)
監督:エドアルド・ウィンスピア

「トニオの奇跡」
「イタリア映画祭2001」で上映後、劇場公開されて人気を呼んだ『血の記憶』のウィンスピア監督の新作。自動車事故で生死の境を彷徨いながらも奇跡的に生還した12歳のトニオは、入院中に別の奇跡に遭遇する。彼の体験は話題を呼び、テレビ局の取材、祖父の病気を治させようとする友達、車に乗っていた少女との交流・・・トニオのまわりでさまざまな人間関係が動き出す。2003年ヴェネチア映画祭出品、イタリア・シネクラブ協議会賞。

5月1日(土) 11:00~
5月3日(月・祝) 15:45~
H program
「カリオストロの帰還
Il ritorno di Cagliostro

(2003年、100分)
監督:ダニエーレ・チプリ&フランコ・マレスコ

「カリオストロの帰還」
1996年の東京国際映画祭で上映された『ブルックリンのおじさん』で衝撃を与えた鬼才コンビ、チプリ&マレスコ監督の最新作。1950年代のシチリアを舞台に、つぶれかけた映画会社の二人が、起死回生を狙って新作『カリオストロの帰還』の製作に着手。かつて有名だったアメリカ俳優エロール・ダグラスを招聘し、撮影は始まったが・・・。風刺と諧謔でイタリア映画史とシチリア精神史の深層に挑む問題作。2002年ヴェネチア映画祭出品。

※上映作品はイタリア側の都合により、変更の可能性があります。
※上映作品はこの映画祭のために輸入するプリントのため、英語字幕などが入っている可能性があります。