伊東豊雄(建築家) 私の履歴書(2)諏訪湖
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伊東豊雄 私の履歴書(2)諏訪湖
建築家
2023年7月2日 2:00 [会員限定記事]
子ども時代の原風景というものは、自分のつくる建築にどれほど影響するのだろう。若いころは考えたこともなかった。しかし年をとって、それはやはり僕の空間に対する感覚にオーバーラップしているように感じられる。冷たく澄み切った空気や白く凍ったような湖面。長野県下諏訪町、諏訪湖のある景色だ。
1941年、日本統治時代の京城(いまのソウル)に生まれた。2歳半ころに母と下の姉とともに帰国したので記憶はない。船を...
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伊東豊雄
国際的に活躍する建築家の伊東豊雄さんは、長野県下諏訪町の諏訪湖のほとりで育ち、東京大学工学部建築学科を卒業後、建築家の菊竹清訓氏の事務所を経て1971年に独立しました。順風満帆に見えますが、オイルショック後の仕事のない時代に事務所をやりくりしながら斬新な住宅を手がけ、国内外で話題作を手がけるチャンスをつかんでいきます。代表作の「せんだいメディアテーク」(2001年)は、鉄とガラスの森さながらのデザインで後の公共建築に大きな影響を与えます。2013年には建築界のノーベル賞と称されるプリツカー賞を受賞。人々のための建築とは何かを考え続ける伊東さんの半生記です。
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