昔話と文学
- ️KADOKAWA CORPORATION
- ️Sat Aug 24 2013
昔話から、日本人の自然観や生活理想、信仰心を探る
長い時代を生き続けてきた昔話には、祖先の自然観や生活理想が表れているのではないか――。「竹取翁」「花咲爺」「猿地蔵」などの、日本各地に語り継がれる昔話と、書物に残された説話文学や物語との関係を考察。昔話の意義や文字の定義を斬新な手法で明らかにする。解説・大藤時彦、三浦佑之 長い時代を生き続けてきた昔話には、祖先の自然観や生活理想が表れているのではないか――。「竹取翁」「花咲爺」「猿地蔵」などの、日本各地に語り継がれる昔話と、書物に残された説話文学や物語との関係を考察。昔話の意義や文字の定義を斬新な手法で明らかにする。解説・大藤時彦、三浦佑之
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「昔話と文学」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です
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交流困難な地域の分散にもかかわらず「偶然とは言えない一致」を各物語に見出す著者は、それらを差異の構造としての物語のバージョンと見なすことはない。著者は地域性の希薄な昔話を中心に、「一致」する諸要素から 交流困難な地域の分散にもかかわらず「偶然とは言えない一致」を各物語に見出す著者は、それらを差異の構造としての物語のバージョンと見なすことはない。著者は地域性の希薄な昔話を中心に、「一致」する諸要素から日本固有の自然観や生活習慣の抽出に向かう。この傾向は「梵天国」と「竹取物語」の比較を文学性の優劣で比較し、笑話を昔話の「零落」と捉える著者自身の文学ジャンル間に設けた優劣の反映として表れる。一方、イタリア民話との比較やフレイザー、アールネらの分類を参照する本書は、物語を国際的視野で捉える可能性も垣間見せる。 …続きを読む
roughfractus02
2025年02月17日
8人がナイス!しています
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竹取翁、竹伐爺、花咲爺、猿地蔵、かちかち山、藁しべ長者と蜂、うつぼ舟の王女、蛤女房・魚女房、笛吹き聟、笑われ聟、はてなし話、放送二題 竹取翁、竹伐爺、花咲爺、猿地蔵、かちかち山、藁しべ長者と蜂、うつぼ舟の王女、蛤女房・魚女房、笛吹き聟、笑われ聟、はてなし話、放送二題
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昔話の類似を国内のみならず諸外国の伝承までひっくるめて比較検討してくれるのは興味深かった。定型にパッケージングされた作品ではなく、口承により変化していく生きものとしての昔話だからこそ特異な意味をもつ比 昔話の類似を国内のみならず諸外国の伝承までひっくるめて比較検討してくれるのは興味深かった。定型にパッケージングされた作品ではなく、口承により変化していく生きものとしての昔話だからこそ特異な意味をもつ比較。ほんとに意味あんのかと訝りたくもなるが、そこへたしかな意味をもたせる文章に魅了された。 …続きを読む
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