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【朝日新聞研究】ヘイトスピーチと慰安婦報道 憎悪表現で損なわれた国益は大きい

 産経は1月3日朝刊で、慰安婦問題に取り組んできた、現代史家の秦郁彦氏と、東京基督教大学教授の西岡力氏の「正論 新春討論」を掲載していた。秦氏は対談で、国連人権委員会に慰安婦問題を持ち込んだ日本人弁護士について、「僕はなぜそういう自国を貶めるようなことに熱中する日本人がいるのか、不思議でならない」と述べていた。日本人による日本を標的にしたヘイトスピーチへの疑問といえそうだ。

 朝日が大誤報を認めたことで「慰安婦=強制連行」は否定されたが、日本や日本人の名誉回復にはほど遠い。メディアなどの強力な発信力によって一部の日本人は洗脳され、その影響は世界各国に広まっている。国家や民族に対する憎悪表現で損なわれた国益は極めて大きい。

 私は、日本や日本人を貶めることによって、自分たちが正義の立場にいるように振る舞うような人々を「虐日日本人」と呼んでいる。

 1月8日の朝日「声」欄には、東京都の医師による「ヘイトスピーチは絶対悪だ」とする投書が掲載されていた。そうだとすれば、朝日の報道はどう評価されるべきか。

 ■酒井信彦(さかい・のぶひこ) 元東京大学教授。1943年、神奈川県生まれ。70年3月、東大大学院人文科学研究科修士課程修了。同年4月、東大史料編纂所に勤務し、「大日本史料」(11編・10編)の編纂に従事する一方、アジアの民族問題などを中心に研究する。2006年3月、定年退職。現在、新聞や月刊誌で記事やコラムを執筆する。著書に「虐日偽善に狂う朝日新聞」(日新報道)など。