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石破内閣の支持率急落…20%台「危険水域」高額療養費制度の見直し迷走、商品券問題で追い打ち - 社会 : 日刊スポーツ

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石破茂首相(2025年3月撮影)
石破茂首相(2025年3月撮影)

共同通信世論調査で石破内閣の支持率が急落し、20%台の「危険水域」に突入した。22、23両日に実施した全国電話世論調査で、石破内閣支持率は前回調査(2月15、16両日)から12・0ポイント急落し27・6%だった。昨年10月の内閣発足後、最も低かった同月の衆院選直後の32・1%を下回った。不支持率は16・0ポイント増の57・8%。石破茂首相と自民党衆院1期生との会食に際した商品券配布について「問題だ」との回答が71・6%に上った。

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内閣支持率が30%を割り込むのは岸田内閣末期の昨年8月以来となる。高額療養費制度の見直し迷走で指導力に疑問符が付いた上、これまで「政治とカネ」にクリーンと評価されてきた石破茂首相自身に商品券配布問題が露見し、追い打ちをかけた格好だ。「予想していたが、商品券問題の影響と言わざるを得ない」。官邸幹部は、石破内閣支持率が過去最低の27・6%となった結果に落胆した。

内閣支持率は自民党支持層でも56・7%で、前回2月の調査から11・3ポイント下落。自民支持層では配布が「問題だ」との答えが59・5%に上り、自民政権で政治とカネの問題が「根絶に向かわない」は68・9%に達した。

いつまで首相を続けてほしいかの設問に、自民では「あと1年ぐらい」が最も多かったものの、与党の公明党支持層では最多の31・5%が「2025年度予算成立まで」と回答。公明支持層では商品券配布が「問題だ」が主要野党支持層をも上回る79・9%だった。

首相は商品券配布を合法だとしつつ「世の中の感覚と乖離(かいり)した部分があった」と謝罪を繰り返している。ただ金券配布は過去の岸田、安倍政権でもあったとの証言が出て、自民の慣行との見方が強まっている。

首相を支持しない理由に「指導力がない」を挙げたのは5・8ポイント増の16・0%。官邸幹部は「高額療養費制度の見直し凍結は評価されたが、それまでの紆余(うよ)曲折が悪く見えたのかもしれない」と語る。

参院選で改選を迎える自民中堅は「このままでは後半国会は耐えられないし、(夏の)参院選も悲惨な結果になる」と見通した。官邸筋は「反省とおわびを尽くすしかない」と漏らす。自民幹部も「政倫審に出ても問題が収まるとは思えない。出口が見えない」とうめいた。(共同)