金正恩氏、手術後に危険な状態に陥った可能性-米当局が情報収集
- ️Tue Apr 21 2020
金正恩氏、手術後に危険な状態に陥った可能性-米当局が情報収集
2020年4月21日 11:02 JST 更新日時 2020年4月21日 17:01 JST
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金氏の状況は現在のところ分かっていない-米当局者
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先週の金日成主席の生誕記念日にも姿を見せなかった
米国は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が先週に心臓血管の外科手術を受けた後に危険な状態に陥ったという情報を得たのを受け、金氏の健康に関する詳細な情報の収集を行っている。米当局者が語った。
匿名を条件に語った同当局者によると、トランプ政権は金氏の現状に関する確実な情報は得ていない。CNNは先に、事情を直接知る米当局者の情報として、金氏が手術後にかなり危険な状態に陥っているかもしれないと報じていた。ホワイトハウスは同報道に関するコメントを控えた。
韓国の聯合ニュースは21日、金委員長が北朝鮮の農村部で「通常の活動」を行っていると、韓国大統領府の匿名の当局者を引用して伝えた。金氏は側近が支えており、特別な動きは朝鮮労働党や軍にも見られないとしている。韓国大統領府の姜珉碩報道官は先に、金氏の健康状態を巡る臆測に関して確認できることは何もなく、今のところ北朝鮮で通常と異なることは何も認められないとコメントしていた。
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長について報じるソウル市内の様子(4月21日)
Photographer: SeongJoon Cho/Bloomberg
これとは別に、韓国の北朝鮮専門メディアであるデイリーNKは、金氏が「心臓血管の外科手術」を受け、現在はほぼ回復していると報道。デイリーNKは北朝鮮国内の関係者1人の話を引用して伝えており、同報道内容の真偽は今のところ確認できていない。
また、北朝鮮との関係を担当している中国共産党中央対外連絡部の当局者はロイター通信に対し、金氏は重病ではないようだと語った。一方、中国外務省の耿爽報道官は北京で21日開いた定例記者会見で、金委員長に関する報道の情報源が分からないと説明した上で、北朝鮮との関係発展の促進に向けて協力する用意があると述べた。
北朝鮮最高指導者の健康問題は最も厳重に守られている秘密の1つで、通常は政権内部の一握りの人間にしか知らされない。金氏の健康状態については、先週15日に祖父である故・金日成主席の生誕記念日(太陽節)に姿を見せないという異例の事態があったのを受け、臆測が広がっていた。
金氏は現在36歳で、ヘビースモーカーとして知られる。過去数カ月は軍事演習を視察する姿などが国営メディアで伝えられていた。
韓国統一省は17日、金氏が太陽節に姿を見せなかった理由について臆測するのは「不適切」だと指摘していた。同省は、北朝鮮国営メディアによる言及を基に、今年に入って金氏が公の場所に姿を見せたのは17回と、週1回をやや上回るペースだと説明。昨年の計84回に比べると若干減っている。
かつて米外交官として朝鮮半島問題に取り組んでいたミンタロウ・オバ氏は「北朝鮮に関する情報の確認が難しいこと、そして北朝鮮の行動が何を示すか正確に予想することについてのわれわれの実績が完璧ではないことを考えれば、今はまだ早まった結論に飛びつくのは避けるべきだ」と述べた。
原題:Kim Jong Un May Be in ‘Grave Danger’ After Surgery, CNN Reports、Kim Condition Was Critical After Surgery, U.S. Official Says、Kim Jong Un Conducting ‘Normal’ Activities, S.Korea Says: Yonhap、Kim’s Condition Was Critical After Surgery, U.S. Officials Say、China Says It Doesn’t Know Sources of Kim Jong Un Reports(抜粋)
(第5段落に中国外務省報道官のコメントを加えて更新します)