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山内図書館が40周年 民間視点で事業実施 | 青葉区 | タウンニュース

  • ️Wed Apr 12 2017

 青葉区あざみ野の横浜市山内図書館(古川たか子館長)が4月12日に開館40周年を迎えた。蔵書数は2015年度末時点で19万8599冊と中央図書館に続いて市内2番目の規模を誇り、同年度実績で54万3330人もの人が利用する同図書館。13人の常勤職員と26人のアルバイトスタッフも含め、地域に根付いて運営をしている。

1977年開館

 同図書館は1977年4月12日、あざみ野駅ができる1カ月前に、横浜市内で3番目の図書館として開館した。たまプラーザ団地で活動する「いずみ文庫」の呼びかけで、「美しが丘地域に公立図書館を作る会」が発足し、同会によって勉強会や署名、陳情など積極的な図書館づくり活動が行われた結果だった。開館直後から多くの市民に利用され、本棚が空っぽになることも。日本の図書館の中でも1、2位を争うほどの利用数だったと記録が残っている。

 同図書館は横浜市内で中央図書館(西区)を除いて唯一区名がついていない。開館当時は緑区だったため、名前を「緑図書館」とすることが順当だったが、地域住民から「山内」という地名を残したいという強い希望もあり、現在の名前で開館。94年に緑区から分区し、青葉区が誕生した際にも名称変更されることはなかった。

有隣堂グループが運営

 転機は2010年の指定管理者制度導入。同図書館は市立図書館で唯一民間が運営しているのが特徴だ。現在は書店など展開する(株)有隣堂と総合ビルメンテナンス業の三洋装備(株)で共同事業体を作り、有隣堂グループとして運営している。

 民間ならではの視点を生かし、各種事業を実施している。例えば、1時間500円で6カ月から未就学児を預かる「やまちゃんひろば」は、子育て中であってもゆっくりと本を探し、読む時間を持ってほしいと始めたサービスだ(※実施日程等は要確認)。また、区内への貸本有料宅配も独自サービス。インターネットや電話で申込でき、自宅にいながら本が受け取れ、返却もできる。送料は1回350円で、シニア世代や子育て世代の利用が多いという。また、館内には図書館に必要な文具や書籍を販売するミニミニショップ「山内堂」も設置されている。

 文化人の大型講座も年に1度程度開催している。過去には作家の鈴木光司さんや万城目学さんも登場しているほか、今年1月には青葉区役所との協働事業として村上龍さんの講演会も実施。同図書館によると、今後も講座の開催を検討しているという。

 40周年を迎え、同図書館はマスコットキャラクター「やまちゃん」の誕生日会など記念事業を実施予定。古川館長は「40周年を迎え、今後も公共図書館として地域の人の心のよりどころになっていきたい。誰もが利用しやすい図書館をこれからも作っていきたい」と改めて思いを話している。