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【東京パラ】 「異例」でも輝く大会へ きょう開幕

2021年8月24日

エリザベス・ハドソン、BBCスポーツ

The Agitos symbol in Tokyo

画像提供, Getty Images

画像説明, パラリンピックのシンボル「スリー・アギトス」

東京パラリンピックが24日、開幕する。日本では新型コロナウイルス感染症COVID-19の感染が拡大しており、この先まだ困難な事態が予想されると、すべての関係者が認める中での開催となる。

東京パラリンピックは、新型ウイルスのパンデミックで1年延期された。少数の児童生徒を除き無観客で開催されるなど、これまでの大会とは異なるものとなる。

大会組織委員会は、開催によってトップレベルの競技が繰り広げられるのはもちろん、日本社会にとって、より多様な存在を受け入れる「インクルーシヴ」な社会への変容につながることを希望している。

東京はパラリンピックを2回開催する最初の都市となる。前回は1964年に開催し、21カ国から375人の選手が9競技に出場した。

今大会は、162の各国パラリンピック委員会から約4400人が22競技539種目に出場し、メダルを争う。

選手たちは、過去1年半の激動の出来事を乗り越え、パラリンピアンとしての自分たちの能力を世界最大の舞台で披露したいと意気込んでいる。

大会は24日午後8時開始の開会式で正式に開幕。競技は25日に始まる。

ここまでの道のり

パラリンピックは、2012年ロンドン大会で過去最大規模となった。だが、前回リオデジャネイロ大会では、開幕が迫ってから大幅な予算削減が迫られた。そのため東京大会では、パラピンピック運動を以前のような力強いものに戻すことが期待された。

東京は、オリンピックとパラリンピックの開催が密接に結びつき、チケットの売れ行きも前例のない好調さだったことから、完璧な開催地に思えた。

2019年には開幕まで1年の記念行事が開かれ、多くの人が参加し成功を収めた。大会を応援したいという日本社会の強い思いが示された。

ところが新型ウイルスのパンデミックが発生し、すべての計画がご破算になった。1年延期が決まり、オリンピック同様、関係者はさまざまな決まりが適用されることになった。

世界各地の選手たちが、練習や競技会をめぐる困難に直面した。医療上の理由で隔離が必要になった選手もいた。

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大会開幕へ

The Paralympic mascot Someity at a school in 2019

画像提供, Getty Images

画像説明, パラリンピックのマスコット「ソメイティ」が2019年に学校を訪れた

東京では緊急事態宣言が出されたままで、首都圏の新型ウイルス感染者は増加を続けている。

パラリンピックではオリンピックと同じく、バブル方式が取られる。選手を対象とした毎日の検査や、マスク着用と社会的距離確保の義務化など、厳しい取り決めが導入される。

さらに、車いすなどの器具も定期的な消毒が義務付けられる。

国際パラリンピック委員会のアンドリュー・パーソンズ会長は、「安全な大会になると確信している。ただ、安全な大会は感染者がゼロということではない」とBBCスポーツに述べた。

「感染者は出るだろう。そのとき陽性者をどう制御し対応するか、そして新型ウイルスを拡散させないようにするかが、成功するかどうかを決める」

「日本人の間でパンデミックをめぐって不満や怒りがあるのは理解している。だが、パンデミックと、ここで開かれたオリンピックには何の関連も存在していない。パラリンピックでもきっと同じだろう」

「感染者の増加には他の理由がある」

出場断念も

新型ウイルス関連の渡航制限は、パラリンピックにも影響が及んでいる。サモア、キリバス、トンガ、ヴァヌアツの太平洋諸国の選手たちは、渡航できなかった。

そのことが判明した何日か前には、アフガニスタンのパラリンピック選手2人が、タリバンの復権で前政権が崩壊したことを受け、出場を断念した。ただ、開会式では結束の証として、アフガニスタン国旗がボランティアによって運び込まれる予定だ。

そのほか、6人ほどでつくる難民選手団も参加する。アフガニスタン出身の水泳のアッバス・カリミ選手や、パラ難民選手団初の女性選手となる、こん棒投げのアリア・イッサ選手が含まれる。

Members of the NZ wheelchair rugby team arrive on court

画像提供, Getty Images

画像説明, ニュージーランドの車いすラグビーチームが東京で練習試合に臨んだ

新競技

東京大会では、パラ・セーリングと7人制サッカーが競技から外れ、パラ・バドミントン(14種目)とパラ・テコンドー(6種目)が新競技となった。

パラ・カヌー、パラ射撃、パラ卓球、車いすフェンシングの4競技は、リオ大会より種目数が増えた。

一方で、選手とメダルの数が最大のパラ陸上とパラ水泳は、リオ大会に比べ種目数が減った。これら2競技は混合リレーを導入。陸上では、第1走者は視覚障害者、第2走者は義肢ランナー、第3走者は脳性まひや協調運動障害がある選手、最終走者は車いす選手がつとめる。

水泳では、4×100メートルリレーのS14(知的障害)カテゴリーが追加された。

イギリス選手団

イギリス選手団は、視覚障害のある選手のガイドや、他の選手のパートナーなども含め、227人で構成。22競技のうちの19競技に出場する。

女子選手は100人で、夏季パラリンピックではイギリス史上、男女同数に最も近い。リオ大会では女子選手の比率は40%だったが、今大会は44%となっている。

経験豊富な選手が多く、144選手は過去にパラリンピック出場歴がある。43選手はパラ優勝経験がある。

リオ大会では、イギリス選手団は147個のメダルを獲得。うち、金メダルが64個(15競技)だった。1988年以降の最多記録で、メダル獲得数では中国に続いて2位だった。

今回は100~140個のメダルが期待されている。