トランプ氏国連演説、北朝鮮「完全に破壊」警告
- ️Tue Sep 19 2017
【ニューヨーク=川合智之】トランプ米大統領は19日、就任後初めて国連総会の一般討論演説に臨んだ。朝鮮半島情勢について「米国と同盟国を守ることを迫られれば、北朝鮮を完全に破壊する以外の選択はない」と強く警告。北朝鮮が敵対的な姿勢をやめるまで国際社会が団結して圧力を加える必要があると主張した。
トランプ氏は北朝鮮に拉致された横田めぐみさんを念頭に「(失踪当時)13歳の日本人少女を拉致した」と非難した。金正恩(キム・ジョンウン)氏率いる北朝鮮の体制を「向こう見ずで下劣だ」と評し、同国が進める核・ミサイル開発を「世界全体に脅威を与えている」と激しく糾弾した。正恩氏を「ロケットマン」と呼び、「自殺行為をしている」と指摘。北朝鮮に対し貿易だけでなく軍事支援している国があると指摘し、各国に圧力強化での連携を訴えた。
トランプ氏は18日に中国の習近平国家主席との電話協議で、国連安保理決議を厳格に履行し、北朝鮮に最大限の圧力をかけることで一致していた。一方で中国は北朝鮮の体制が揺らぐような強力な制裁には慎重で、どこまで北朝鮮の挑発行為を抑制できるか不透明だ。
トランプ氏は国際社会に連携を訴えることで、北朝鮮への制裁の抜け穴をふさぎ、圧力を増す狙いがある。北朝鮮と取引関係がある中国の企業・関係者らへの制裁も拡大し、影響力行使を迫る考えだ。