溶岩逃れた「奇跡の家」が話題に カナリア諸島の火山噴火 - BBCニュース
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溶岩逃れた「奇跡の家」が話題に カナリア諸島の火山噴火
画像提供, Alfonso Escalero
2021年9月24日
火山の噴火に見舞われているスペイン・カナリア諸島のラ・パルマ島にある民家が、溶岩による焼失を免れ、「奇跡の家」として話題になっている。
ラ・パルマ島では19日にクンブレビエハ火山が噴火。これまでに住宅220軒が破壊され、約6000人が避難している。
クンブレビエハ火山からはなお溶岩が流出しており、専門家も噴火が収まる時期は分からないとしている。
こうした中、写真家のアルフォンソ・エスカレロ氏は、1軒の住宅が溶岩に囲まれて残っている様子を撮影した写真を公開。ソーシャルメディアなどで「奇跡の家」と呼ばれるようになった。
現地紙エル・ムンドによると、この住宅を所有するデンマーク人のコック夫妻は、新型コロナウイルスのパンデミック以来、ラ・パルマ島を訪れていないという。
夫と共にこの家を設計したアダ・モニケンダム氏は、コック夫妻と話した際、「ラ・パルマ島には行けないが、まだあの家が建っていて安心した」と話していたと語った。
画像提供, EPA
一方モニケンダム氏によると、コック夫妻の友人の中には、噴火によってすべてを失ってしまった人たちもいるという。
溶岩は住宅に加え、学校やバナナ農園なども焼き尽くしている。
「(被害に遭った人々は)ずっと泣いてしまうので、誰とも話したくないと言っている」とモニケンダム氏は語った。
また、エスカレロ氏の写真を見て、「この家がたった1軒、管理できる人もいない中で残っているのは悲しい」と述べた。
爆発や有毒ガスの可能性も
地元当局によると、溶岩が海に達した場合、化学反応が起き、爆発や有毒ガスが発生する可能性があるという。
カナリア諸島の自治体は、家を失った人たちのために2件の住宅開発事業に着手する考えを示した。
スペインのペドロ・サンチェス首相は、米ニューヨークで開かれている国連総会への出席を短縮し、ラ・パルマ島を視察。国連総会後もただちにカナリア諸島へ戻り、緊急活動を監督するとしている。