【米大統領選2016】トランプ氏、ロシアによるクリントン氏メールのハッキング希望 - BBCニュース
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- ️Thu Jul 28 2016
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2016年7月28日
米大統領選の民主党候補、ヒラリー・クリントン氏の陣営は27日、共和党候補のドナルド・トランプ氏が、クリントン氏をハッキングするよう外国勢力に「積極的に促した」と批判した。トランプ氏は同日、「ロシア、もし聞いているなら、紛失した(クリントン氏の)メール3万通を見つけてくれるといい」と集会で述べている。
トランプ氏はフロリダ州マイアミの集会で、この3万通のメールには「すごい内容」が含まれているだろうし、ロシアがそれを「見つけてくれれば」、「この国のマスコミが大いに謝礼を払うと思う」と述べた。
外国勢力が大統領選に干渉するなら非難するべきではないかと報道陣に問いただされたトランプ氏は、「いや、まったく気にならない。もしロシアや中国やそのほかの国が問題のメールを入手するなら、正直に言うが、ぜひとも見てみたい」と述べた。
その上でトランプ氏は、自分は「ロシアと何の関係もない」と強調。ロシアのプーチン大統領はトランプ氏を支持しているのではないかと記者に問われると、トランプ氏は自分は「プーチンに会ったこともないし、プーチンが誰かも知らない」と答えた。
この発言から間もなく、トランプ氏はツイッターで問題のメールを持っている人は米連邦捜査局(FBI)に提出すべきだと書いた。
民主党のメールについては、党大会直前に、党幹部が予備選でバーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出)の選挙戦を妨害しようとしていたという内容の内部メールが流出し、党委員長の辞任につながった。党幹部のメール流出は、ロシア当局がトランプ氏を利するためにハッキングしたためとの見方が広まっている。ロシア政府もトランプ氏も、この指摘を否定している。
クリントン氏の上級政策顧問ジェイク・サリバン氏は、「主要政党の大統領候が、対立候補に対してスパイ活動を実施するよう、外国勢力に積極的に働きかけたのは、これが初めてに違いない」と批判。「単なる面白おかしい話や政局の話だったものが、今では国家安全保障問題にまでなった」と強い懸念を示した。
トランプ氏の発言から間もなく、共和党副大統領候補のマイク・ペンス氏は声明で、もしロシアが大統領選に介入しようとしているとFBIが立証できるなら、「深刻な結果につながる」と表明した。
民主党幹部のメール漏洩とは
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民主党全国委員会幹部のメールは、告発サイト「ウィキリークス」が22日にサイトで公表。FBIが流出の経緯を捜査している。
クリントン陣営のロビー・ムック選対本部長は、ロシアが民主党を痛めつけてトランプ氏を助けるためにしたことだと批判した。
オバマ米大統領も27日、米NBCニュースのインタビューに対して、ロシアによるハッキングの可能性を排除しなかった。「ロシアがこの国のシステムをハッキングしているのは分かっている。政府システムだけでなく、個人システムも」と大統領は述べた。米政府も外国政府をハッキングしていると批判されている。
ライアン下院議長(共和党)の報道官は、「ロシアはずるがしこい悪党が率いる世界的脅威だ。プーチンは大統領選に手出しすべきでない」と述べた。
ロシア政府のペスコフ報道官は27日、「ロシアは他の国々の内政、まして選挙プロセスに、決して干渉しないし干渉していない」とプーチン大統領が繰り返し発言してきたと指摘した。
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