うどんコラム | 讃岐うどん遍路 | 四国新聞社
強烈に安いのが讃岐うどん
香川県外の人には、讃岐うどんの値段の安さがにわかに信じられないかもしれない。平成12年現在、香川県下で一番安いうどん(もちろんダシもかかってネギも入れて)は綾上町の「山越」で、1杯100円!しかも、いいかげんなうどんではない。香川県下で1、2を争う人気店だ。
同様に、1杯100円のうどん店が8軒。
(高松市)うどん市場めんくい、藤本
(坂出市)上原、がもう
(綾川町)田村
(まんのう町)谷川米穀店、三嶋
(三豊市)須崎
さらに1杯110円の店が2軒、120円が19軒。セルフの店約200軒のうどん1杯(かけうどん小)の平均値段は、165円!セルフうどんより高い一般店約350軒のかけうどんの平均値段でさえ、250円強である。
ちなみに、きつねうどんの平均値段(約400軒の平均)は350円、天ぷらうどんの平均値段(約350軒平均)でさえ502円!これ、ひょっとしたら東京の半分以下じゃないですか?
サラリーマンの昼食仕様
讃岐のうどん店は何時頃開いているのか。この一見何の意味もないような調査をした結果、午前11時から午後2時の間に全店の95%以上が開いていることがわかった。ところが、午後3時から開いている店はどんどん減り始め、午後6時には全体の60%が閉店、午後7時には70%が閉店、午後8時には85%が店を閉めている。もう、圧倒的に讃岐のうどん店は「昼食仕様」であることがわかった。しかも昼時にうどん店に入ると、これまた圧倒的にサラリーマンの客であふれている。
そういうことである。讃岐のうどん店は「サラリーマンの昼食仕様」。なるほどー、讃岐のうどん店の多くが日曜日に休む理由はこんなところにもあったのか。

プロフィール
田尾和俊
空前の「讃岐うどん」ブーム仕掛け人。全国最小県の隠された食文化を一気に全国区に押し上げた。きっかけは初代編集長として中・高校生から圧倒的人気を得たタウン情報誌「TJKagawa」の連載企画。「ゲリラうどん通ごっこ」の麺通団長として、看板ものれんも無い穴場のうどん店を訪ね歩いた。「エッジの立った」「ガシッと締まった」など切り口鋭い評価と軽快なテンポの「恐るべきさぬきうどん(全5巻)」が大ベストセラーに。讃岐弁がポンポン飛び出す軽妙な語り口はTV、ラジオでも大人気。4月からは一転、地元の四国学院大学でカルチュラル・マネジメント学科担当の教授に。気さくな人柄と白熱の競馬予想が周囲を魅了する。