日経スペシャル ガイアの夜明け : テレビ東京
日経スペシャル「ガイアの夜明け」 4月11日放送 第207回
できる新卒を採れ
~人材獲得大作戦~
バブル崩壊以降、“氷河期”とまで言われた就職戦線が今年、活況となっている。新卒採用を手控えていた企業も来春はかなり積極的な採用に踏み切る計画だ。背景にあるのは、企業業績が回復してきたことと団塊世代が大量退職する「2007年問題」。各企業は、これまでの採用抑制から、人材確保へと舵を切り、水面下での戦いが始まった。
2007年春を目指し就職活動がたけなわのこの時期、様々なメディアが企業の人気ランキングや就職活動学生の意識調査を行っている。人気があるのは安定した大企業か、急成長を続けるベンチャー企業。こうした企業間の人材争奪戦が激しくなる一方で、中小企業の経営者たちは欲しい人材を採ることに苦慮している。彼らはどうすれば優秀な人材を確保できるのか。
また、今年引く手あまたなのが理系の学生。業績好調の自動車・電機、それに金融機関も触手を伸ばす。
ある電機メーカーの理系学生獲得計画を追う。

新卒採用に苦しむ中小企業の経営者が駆け込む採用指南セミナーがある。「いい人材が採れない」「採っていくのは大企業ばかり」と悩みを打ち明ける経営者たちに檄を飛ばすのは、安田佳生さん(41歳)。人材採用コンサルティングで急成長を遂げるベンチャー企業「ワイキューブ」の創業者だ。安田さんが伝授する新卒採用の秘策、それは・・・“社長改造”。「いい新卒を採りたければ、社長が変わらないとダメ!」というものだ。
ワイキューブの門を叩いたある中小企業社長の改造計画に密着。それは、社長の話し方からファッション、そして会社の事務所の場所まで変えるというもの。こんな風変わりな戦術で、新卒学生争奪戦を勝ち抜けるのか、果たしてその成果は・・・。
ベンチャー企業ながら、有名大企業を相手に回してもほとんど力負けせずに学生を入社させるという伝説の採用マンがいる。人材派遣などを手がけるベンチャー企業「インテリジェンス」の上原隆さんは年間2万人もの学生と会うという熱血採用担当マン。入社を口説くだけではなく、他社への就職を悩む学生の相談にのったり、時には朝まで学生と飲み明かしたり、とエネルギッシュな38歳だ。人材獲得の戦国時代に移り気な学生たちの心をつかむ、その採用活動を追う。
業績好調と2007年問題で大量採用に踏み切る自動車・電機メーカーの理系学生の争奪戦。学生たちにとっては絶好の“売り手市場”だが、企業にとっては“採用氷河期”の始まりだ。大手電機メーカー「富士電機ホールディングス」の紅一点の採用担当、竹中京咲(あずさ)さん(28歳)は、北海道から九州まで、全国の理工系大学をめぐり、会社説明会を積極的に開くなど地道な採用活動を続けているが、反応はいまひとつ。いまの理系学生たちは、メーカーに限らず、大量採用に踏み切る大手金融機関や、人気のベンチャー企業などにも触手を伸ばすのだ。はたして竹中さんはものづくり企業へといまどきの理系学生たちをいざなうことができるのか。
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