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東海第二原発の事故対策工事 防潮堤の杭打ち45%完了 「再稼働の時期は未定」:東京新聞デジタル

鋼管杭をコンクリートで覆う作業が進む防潮堤=いずれも東海村で(代表撮影)

鋼管杭をコンクリートで覆う作業が進む防潮堤=いずれも東海村で(代表撮影)

 日本原子力発電は、東海第二原発(茨城県東海村)の再稼働に向けた事故対策工事の現場を、2020年12月以来1年半ぶりに報道機関に公開した。最大17.1メートルの津波を想定した防潮堤の建設は、軸となる「鋼管杭(こうかんくい)」の打ち込みが全体の45%まで完了していた。ただ、仮に工事がこのまま順調に進んでも、自治体の広域避難計画策定や地元同意といった課題は残されており、再稼働への道筋は見えない。(長崎高大)

 事故対策工事は今年十二月までに完了予定だったが、原電は二月、並行して進めるテロ対策施設(特定重大事故等対処施設)の工期と併せて二四年九月までの延期を発表した。両工事の費用は二千三百五十億円で、一日約千八百人の作業員が入っている。

 防潮堤は、東海第二と東海原発(廃炉中)の敷地を全長一・七キロメートルのコの字形の壁(海側で標高二十メートル、厚さ三・五メートル)で囲う。地下六十メートルの岩盤まで、直径二・五メートルの鋼管杭を三十センチ間隔で打ち込み、地上に杭を継ぎ足した上でコンクリートで覆う。

 杭は五百九十七カ所に打ち込む予定。案内役の小林英治副所長によると、五月末現在、地下、地上とも打設済みなのは二百七十カ所で、地下に限れば72%に当たる四百三十二カ所で作業を終えているという。

 炉心に冷却水を給水する機能が失われた場合に備えた、冷却設備の多様化も進んでいた。

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