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「銀座の柳」で草木染教室25年目 地元の泰明小で、呉服店の泉二さん 一時は姿消し復活した「代名詞」:東京新聞デジタル

 東京・銀座エリアにある唯一の小学校、中央区立泰明小で、地元の呉服店「銀座もとじ」が毎年行っている草木染の体験教室が25年目を迎えた。使うのは「銀座の柳」。都会の子どもたちが自然に触れる貴重な機会で、ものづくりや街の歴史への関心、探究心も育んできた。(太田理英子)

体験教室で、柳で染めた反物に絵を描く児童たち=13日、東京都中央区立泰明小学校で(太田理英子撮影)

体験教室で、柳で染めた反物に絵を描く児童たち=13日、東京都中央区立泰明小学校で(太田理英子撮影)

 体験教室は計3日。初日の6月28日、5年生の52人が泰明小前で、銀座の柳を剪定(せんてい)した。最終日の今月13日、柳の枝と葉を煮出して作った染液で染めた反物に、子どもたちは金属を溶かした媒染(ばいせん)液で校章や柳の絵を描いた。すると、染液と媒染液の化学反応で、筆跡はグレーや黄色に浮かび上がった。

 ハンカチを染液や泥に浸して染める体験も。薄い黄色などに染まると、参加した室(むろ)あさひさん(10)は「渋くなく、きれいな色に染まってうれしい。お母さんにあげたい」と喜んだ。

泉二弘明さん=撮影:枦木功さん(nomadica)、銀座もとじ提供

泉二弘明さん=撮影:枦木功さん(nomadica)、銀座もとじ提供

 「都会の子どもたちは泥に触れる機会も少なく、最初はみんな戸惑うが、次第に興味が芽生えて仕上がりに感激してくれるんです」。講師役を務めた銀座もとじ社長の泉二 弘明(もとじこうめい)さん(72)はうれしそうに語った。

 泉二さんが同小で5年生を対象に体験教室を始めたのは、創業から約20年後の1998年。初夏に銀座の路上で柳が剪定され、枝葉が処分されるのを見ていて、「柳の命を生かし、地域ならではの草木染ができないか」と考...

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