農産物トラッキング - STMicroelectronics

農産物の物流とコールド·チェーン（低温貨物物流）は、スマート農業における重要な課題です。商品を市場に輸送する間に大きな損失や損害が生じる可能性があるためです。食糧の需要が世界的に増大する中、出荷商品ごとに入手可能なあらゆる物流データ（動きや物理的なストレス、位置情報、温度、湿度など）を取得して利用することにより、スマート化を進めることが農業にとって極めて重要となっています。 目標は、物流チェーンと課題全体を十分に把握し、損失を低減して全体的な生産性を向上させることです。 

農産物トラッキング・システムの概要

農産物トラッキング·システムは、MEMSモーション·センサを制御してパッケージの動きや環境条件をモニタリングするコア· マイクロコントローラ·ユニット、外部のアナログ·センサから正確なデータを取得するシグナル·コンディショニング·ブロック、GNSSベースの専用測位チップセット、および取得したデータの送信に使用されるLPWAN（低消費電力広域ネットワーク）を実現するSub-GHz無線技術によって構成されます。システムは、バッテリ駆動式でESD保護されており、長時間の動作を実現するために高効率のパワー·マネージメントICが使用されます。

製品 & ソリューション

STは、あらゆる農場管理 / 農産物トラッキング·システム向けに包括的なソリューションを提供しています。STM32マイクロコントローラ（マイコン）の超低消費電力シリーズ（Arm® Cortex®-M0コア·ベース）は、厳しい性能 / 消費電力要件に対応する最適な製品です。また、実績のあるMEMSセンサには、パッケージの動きをモニタリングして他のアプリケーション·ブロックを起動し、物流チェーン全体の消費電力を最小限に抑えるためのモーション·センサが含まれており、低ノイズ·低消費電力を特徴とする加速度センサは、農産物トラッキングに最適です。シグナル·コンディショニング·ブロックには、電力効率に優れたペリフェラル·アナログ·センサを追加することも可能です。 

STは、物流チェーン全体にわたってデータ·ロギングを行うためのEEPROMも提供しています。また、農産物トラッキングでは、低消費電力の無線通信がきわめて重要となります。STは、商品識別とデータ収集用のNFC、データをクラウドに適宜アップロードするためのGSMソリューション、長距離通信用のSub-GHz 無線技術など、さまざまなニーズに最適な無線通信ソリューションを提供しています。