セルフうどん草分け とば作小松島店40年の歴史に幕
- ️Mon Sep 17 2029
徳島県内セルフうどん店の草分け「とば作小松島店」(小松島市小松島町中筋)が30日、40年の歴史に幕を閉じる。小松島店は「とば作」創業の地で、創業者の尾形伊佐雄さん(72)が運営する唯一の直営店。尾形さんがうどんの新商品開発に専念するため、閉店を決断した。県内にある他のグループ店は今後も営業を続けるが、常連客は長年親しんできた老舗店の引退を惜しんでいる。
同店は1977年4月、外食産業の成長を見込んだ尾形さんが建築士から転身して創業した。当時、県内になかった自分でうどんをゆがき、だし汁を注ぐセルフうどんのシステムを県内に定着させた。その後、各地でグループ店が誕生し、現在は徳島、鳴門、阿南、美波、北島、上板の3市3町に10店舗ある。小松島店が麺とだしの材料を供給し、各店の店主がそれぞれ経営している。
尾形さんは、系列店を含めた「とば作」グループが創業100年を目指すには顧客に新たな価値を提供し続けることが必要と判断。「健康」がキーワードになると考え、食べれば食べるほど健康になるうどん作りを目指すことにした。具体的には、塩水なしで打ち上げる麺やサプリを練り込んだ麺、糖尿病予防食などをイメージしている。
今月上旬から顧客に閉店の意向を伝え始め、看板も設置した。21日から店内に設けた寄せ書きノートには「部活帰りにいっぱい食べに来ました。なくなるのは残念です」「安くておいしくて最高でした。ありがとう」などとつづられている。
尾形さんは「競争が激しい飲食業界で、200人以上に上るグループ店の従業員とその家族が将来も安心して暮らすために、転機は今しかないと考えた。これから開発する次の時代のうどんに期待してください」と話している。