デカメロン
デカメロン
1353年、ボッカチオが発表したイタリア・ルネサンス期を代表する小説。黒死病の流行中のフィレンツェで、避難する10人の男女が一夜で一話ずつ話すという内容で、人間の実社会の喜怒哀楽を巧みに描き、近代小説の最初の作品と言われる。
この作品はイタリアのルネサンスを代表するボッカチォが書いた散文形式の小説で、1348年ごろから執筆され、1353年に完成した。
黒死病(ペスト)の難を逃れてフィレンツェの郊外に避難した10人の男女が、寂しさを紛らわすために1晩に一人が1話ずつ話をするという形をとり、つまり100話からなる短編集となっている。日本語では『十日物語』と言われることもある。話は卑猥なものが多いが、そこに描かれた人物像は、生き生きとして個性あふれており、この小説は近代小説の最初の傑作とされている。
この作品はイタリアだけでなく、イギリスの国民文学の始まりといわれるチョーサーの『カンタベリ物語』にも影響を与えた。
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