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八晃運輸、「健全な競争」強調 バス路線参入で説明文

  • ️Fri Mar 02 2018

黒字バス路線への新規参入で赤字31路線を維持できなくなるとして両備グループ(岡山市)が廃止届を提出した問題で、参入する八晃運輸(同)は2日、成石敏昭代表取締役名の説明文を公表した。黒字路線の収益が赤字路線を補填する構造に一定の理解を示す一方で「(それが)行き過ぎれば黒字路線の利用客は不当に高い運賃を負担する事態に陥る」と主張した。

岡山市内で教習中のめぐりん

「弊社の新路線開設について」と題した説明文で、成石氏は参入理由について「健全な競争により市場を活性化させ、より充実したサービス提供を行わせていただくこと」と強調。両備の廃止届提出に関してはコメントを避けた。

八晃運輸は岡山市中心部と市東部の西大寺地区を結ぶ循環バス「めぐりん」の料金を両備より3~5割安く設定。成石氏は「格別割安ということでもなく、不当な競争を引き起こすおそれはないと判断された」と設定や中国運輸局による認可の正当性を主張した。

黒字路線による赤字路線のカバーについては「一定程度はやむを得ないものと思われる。しかし裏返せば、黒字路線の利用客が赤字路線の利用客の料金の一部を補填していることを意味する」と解釈。行き過ぎは道路運送法との矛盾を生じかねないとしている。

赤字路線を維持するため自治体がバス事業者に支出する補助金を巡っても、対象路線や支援規模、妥当性について県民の議論が深まっていないと指摘。「透明性を確保して改めて議論されることが必要だ」と主張した。