10者連続安打!神宮で“マリンガン打線”爆発!
【ロッテ14―2ヤクルト】ロッテは7日、ヤクルト戦で1点を追う7回、金泰均(キム・テギュン)内野手(28)の15号満塁弾など3本塁打が飛び出し、一挙10点を奪う猛攻撃。四球や犠打を挟まない10者連続安打はプロ野球史上初の快挙を達成した。そのほぼ同時刻、場所を移してオリックスも広島相手に6回、10者連続安打を記録。同じプロ野球記録が同じ夜に飛び出す珍事が生まれた。この日のパ・リーグ総得点は55。交流戦もパが23試合の勝ち越し。この強さ自体が記録的だ。
【試合結果
】
どうにも止まらない記録的猛打だった。余韻が残る試合後。連敗を3で止めた西村監督の表情が緩むのは無理もなかった。「オリックスもでしょ。同じ日に同じことをやるとは思わなかった。最近のモヤモヤを吹き飛ばしてくれましたね」
6回まで2安打の打線が目を覚ましたのは1点を追う7回だった。1死から里崎が四球。続く南の左前打で猛打ショーの幕が開けた。右肩手術から復活した代打・青野が3年ぶり安打となる中前打で満塁。西岡が詰まりながら左前2点打を放って逆転した。今江、井口がつなぎ、金泰均は来日初の満塁弾。サブローも2者連続アーチで続いた。
さらにこの回先頭で投ゴロだったムニスが二塁打で再び好機を築き、里崎が「さすがにあそこで打たないわけにはいかない」と2ランを放って10者連続得点だ。南は自身初の1イニング2安打となる中前打を放ち、驚きの10者連続安打を記録した。
青野の代打・岡田は三ゴロに倒れて記録が途切れ「すいません。記録だったんですか…知りませんでした」と唇をかんだが、ドラフト1位・荻野貴や大松ら主力に故障者が続出する中での記録達成でチームが再び勢いに乗るのは間違いない。15安打14得点で大勝。主将・西岡は「ケガ人が多いけど代わりの選手も含めて、みんな一生懸命やっている。チームに勢いがつく」と胸を張り、金泰均も「ロッテで記録をつくれて光栄です。またロッテで記録を塗り替えたい」と前を向いた。
交流戦でセを圧倒する強いパは、この日も計55得点で4勝1敗1分け。中でも12球団No・1のチーム打率・291を誇るロッテ打線の破壊力は、この夜も際立っていた。
≪従来の記録をまとめて更新≫ロッテはヤクルト戦の7回、オリックスは広島戦の6回にいずれも10者連続安打のプロ野球新記録。四死球、犠打を挟んだ最多連続打数安打はヤクルトが09年6月14日オリックス戦の5回にマークした11打数連続だが、最多連続打席安打はこの試合まで8度あった9者連続。ロッテ、オリックスは従来の記録をまとめて更新した。
≪パでは最多記録に≫ロッテは昨年6月11日広島戦の6回に10打数連続安打。1チームで2度1イニング10打数以上の連続安打をマークしたのはヤクルトに次いで2チーム目だ。さらにこのイニングで10連続得点。ロッテの1イニング10連続以上の得点は05年3月27日楽天戦の2回に10連続、前記広島戦の14連続(プロ野球記録)に次いで3度目。イニング2ケタの連続得点を3度は阪神の5度に次ぎ、中日と並ぶ2位タイ。パではオリックスの2度を抜き最多になった。
▼南 終わってから記録を知りました。打席では意識しなかったです。
▼青野 うれしいのひと言。ここまで頑張ってきて良かった。
▼西岡 全員でつくったチャンス。何とかしようという気持ちでした。
▼今江 西岡が打ってくれて楽になりました。勝てて良かったです。
▼井口 こういう打撃になると止まらないのが今年のチームです。
▼金泰均 調子は良くなかったけど、これで乗っていけそう。
▼サブロー やっと当たった。完全に周りに乗せてもらった。
▼ムニス みんなに続けて良かった。記録の一員になれてうれしい。
▼里崎 後はオレだけの状態。いい仕事ができたと思います。