【会見詳報】旧統一教会の会長、元信者にお詫びも「教団は巻き込まれた」 安倍元首相銃撃事件後に返金44億円:東京新聞デジタル
◆安倍元首相銃撃以降、44億円を返金
ここからは返金要請の対応、および海外送金などについてご説明させていただき、教団改革の現状と方針などについて担当する勅使河原から説明します。
返金要請の対応について。国会で財産保全措置の法案が議論されていますが、その理由に、被害を訴える方々への対応への不安が挙げられています。本日は、昨年来、当法人あるいは信徒会が行ってきた被害を訴える方に対する返金等の対応について、この場で初めてご報告させていただきます。
昨年の安倍元首相の事件以来、元信者の方や一部の現役信者の方から報道を通しての不安から献金を返してもらえないかという相談の申し出が多数ありました。
そのような皆さま方に対しまして、1件1件誠意を持って対応してきた。
その対応の結果をフリップでご説明させていただきます。
この資料は昨年の事件以来、相談に来られた方に対し、当法人が返金に応じた件数と金額を月ごとに表したグラフです。
(月別の返金対応件数のフリップを示しながら説明)
事件以来返金に応じた件数は合計664件、44億の返金要請に対応(10月31日時点)。
この1年4カ月で、返金要請に応じたのは合計664件、返金総額は約44億円になります。事件直後の9月、10月が一番多くありました。
◆要請されたら何でも返金ではない
返金する際には、個別の事情を考慮しながら話し合いをさせていただいて、双方の合意に基づいて返金しています。
献金を捧げられた時の状況や、当時の経済状況に比してどうだったのか、現在の家庭状況を鑑みながら対応している。今後も返金要請があった場合には丁寧に向き合い、適切に対応させていただく姿勢に変わりはありません。
ただ、献金は信者の神様への感謝と神様の御旨(みむね)に協力するために捧げられた大変尊いものです。この尊い献金を適切に管理する責任も私たちにはありますので、返還請求されたものは何でもというわけにはまいりません。そこはご了承頂きたいと思います。
◆集団交渉124人中99人には回答
全国統一教会被害対策弁護団の方から、集団交渉という形で124人の方による、約39億円の返金を申し込まれている件についてご説明します。
記者会見等で当方人の対応について、不誠実だと訴えていらっしゃいますが、この件については、すでにこちらで調査が完了した方々99人分に関しては今年の5月から5回にわけて回答をお返ししておりますし、残りの方々についても継続して確認中です。
回答した99人の方々の請求金額は合計で約23億円です。そのうち当法人で受領が確認できたもので法的に有効なのは約8億円です。それ以外の多くは、除斥期間を過ぎたものや、記録が確認できないもの、あるいはすでに和解が済んでいるもの、ご本人以外からの請求も含まれています。
それら全てを一括して集団交渉という形でこだわり続け、当法人の回答を無視し続けるために、交渉が滞っているのが現状です。
私どもは先ほどご説明したように、すでに664件の要望に向き合ってきました。各案件ごとに、弁護士を代理人としてでも、また個別にでも、申し入れていただければ今後も変わらず、当法人および信徒会と、1件1件、対応させていただく所存です。
◆資金の海外移転「考えていない」
次に海外送金について述べさせていただきます。
当法人の財産保全措置法制定に向けての議論の中で、不安材料の1つとして当法人の資産の海外移転についてよく言及されます。
これにつきましては昨年9月の勅使川原と顧問弁護士が会見した際に、教会改革の一環として海外の送金支援を大幅に減額することを申し上げましたし、現在も海外支援、宣教支援はストップしています。
今後も解散命令の裁判が確定するまでは、当法人の資金を海外に移転することは考えていません。
実際、取引銀行からもインボイスなどの確実な書類があるものを除き、海外送金はできないと指導を受けています。従って、今後始まる解散命令の裁判が確定する前に、当法人の資産を海外へ移転させるという心配はまったくありません。
以上述べてきたように、献金の返還要請への当法人の対応や、海外移転に関しては何ら不安には及びませんし、今国会で議論される財産保全措置法の必要性は全くないと思います。
