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選択的夫婦別姓 自民議員が反対派に思うこと「理解不足と差別思想を感じた」:東京新聞デジタル

 希望する夫婦が結婚前の姓を名乗ることができる「選択的夫婦別姓制度」導入をめぐり、自民党の国会議員が制度導入に賛同する意見書を地方議会で採択しないよう求める文書を送っていた問題で、文書を受け取った前埼玉県議会議長の田村琢実県議(49)=自民=が本紙の取材に応じた。田村氏は元々、制度に反対だった。なぜ「賛成」に転じたのか、真意を聞いた。(奥野斐)

選択的夫婦別姓の導入賛成に転じた経緯などを語る田村琢実埼玉県議

選択的夫婦別姓の導入賛成に転じた経緯などを語る田村琢実埼玉県議

◆当事者の困り事想像できず

―かつては選択的夫婦別姓に反対だった。

 選択的夫婦別姓制度が導入された場合、「家族に影響がある」と思い込んでいた。私の家庭も親戚にも離婚した人がなく、親子が同じ名字なので、深く考えてこなかった。立場を聞かれれば「反対」と答えていたが、当事者の困りごとを想像できていなかった。

 制度が導入されることで、たとえば(別姓になれることを理由に)「おまえなんか、うちの家に入れないよ」といった逆差別が出る懸念も感じていた。

 ―賛成に転じたきっかけは。

 端的に、当事者の声を聞いたことだ。私もそうだったが、制度に反対する人は「家族や子どもに影響がある」と決めつけている人が少なくない。

 昨年8月、親しい国会議員の鈴木馨祐衆院議員(自民)から、市民団体の「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」の井田奈穂事務局長の話を聞いてくれないかと依頼があった。正直、最初は「ご期待に応えられない」と返事をしたぐらいで、前向きではなかった。

◆「家族に影響ない」

 ―どの時点で、考えが変わったのか。

 実際に井田さんにお会いし、話を聞いている最中に、選択的夫婦別姓制度を導入しても「家族に影響がない」と納得した。結婚時に夫婦同姓を強制しているのは日本だけ。世界を見れば、別姓の制度の国はたくさんあるが、家...

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