【米大統領選2016】イスラム教徒の「憎悪」めぐりトランプ氏とルビオ氏が衝突 - BBCニュース
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- ️Fri Mar 11 2016
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2016年3月11日
米大統領選の共和党候補選びで10日夜、CNN主催の討論会がフロリダ州マイアミで行われ、「イスラム教徒はアメリカを憎んでいる」というドナルド・トランプ氏の発言をめぐり、地元選出のマーコ・ルビオ上院議員がトランプ氏と衝突した。15日にはフロリダ州で共和党予備選が行われ、ルビオ議員にとってはここで負ければ撤退もあり得る正念場となっている。
ルビオ上院議員は討論会で、イスラム教は過激化という問題をはらんでいるが、アメリカにはアメリカ人として誇りをもつイスラム教徒が大勢いると述べた
「大統領は何でもかんでも言いたい放題すればいいというわけにはいかない。発言には影響がある」とルビオ氏は述べ、観客の歓声を浴びた。
討論会に先立ち、共和党候補最有力のトランプ氏は「イスラムは我々を憎んでいると思う。とてつもない憎しみがある」と発言。討論会でもこの発言を撤回せず、政治的に正しいか(ポリティカリー・コレクト)かどうかばかり気にする風潮を罵倒した。
これに対してルビオ氏は、「ポリティカリー・コレクトかどうかなど興味がない。私は、正しいかどうかを気にしている」と反論した。
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前回のテレビ討論会が中傷合戦になったため、CNNの司会者は候補4人に礼儀正しい内容のある討論に終始するよう強く要求。これを受けて、中傷よりも政策内容についての議論が繰り広げられた。
「これまでのところ、あまりにまともで信じられない」とトランプ氏が壇上の様子に言及する場面もあった。
しかしイスラム教については、トランプ氏と他の3候補の間には明白な隔たりがあった。トランプ氏は、テロリストの家族は殺害すべきという立場だが、他の3人は全員これに異論を唱えている。
討論会ではほかに、ルビオ氏が社会保障赤字対策として年金支給開始年齢を68歳に引き上げると表明し、「無駄を省くだけで社会保障は救える」というトランプ氏の立場を「計算が合わない」と批判した。
共和党レースでトランプ氏に続く2番手につけているテッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出)は、移民対策としてメキシコ国境に壁を造り、国境警備の人員を3倍にし、不法移民への福祉を打ち切ると表明した。
トランプ氏は「教育を偉大にする」と述べ、自分への支持を表明したばかりの元候補、ベン・カーソン氏に参加してもらうと述べた。トランプ氏はさらに、かつてロシアのプーチン大統領は「強い」と述べたのは、良い指導者だという意味ではないと説明した。
ルビオ氏は、気候変動は人為的なものではなく、気候が変動するのはいつものことだと発言。オハイオ州のケーシック知事はこれに反対した。
オバマ大統領の歴史的なキューバ訪問を今月21日に控え、両親がキューバ移民のルビオ氏は、米・キューバの最近の関係改善には反対だと発言。キューバの人権状況改善が先決だと述べた。
これを受けてトランプ氏は、米・キューバ関係には反対しないが、米国に有利な合意内容が必要だと述べた。これに対して自身もキューバ系のクルーズ議員は、キューバ関係についてトランプ氏がオバマ大統領を支持していると批判した。
15日にはフロリダのほか、イリノイ、ミズーリ、ノースカロライナ、オハイオの5州で予備選が行われる。いずれも代議員数が多く、フロリダはルビオ議員、オハイオはケーシック州知事の地元だけに、2人にとっては大統領レースに残れるかどうかがかかっている。
討論会に先立ち、すでに撤退した元外科医のベン・カーソン氏がトランプ氏支持を表明した。
<分析>マイアミからアンソニー・ザーチャー北米担当記者
共和党の候補指名へとまい進するドナルド・トランプ氏をどう阻止すればいいのか、他の候補たちはもはやアイディアも尽きてしまったのは明らかだ。
初期の討論会では主要候補たちはもっぱら、ニューヨークの大富豪を無視していた。自滅すると期待していたのだ。しかしここ数回の討論会では、容赦なく集中砲火を浴びせてきた。
そして12回目の討論会となった今回、他の候補たちは対決姿勢を止めて、トランプ氏には非常に穏やかにそっと触れるにとどまった。
「あまりにまともで信じられない」とトランプ氏が言うほどに。
トランプ氏はこれまでに獲得した党大会の代議員数で先頭を走り、15日に予備選が行われる州の多くでも優勢とされている。火花の飛び散らない討論会は、トランプ氏にとっては朗報でしかない。
マーコ・ルビオ氏とテッド・クルーズ氏は、外交政策や保護貿易、反イスラム発言などをめぐり自分たちはトランプ氏とは違うと対比を強調しようとしたが、そこにかつての熱意はもはやない。特にクルーズ氏は激しく非難するというよりは、ため息交じりに首を振りながら、あきらめた様子で批判するのみだった。
レースはまだ終わっていない。しかし10日の討論会の様子からは、何かとんでもない波乱がない限り、終わりはそろそろ見えてきたと言えるだろう。
<近日中の主要日程>
3月15日――両党がフロリダ、イリノイ、ノース・カロライナ、オハイオで予備選
3月22日――両党がアリゾナで予備選、ユタで党員集会、民主党がアイダホで党員集会
3月26日――民主党がアラスカ、ハワイ、ワシントンで党員集会
4月1日――共和党がノース・ダコタで党員集会
4月5日――両党がウィスコンシンで予備選
4月9日――民主党がワイオミングで党員集会
4月19日――両党がニューヨークで予備選
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7月18~21日――共和党全国党大会、候補指名
7月25~28日――民主党全国党大会、候補指名
11月8日――米大統領選本選投票