それでも、不安をお持ちの方々のために、当法人からは特別供託金の提案をさせて頂きます。
財産保全を巡っては、野党が関連法案を臨時国会に提出。解散命令の確定前に、教団の財産を関連団体に移したり、韓国にある本部に送金したりする恐れがあり、国会で議論されている。
◆最高100億円を国に供託
すでに始まりました解散命令請求に対する法廷において、私たちの法的主張は必ず司法の場で認められると確信しておりますが、司法での結論が下されるまで供託金を準備させていただき、国に供託させて頂くことを役員会で決定いたしました。その金額は、60億から最高100億円を考えています。
年間の予算調整を踏まえた上で、何とかめどを立てることができました。
被害者も被害金額も特定されていない現状において、現行法では供託金の制度はありませんが、このたび限定の特別処置として国の方で制度を用意していただければ、当法人で準備させて頂く所存です。
先頃、全国統一教会被害対策弁護団は、潜在的な被害金額は1200億程度と推計しました。文部科学省が総力を上げて調査された結果、過去43年間で被害として累計したのはその6分の1です。
しかも、そのほとんどは解決金や和解や示談ですでに解決しているものであり、1200億円の根拠はどこにも見いだすことはできません。従いまして、今後も当法人自体で十分に対応しうると考えています。
◆宗教2世の悩み吸い上げる仕組み構築
次に2世問題について。いわゆる宗教2世の問題。家庭連合の2世の皆さんが、親の信仰を継承することにおいて、あるいは経済的問題についてお悩みになっていることが指摘されています。
親がその価値感に基づいて、子どもを教育し育てることは親の権利でもあり義務でもありますが、成長とともに最終的な選択は2世の皆様ご本人の主体性、自主性を重んじるべきであることは言うまでもありません。
昨年の事件以降、2世信者の皆様の悩みを吸い上げる仕組みも構築してまいりました。
親子の対話を推進するための認定相談員制度や、2世信者の皆様への奨学金制度を拡充してまいりました。今後もこのような適切な処置を取り入れてまいります。
このように、信仰ゆえに家族が困窮したり、親子間相互の関係にひびが生じたりすることのないよう心がけておりますし、このような指導をさらに充実し、徹底します。
◆反日批判「まったく事実ではない」
もう一つ、反日という批判に対して、一言述べさせていただきます。
昨年来、家庭連合は反日的な思想を持っているというご批判をちょうだいしております。
しかし、まったく事実ではないことを改めて申し上げます。家庭連合の教えの核心は、天を愛し、人を愛し、国を愛する、いわゆる愛天、愛人、愛国です。家族を基本単位として、日本国を愛することを通して平和な世界の実現を目指そうとするものです。
実際、その活動の一つとして、友好団体である国際勝共連合と協力しながら、神と人間の尊厳性を否定する共産主義の脅威から、日本を守るために最前線で闘ってまいりましたし、地域を愛する思いをもって各地域で熱心にボランティアを行ってまいりました。
韓国との密接なつながりや表層の一部の発言だけを切り取って、家庭連合に浴びせられた反日という批判は、根拠のない誤解というほかなく、多くの信者の皆様が最も戸惑っているところです。
◆過度な献金、10数年にわたり徹底指導
最後に教団改革について申し上げます。
この後、改革を担当する勅使川原から説明しますが、2009年のコンプライアンス宣言以降、社会的に問題とされるような行きすぎた行為をしないよう、当法人の組織として内部規定を整備したりしながら、職員の指導を徹底してきました。
とりわけ過度な献金については、この10数年にわたり徹底した指導をしてきました。その結果として、直近の7年に提起された裁判事案は1件もありません。そして訴訟や調停にいたらずとも、過去の献金について返金要請をされた方々に対しては、先ほど申し上げた通り、誠実な対応を取ってきましたし、現時点でも、ご事情を説明していただければ誠意をもって対応させていただいているところでございます。私からは以上です。
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